【2/23援農日記】ブロ雅農園さん
今回は、私が所属している一次産業みらいラボというコミュニティのメンバーと一緒に神奈川県横須賀市のブロ雅農園さんへ行きました。
一次産業みらいラボは、食や農業に興味のある食べ手や農家さんが参加しているコミュニティです。オンラインで商品の名前や売り方を考えたり、農家さんの生産物をマルシェに出店したり、援農に行ったり… みんなの食や農に関するやりたいことをみんなで楽しくやろう〜という感じのコミュニティです。(今年は楽しいイベントをたくさんする予定ですので、気になる方は連絡ください!)
今回の援農は、このコミュニティで私が企画させてもらい、予定の合う方と一緒にコミュニティメンバーであるブロ雅さんの畑に行かせていただきました。
電車とバスを乗り継ぎ、三浦半島へ。
「三浦半島は冬で食う」という言葉があるらしく、冬の畑にも関わらず、作物がたくさん埋まっていました。
農園に着くと、まず初めにブロ雅さんから農園の説明を聞かせていただきました。とっても丁寧な説明をしていただき、学ぶことが多かったので、説明で伺った内容から作業した内容までを今回は書きたいと思います。
ブロ雅農園さんの特徴
①年間100種類以上の野菜を育てる少量多品目農家さん
ブロ雅農園さんは、ブロッコリーをメインとしていますが、その他にもたくさんの野菜を育てています。多品目育てるということはそれだけ多くの栽培方法を学ばないといけないということ。一列一列違う作物が埋まっていることは本当にすごいことなのです。
今回栽培されていた、少し珍しい野菜ちゃん達↓
②立地と経験を生かした農業体験
ブロ雅農園さんはソレイユの丘という大きな公園や大型バスの停車できる駐車場の近くにあります。このような立地から学校の授業や休日に農業体験をしたいという子供達が多く訪れるそうです。
ブロ雅さんは、農家になる前に農業学校の教員をやっていたことから、教えることが上手です。
農作業をミッションと捉えて、ミッションにクリアするとオリジナルのシールやカードを貰えるという仕組みや、わざといろんな色のにんじんの種を同じ場所に植えることで「にんじんガチャ」というコンテンツを作り、「農業はおもしろい」を伝えています。
小学校の農業体験は学校行事のスケジュール的に春と秋に多いのですが、その時期は農業は閑散期になることが多く、1年中農業体験ができるように作物を植えることは至難の業だそうです。
また、農業体験に使う野菜は収穫時にハサミや道具などを使わずに収穫できるものにするなど、工夫しているそうです。
③土づくり
三浦半島の土は、黒ボク土と呼ばれる真っ黒でフワフワな土で、野菜栽培にとっても適しているそうです。
地域によって、土が違うことは知らなかったので、新しい知見になりました。(言われてみれば当たり前なのかもしれませんが…)
祖父の代から、「農業は土づくりがすべて」と教わってきたブロ雅さんは土作りにもこだわっています。
都市農業ということを生かし、お茶やコーヒーの粕を堆肥化して畑に投入しています。一般的な農家さんは牛糞を堆肥にすることが多いのですが、三浦半島は近くに牛屋さんがいないため、お茶やコーヒーの粕を利用しているそうです。
④農薬に頼らない
ブロ雅農園さんでは農薬の使用を極力控えています。
また冬野菜に必須な土壌消毒は太陽熱を利用した土壌消毒を行なっているそうです。
太陽熱消毒は、1ヶ月ほどかかる、天候に左右される、0にまで消毒することが出来ない、などデメリットが多くあるそうです。0にまで消毒ができないので、にんじんや大根などの根菜類が歪な形になってしまうそうです。
しかし、ブロ雅さんは、このような歪な形の野菜も「農業体験では逆に盛り上がっていいんだよね」とおしゃっていました。また、農薬を使わないことに理解してくれるお客さんへの販売をすることで、ブロ雅農園さんは農薬を極力使わない農業を実現できているそうです。
収穫作業
説明の後は、次の日に必要なB品の野菜セットに必要な野菜の収穫を行いました。「B品がいいといってくださるお客さんだから、少し形が悪いものも入れていいよ〜」ということでしたが、どこまで収穫していいものだろうか… 少し迷いながら作業を行いました。
