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感動の有馬記念!武豊騎手とドウデュースから学ぶ(デザインマネジメント考察版)

「うまくいかないときにどう向き合うかが 人生の質を決める」

この言葉から感じるのは、人生には順風満帆な時だけでなく、逆境や挫折がつきものであり、それらにどう向き合うかが大切だという考え方です。このテーマに関して私は、感動的な有馬記念での武豊騎手とドウデュースの見事な復活劇で学びを得て再確認しました。人は失敗や予期しない結果に直面することがありますが、それを素直に受け入れ、成長の契機として捉えることができれば、自身の能力と人間性が向上していくでしょう。ただし、これは言葉で語るほど簡単なことではなく、実際には様々な困難が伴います。

多くの人は現実の厳しさから目をそらし、運や他者への責任転嫁をすることがよくあります。私も50歳を迎え、その中で「うまくいかない状況に真正面から向き合う」ことの難しさを痛感しています。しかし、有馬記念でのケガを乗り越えた武豊騎手とそれに応えたドウデュースの走りを通して、新たな気づきを得ることができました。

武豊騎手の凄さ

「武 豊」という名前は競馬を知らない人でも耳にしたことがあるでしょう。彼は競馬界のレジェンドであり、50代での前人未踏の24回の重賞勝利を記録し、現在もなお現役で力強く騎乗し続けています。彼の姿勢はまさに職人のようであり、そのプロフェッショナリズムは多くの人に尊敬されています。

武騎手が語った言葉には深い教訓が込められています。彼は「競馬の騎手というのは、トップであっても8割以上負ける。だからこそ負けた時にどういう行動を取るかが大事」と述べています。では、武騎手は具体的に負けた際にどのようなアプローチを取っているのでしょうか?

武騎手の卓越したスキルや手法、そして精神面をより詳細に理解するために、デザインマネジメントの手法を取り入れると、彼は関連する競馬のレース映像を定期的に3回観察しています。これらの観察では、各回において特定の目的を明確に定め、それを基にして繰り返し振り返る習慣が確認されます。この徹底的な分析と学習プロセスは、武騎手がどのようにして身体的な衰えを補完し、経験に裏打ちされた思考技術と洗練されたパフォーマンスを維持しているかを具体的に示しています。

1回目の観察(視点の定義)

武騎手は最初ステップで、通常の騎手の目線からは気づきにくい要素に焦点を当てます。後方の馬たちの動きやラップタイムなど、通常のレース観戦では見逃されがちな情報を重視します。このアプローチは、「ユーザー視点」の概念と共通しています。利害関係者の視点を正確に理解し、客観的に分析することが成功に重要です。

2回目の観察(仮定の検証)

2ステップでは、仮定や仮説の展開を想定しながら映像を再度見直します。アイデアのプロトタイプ化のアプローチに通じており、異なる仮説やアプローチを検証し、最適な選択肢を見つけることが求められます。この段階での検証は、意思決定プロセスを強化し、効果的な戦略を見つける手助けとなります。

3回目の観察(他者の成功の分析)

3回目のステップでは、勝利した馬に焦点を当て、その走りを分析し、ヒントを得ます。他者の成功事例やベストプラクティスの研究が一般的であり、それを取り入れてプロジェクトやプロセスを改善することが重要視されます。他者の成功を理解し、それを自らの経験に取り入れることで、より効果的な戦略を構築することが可能となります。

デザインマネジメント手法を応用してみると、武騎手は観察を通じて独自の学習プロセスを確立し、これを競馬の舞台に巧みに組み込んでいます。彼はさらに深化し、「向き合う」際に上手くいかないときの辛さを軽減するために、以下のような巧妙な戦略を駆使しています。

感情よりも分析へのフォーカス

負けや失敗には学びや成長の機会があることは理解されていますが、それを認めることは容易ではありません。武騎手は振り返りの際、「うまくいかなかった」という感情に焦点を当てるのではなく、「なぜうまくいかなかった?」という分析にフォーカスします。その際、彼は感情に振り回されることなく客観的かつ冷静に事態を見つめ、問題解決のための洞察を得ることに重点を置いています。

ルーティン化されたプロセス

意欲が低下しがちな課題ほど、ルーティンを取り入れることが効果的です。武騎手は振り返りの手順を完全にルーティン化しています。これにより、彼は感情の波に左右されず、一貫したアプローチで問題に取り組むことができます。このルーティンは単なる習慣以上の意味を持ち、彼の精密な分析と冷静な判断を支え、同時に失敗から学び取るプロセスを効果的かつ効率的に進める手段となっています。

