四季折々の俳句 19
「 駆け抜けよ 」
月へとぶからすが一羽ハロウィン
湯あがりの下駄をからころ十三夜
早足であゆむ人びと冬近し
鼻歌は恋のうたなる小春かな
子どもらの口からも湯気おでん鍋
雑踏にゐてひとりなるマスクかな
駆け抜けよいま歓声のラグビー場
恋ごころ言葉にならず白き息
ホットレモンひと口飲んで放心す
☆
おむすびはしあはせの味文化の日
幸せが湯気たててをりちやんこ鍋
わがこころ広がつてゐる枯野かな
真青なるマフラー巻いてより孤独
呼ぶ声のひとへとどかぬ冬田かな
一日の旅の終はりにししやも焼く
ひろびろと炬燵をつかふ孤独かな
風邪ひいてひとり寝床に沈みけり
腹の底あたたまりけり牡蠣雑炊
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