「B品をちょうだいって言われても難しいでしょ?」
その通りでした。農家さんのB品や規格外野菜の問題は奥深いものだなと実感時ました。
またブロ雅さんの畑は今回私たちが作業をした畑以外に、小さな畑が20箇所ほどあるそうです。(三浦半島の特徴で1区画が小さく、みなさんバラバラに畑を持っているそう。)
そのため、1日に野菜セット1つ分の注文でもいろんな畑を回らないといけないため、少量の注文でも1時間ほどかかってしまうこともあるそうです。コロナ禍でレストランさんの注文が減ってしまった時、このようなことが多く、困ったそうです。
農家さんの課題は一件一件、様々な課題があって、解決方法が一様には上手くいかないことも多くあるんだろうなとお話を聞いて感じました。
お土産
今回はお土産に、アレッタ、スティックセニョール、ブロッコリー、三浦大根、ケールをいただきました。(好きなもの取って帰っていいよという天使のようなお言葉に甘えました。ありがとうございますm(._.)m)
アレッタ、スティックセニョール、ブロッコリーの親戚トリオを湯がいていただきました。アレッタは初めて食べましたが、この3種の中では1番甘みがあり、とても美味しかったです。
アレッタはブロッコリー×ケール
スティックセニョールはブロッコリーの茎
ブロッコリーはブロッコリーの蕾
キャベツの突然変異から生まれたのがブロッコリー
こんな感じの雑学も学びました。確かに、畑の姿はなんとなく似ています。
農業はおもしろい!
先週ハマったケールちゃんもまたお会いすることができて、あの幸せを再び味わうことができました。今回はケールチップスだけではなく、炒め物にも使ってみました。もう大好物です。
最後に
今回は、援農を受け入れてくださりありがとうございました。農園の説明もとっても詳しくしてくださり、私たちの方が受け取るものが多かったのではないかと思うほどの贅沢な時間でした。
途中、いつも雑談しているんだよ〜と教えてくださったクラブハウスには、顔馴染みのメンバーが揃っていて、みらいラボという場でみなさんと繋がれたことが本当に良かったと思いました。
とっても素敵な生産者マップをいただいたので、みなさんの元にもこのマップ片手に訪問させてもらいます!!
また、ブロ雅さんの農業のことだけではなく、三浦半島の農業や魅力もたくさん教えていただき、三浦半島が大好きになりました。今回教えていただいた、魅力は以下のおまけに書いておこうと思いますので、良かったらご覧ください。
おまけ
①三浦半島の風
三浦半島は常に風が強いそうです。この日も風が強いと感じたのですが、これは普通だったそうです。
そのため風対策は万全に行う必要があるそうです。台風が来た時には大変なことになるそう。
しかしこの風にもいいところがあります。この風は海のミネラル分を運んできてくれます。ミネラル分の豊富な風に晒された、野菜は葉が厚く、甘みの強い野菜になるそうです!
②三浦半島の土地利用
上記にも書いたように、三浦半島では小さな区画を多く持っている農家さんが多いです。小さな土地で、少しでも多くの収量を確保するために、通路にも苗を植えるそうです。
以下の写真がその特徴を表している畑だそうで、メインのキャベツの列とずらして通路となる部分にキャベツの苗を植えることをするそうです。
地域の特徴的な栽培方法は初めて見ましたが、このようなことも各農家さんで聞いてみるのも面白そうだなと感じました。
③三浦半島の海
援農後に荒崎公園という海を見ることにできる公園に連れて行ってくださりました。冬ということもあり、なんか海は久しぶりに見ました。やっぱり海は癒されます。
そしてなんかこの地層が丸出しな感じもとても自然を感じます。
海沿いはたくさん船が泊まっていました。三浦半島には半農半漁をする方もいらっしゃるそうです。野菜も魚も美味しい。なんて素敵なことなんでしょう。
いつかゆっくり観光しにきます。
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