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四季折々の俳句 25
「 コート 」
につぽんが華やいでをり正月富士
かへりみる成人の日ははるかなり
かんぱいのあと好き好きに新年会
あかん坊が手足ちぢめて寒波来る
町中のポスト真つ赤に凍ててあり
わらふ顔ばかりのかがみ開きかな
魂が飛び出しさうなくしやみかな
おほぞらへのぼつて行かん冬の坂
うたた寝て試験のあとの炬燵かな
絵ぶすまのなかにも一人旅のひと
寒星やいつでもいつまでもひとり
落ち葉掃く音にはじまる一日かな
☆
あさぞらに太陽さがすさむさかな
水仙やあるともしれぬかぜのいろ
ゆめの世や揺れてまばゆき水仙花
せんせいとふたりの茶室すきま風
年ねんに重くなりゆくコートかな
着ぶくれてわがみちをゆく女かな
寒紅をさしてしあはせ待つひとよ
灯のひかりとぢこめて露凍りけり
寒星やひとりぐらしの灯がひとつ
大寒の戸をばりばりとあけにけり
いつもより嶺々とほくある大寒よ
人の世へうなづきやまず日向ぼこ