視点の持ち方においても、

多面的な分析の重要性

同じ出来事でも、目的や視点を変えてみることで多くの気づきが得られます。武騎手は1つのレースを3回にわたり異なる視点で分析することで、豊富な対応策を見つけられるのです。

これらの工夫を要約すると、うまくいかないときの対処法として心がけていることは、

・客観的に分析する

1つの視点だけでなく、異なる角度からも出来事を見つめることで、潜在的な解決策や改善点を見逃さず把握できます。武騎手は広範な視野を持つことで、競馬においても他の騎手や馬との競り合い、コースの状態など様々な要素を考慮し、状況に適した戦略を構築します。

・複数の観点で分析する

さらに、異なる角度からも出来事を見つめることで、潜在的な解決策や改善点を見逃さず把握できます。武騎手は広範な視野を持つことで、競馬においても他の騎手や馬との競り合い、コースの状態など様々な要素を考慮し、状況に適した戦略を構築します。

・分析を通して自己向上を図る

毎回の分析を通して、武騎手は自らの強みや課題を明確にし、それを基にスキルや戦術を向上させています。このプロセスを通じて、失敗や困難から学び、将来の成功につなげる自己成長のサイクルを築いています。武騎手は反省を学びの一環と捉え、絶え間なく続けることで、繰り返し発生する課題を克服し、プロフェッショナルとしての成熟を促進しています。

これによって、メンタルダメージを軽減し、かつ引き出しの数を増やすことができ、自らを持続的に向上させる秘訣となっています。高い解像度で見えてきたのは、多面的な分析が、個人としての成熟と成功において極めて重要な役割を果たしていることです。

武豊流のビジネス応用とデザインマネジメント手法の統合

武豊流の「うまくいかないときの分析法」をビジネスシーンで応用し、受け入れられなかった提案プレゼンのケースをデザインマネジメントの視点で具体的に整理してみましょう。こうしたアプローチを通じて、ビジネスの向上に向けた新たな洞察を得ることが目的です。

1回目の振り返り(資料と反応の確認)

提案が受け入れられなかった理由を洗い出すために、冷静な視点で資料を再評価します。内容だけでなく、聴衆の反応も詳細に調査します。デザインマネジメントのアプローチを採用し、ユーザビリティの向上やプロジェクト初期段階の意見の有益な収集に焦点を当てます。

2回目の振り返り(アプローチの変更)

提案のアプローチに焦点を当て、具体的な質問を通じて変更点を検討します。デザインマネジメントの手法、例えばユーザビリティテストやプロトタイピングを通して、アプローチやデザインの修正や最適化のプロセスを進めます。

3回目の振り返り(他者からのフィードバックの取得)

他者からのフィードバックを積極的に取り入れ、提案に関する意見やアドバイスを広く収集します。同僚、上司、関係者の視点を組み合わせ、より多角的な改善に努めます。デザインマネジメントの枠組みを採用し、ステークホルダーからの持続的なフィードバックを活用してプロジェクトを柔軟に最適化します。

これにより、武騎手が競馬の観察を通じて築いた独自の学習プロセスを応用し、ビジネスの舞台でうまくいかない状況に臨む際の有益な手法を獲得します。デザインマネジメントの戦略や手法がビジネスの複雑な課題に対処するのにどれほど有益であるかを理解し、統合することでより効果的なビジネスプロセスの確立が期待できます。

予測を超えた感動を生み出す

競馬においても、感動的なレースシーンは武豊騎手と松島正昭オーナーの熱い絆や信頼関係に支えられた人間ドラマが背後にあります。これらのエピソードは、単なるスポーツイベントを超越し、観る人の感情に深く訴えかけ、予測を超えた感動を生み出すものとなっています。

一見直接的な仕事とは無関係に見えるかもしれませんが、心のアンテナを張り巡らせると、学びの原石は様々な場所に転がっています。私自身もまだまだ未熟であり、日々の予測しなかった思いがけない出来事や厳しさに打ちのめされて視野が狭くなることがあります。しかし、そんな時こそ気分を変えて趣味や遊びに没頭し、新たな気づきや発想が芽生えることがあります。実際、「楽しむ」ということは人生の学びにとって必要な栄養となるでしょう。

ちなみに、私の有馬記念の結果、武騎手ごめんなさい馬券の買い目からはドウデュースを外していました。距離も合わないと思ったし、武騎手も病み上がりだったことから、期待を控えめにしていました。しかし、すべてが覆され、驚きと感動で痺れた。競馬はやっぱりドラマチックですね。素晴らしい有馬記念、ありがとうございました。当たった方、おめでとうございます!


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