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イタリアンお風呂
前世はイタリア人だったのでは、と思う。お風呂が楽しくて幸せで、何時間でも入っていたい。古代ローマで有名なカラカラ帝の大浴場は、今から1800年も前にできたという。ヒトに脈々と受け継がれる、お湯に浸る喜び。
といっても、ウチは賃貸の狭小風呂で、窓もない。浴室用スピーカーであいみょんを聴きながら、入浴剤の香りを堪能するくらい。外反母趾がこれ以上悪くならないように、お湯の中でストレッチなどしてみる。たくましい太ももは、白くてキレイな絹肌(当社比)。顔の皮膚と張り替えられたら良いのにね。
壁のすぐ向こうには、大家さんの家がある。70代後半くらいの、元気な女性だ。雪の季節には、隅々まで几帳面に除雪する。夜お風呂に入っていたら、隣から氷をがりがりと削る音が聞こえてきたりする。仕事中の人に、草津の湯の香りなんか振りまいて、ちょっと失礼。
古代ローマでは、食べながら、吐きながら、入浴したと聞く。それが富の象徴だったらしい。日本のお風呂は歴史が浅いけど、ことが済んだらさっさと帰るか、せいぜい将棋を打っていくか、程度だったようだ。吐きながらのお風呂はしんどそうだから、前世は普通に日本人ということにしておこう。