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映画「海猿」の工藤さんを考える会

いいものは、何回見ても、いいですよね…。

見たこと、ありますか?「海猿」。
なんかね、ヒットして、何作も映画が出ましたね。

ドラマもありましたね。
あの作品で、潜水士になりたい人が
すごく一時期増えたんだってね。

(のだめの時も、そんなことがありましたね。
音楽を習う人が増えたニュースを見たなあ。
人の人生をもしかしちゃったら変えてるかもしれない
エンタメって、すごいね)

映画では、序盤に上官に
どうして潜水士になりたいのか?って聞かれるんです。

みなさんそれぞれ、
「海で遭難した人を助けたいから」
とか、
「人命救助のエキスパートだから」
「人命救助です」
って言っていくんですけど、

上官に
「きれいごとを言うなアアア‘!!!!!!」
って一喝されてオラオラ詰め寄られて
「本当の理由を言えエエエ!!!」ってオラオラされて
もうみんなアカンってなってしまって

「…女性にもてるからです…」
「手当がつくからです…」
ってちょう素直に言っていくんです。
(でもそれだって本心なんだから全然いいよね)

でもね。
工藤さんは、違ってね。
最初に聞かれた時も
「人命救助です!」
って答えて、
オラオラされた時も
え…うーん…って、考えたけど
「…人命救助です」
って答えたんですよね…。

すごない…?

本編見ていくとわかるんですけど、
本当に目的が「人命救助」なんですよね…。

工藤さん…。

でね。
そこまでは全く素晴らしいじゃないですか。
主人公・仙崎さんのバディ(2人1組で、基本組んで
お仕事するみたいです)なんです。

そこまではいいんだ。
素晴らしいんだ。

だけど…。
だけど、って言っていいのかわかんないけど。

工藤さん、訓練にあんまり、ついていけて、ない…。
仙崎さんはできる方なだけに、力の差がすごいある…。

それでね、工藤さんは頑張ってはいるんだけど、
頑張っているのはわかるんだけど、訓練でビリになっちゃったりして
仙崎さん一緒に腕立てやらされたり掃除やらされたり
してしまうんです…。(バディで、連帯責任なんだ…)

仙崎さん、複雑ですよねこれは…。
自分は全然できちゃうのにバディの相手が
めっちゃ…足引っ張ってるやん(工藤さんが頑張っているのも
わかるけど…)ってさ…。

工藤さんは力量が足りていない感じなんだけど、
人を助けたいって気持ちは人一倍で、
その理由も見ていくと判明して、
みんなで応援すっか!ってなって、
こっちもこれは見てて熱い展開だなーとはなったし

工藤さん頑張れー!って思ったし
仙崎さんとおなじく
「できるできる!」って応援したし
ぎりぎりながら試験もパスして
良かったねー!ってなるんですけど

全然よくなかったんですよね…。
工藤さん、休日におぼれている人を助けに行って、
死んでしまったんですよね…。

おぼれている人も、助けることができなくて、
自分も救助の前に泳いでいたので
疲れもあったし、悪条件が重なってしまったのもあるだろうけど。


なんかさ、
工藤さんは潜水士になりたくて努力して
頑張って、ぎりぎり訓練をクリアしてきてさ、
「人を助けたい」
っていう気持ちですっごい、頑張ったのだとは、思うけど…。
ほんと、頑張ったのは、素晴らしいと思うけど…。

工藤さんを、合格させるべきでは、なかったのかもしれないなあって、
思ったんですよね…。

夢とか、なりたいものとか、
頑張ったらなれるものもあるけど、
ぎりぎりでクリアって事は、他の
潜水士よりも、危険な目にあう可能性は高くなるわけで

バディっていう、相手がいる関係だと
なおさら危ないでしょう…。相手も危ないでしょ…。
へたしたら、相手巻き込んで死、とかあるでしょうよ…。
連帯責任が生じそうな場所で力量の足りてない人がいるのは
正直怖いでしょう…。


こういった、潜水士とか、他は何だろう
命をあつかう仕事とか、
「なりたい」っていう気持ちは大きくても、
気持ちはすごい汲むんだけど、わかるんだけど、

ダイレクトに命をあつかう仕事じゃなくて
違う方向のお仕事とかだったら、もっと工藤さんの運命だって
違ったはずなんですよね、きっと。

でも、工藤さんは
潜水士一択だったのかなー。

うーん…でもぎりぎり、ってことは
どっちにしろ危険な目に合う可能性が高い潜水士に
なってしまうわけで
それってバディにも悪影響なわけで
でもなー
本人がどうしても、っていうのなら…って
進ませてしまったら死んでしまったわけで…。

気持ちは、汲むけど…。
工藤さん…。
あー、でも長く生きるのが正解、ってわけでもないしなあ人生…。
ああいう訓練とかって、たくさん練習したら
しただけ、確実にうまくなるってものでもなさそうだし。
経験値には、なるだろうけど…。

ぎりぎりで、なれてしまうものは
やっていくのもつらいだろうし
本人の希望も、わかるけど

でも工藤さんの力は、
潜水士ができるかどうかの
境界線位だったのかなとも思うと、
明らかにできていなければそもそも試験にも受からないだろうけど
その、どうなのかなー…?くらいの位置だったのかなあとも思うし
そのあたりの匙加減って、すごく難しいのだろうなあとも
思いました…。

多分、全然向いてないわけでも、なかったって事ですよね…。

なりたい気持ちは、そこにいる人の気持ちも動かしてしまうもんね。
よし、頑張れよ。とも、思ってしまうよなあ。
悲しい結果に、なってしまったけど。

工藤さんは、潜水士になれて、よかったのかなあ。
もう、そう思うしか、ないけど。

ぐるぐる考えてしまいました。


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