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四季折々の俳句 12
「 跳ねあがる 」
噴水といふよろこびの揚がりけり
そら豆のいつはりのなき青さかな
手にとりてちからわきけり夏野菜
につぽんにどつしりと夏座りけり
うるさくて平和なりけり蝉しぐれ
八月六日あめと日記にしるしけり
ひぐらしのすみわたるこゑ大宇宙
たまねぎをこがねでとぢて玉子丼
手花火のながなが咲いて哀れなり
目つむりておのれ見つめる夜の秋
☆
けさからは秋ふうりんの響きかな
野をはしる風見てゐたり秋立つ日
ひぐらしの鳴きだしてより光の木
さびしさを丸かじりする林檎かな
ひだり手に持ちかへてより秋団扇
につぽんの空いろどれる花火かな
朝顔のこころが咲いてゐたりけり
揚がるたび秋高くなるとんびかな
吠えながらゆく化けものは大台風
赤とんぼ追ひかけてゐる平和かな
☆
跳ねあがるよさこい踊り手に鳴子
ばあさまがもつともわらふ盆の家
ぶつだんのまへでは子ども終戦日
えいえんの終戦の日とすればよし
ながながと手をあはせるや墓参り
ひぐらしのこゑより遠き昭和かな
さいげつがながれてゆけり秋の雲
秋の夜のこころを映すかがみかな
につぽんを出ていつたひと天の川
えいえんに似たる一人の夜長かな