唐版 犬狼都市

知り合いが演劇に出る、というので半年以上ぶりに観劇。以下公演の詳細。

新宿梁山泊 第69回公演
本多劇場グループ テント企画
『唐版 犬狼都市』
この都市の地下には、しゃべる犬たちの幻想都市「犬田区」が広がっている!!
下北沢に突如出現する紫テント……猛々しくも叙情的な劇世界をぜひご堪能ください

感想という名のつぶやき

なんだこれ...って始まって、なるほどね...って理解したら、なんだこれ…で終わっていた。

三幕の演劇というのも珍しい気がするが、二幕まで観て「あーそーゆーことね 完全に理解した」って思ってたら、幕間開けてどんがらガッシャーンってされた。脳内ではゴー☆ジャスが地球儀を持って「わぁけわかんねぇだろ!」って叫んでた。

三幕の冒頭で頭が理解することを諦めた。

デカダンス

ひとことで表すなら「デカダンス」だ。アングラ演劇なんだから当たり前なのかもしれないが、舞台に飛び出してくる人や世界観やオブジェクトはどこか普通とずれている。だけれど皆が皆どこか心をくすぐるものを持っているから、夢中になって観てしまう。

田口も、メッキーも、枕石も、オルゴールも、そしてラストシーンのアレも。自分の貧困なボキャブラリーや言い回しでは伝えられないけれど、全部美しい。そんなイメージが頭の中をぐーるぐる。

新宿梁山泊と唐十郎

いつも理解しよう理解しようと思っているが、新宿梁山泊のエネルギーは頭を簡単に通り抜けていく。次々に飛び出すパワーあふれる役者たちに思考が持っていかれる。出てくるオブジェクト一つ一つがなぜかとても気になる。そして迎えるラストシーン。規律なんてクソ食らえのなんでもあり。でも話はきっとどこかでつながっている。

前もって「はちゃめちゃでパワフル」と聞いていた。その噂に違わぬ作品だった。これまで新宿梁山泊の演劇を、そして唐十郎作品を一度も観劇したことはないけれど、次があれば是非観てみたい。次はどんなルール違反を教えてくれるのかが楽しみだ。

最後に

何がなんだか分からない、でもそれでいい。

目の前の狭いステージを自由自在に動き回る役者を、「ファラダ」を、追いかけているうちにいつのまにかカオスな世界観とこんばんはしている。幕が開けてテントの外側が見えると自分が下北沢にいたことをやっと思い出す。

下北沢の隅にポツッと咲いたテントに身を委ねて、あっという間の2時間半を過ごすのも悪くないな。そう思えためちゃくちゃなそして心地良い演劇だった。興味ある方はまだやっているので下のリンクからぜひ。


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