本の学校出版産業シンポジウム
前回からのつづきです。
90分におよぶパネルディスカッションの続きをダイジェストでお伝えします。
業界紙『新文化』より引用します。
また『文化通信bBB』では、こんな紹介をされていました。
この時のシンポジウムの全文は『出版デジタル化の本質を見極める: 本の学校・出版産業シンポジウム2010記録集』(出版メディアパル)をご購入いただけたら幸いです。
今から14年前のシンポジウムですが、僕は「書店のセレクトが重要になってくる」と言いました。それは、今日にも通じる話です。
店主のセレクトが売りの独立系書店が増えてきました。一方、ベストセラー中心のチェーンストア型の書店は次々と閉店に追いやられています。
書店は大きくなりすぎました。地域の読者にとって、広過ぎる売り場よりも、お客様が欲しいと思う本を、仕入れておきましたよ。と言える距離感が必要なんだと思います。
7月15日、第143回 直木賞は中島京子『小さなお家』(文藝春秋)が受賞。芥川賞は赤染晶子『乙女の密告』(『新潮』2010年6月号掲載)が受賞しました。ペンネーム赤染晶子の赤染は、平安時代の女流歌人で、藤原道長の妻、源倫子に仕えた赤染衛門に由来するそうです。
ジュンク堂書店の社長と対面
さて、分社化した丸善ですが、
丸善書店の社長を兼務するジュンク堂書店の社長に会った日が何月何日であったかは覚えていませんが、どんな会話をしたかは明確に覚えています。
当時、丸善の本社は品川にありました。その本社ビルの大きな会議室で丸善書店の出発を祝う内輪の立食パーティーがあり、首都圏の店長も呼ばれていたのです。すると丸善の役員に連れられて、ジュンク堂書店の社長が僕の前を通りました。丸善の役員は、「お茶の水店の店長です」と紹介すると、「ああ『新文化』の人か」と一言。
話しをすると、どうも、『新文化』やマスコミなどで、とりあげられていることが面白くないようです。
僕は直感しました。この人は、従業員に嫉妬するタイプだと。
小城さんと比べて器が小さいと言うか、2010年当時、山﨑将志『残念な人の思考法』(日経プレミアシリーズ)がベストセラーとなり「残念な人」という言葉が流行っていましたが、工藤 恭孝は、正に「残念な人」でした。
7月19日、毎日新聞に僕の名前が出ていると友人から教えられて、22面を読むと、「苦境『本屋さん』生き残り模索中 カギは本棚づくり」というタイトルの記事でした。
少し引用します。
社長からの挑戦状
この発言は、やはりシンポジウムでの話の一部分を切り取ったものでしたが、実際は何と言っていたかを記しておきます。
松丸本舗
松丸本舗には言いたいことが山ほどありますが(笑)それは、また改めて書きます。
7月の中間決算も無事に終わり、その数字がでることを心待ちにしていましたが、8月上旬、決算のデータが確定しました。お茶の水店は、営業利益が予算に対し、130%と好調に推移していました。
誰かが言いました。「出る杭は打たれる」と。
9月2日(木)渋谷の東急百貨店本店の7階に
MARUZEN & ジュンク堂書店がオープンしました。
同日の朝日新聞には全1面広告を掲載。
キャッチコピーは「書店を楽しめ!」とあり、「本屋さんの楽しさ」が忘れられそうな現代。
実際に本を手に取ることによって、一冊の本と出会う喜びを、もっと多くの人に体験していただきたい。
「リアル書店復権」をめざして2社がコラボを実現。
渋谷地域最大級のワンフロアに、130万冊の書籍と「書店の楽しさ」がぎっしり並べられています。
・・・という長文が綴られていました。
渋谷地域最大級とあるが売場面積は1100坪。
かつてのブックファースト渋谷店をしのぐ大きさ。
7階という点と営業時間が21時までという点は気になるが。
「MARUZEN & ジュンク堂書店」というショップブランドとしては、この渋谷店が1号店。
年内には広島・大阪(茶屋町)にも出店が計画されています。
ただコラボレーションと言っても
書店の中身は「ジュンク堂書店」であり、
「MARUZEN」の部分は、文具だけの状態。
また9月1日付で丸善から3名、ジュンク堂の藤沢店と大宮店、仙台ロフト店へ出向することになりました。
次は、誰が出向するのか、異動するのかと考ええていた時、
僕は9月16日付で丸の内本店勤務を命じられ、
連休明けの21日に着任したのです。
つづく