8月4日(金) 株式会社 Asian Bridge 小西 広恭代表取締役に講演を頂きました
8月4日(金)16時20分から久留米工業高等専門学校にて,材料システム工学科1年生,3年生を対象に株式会社 Asian Bridge 小西 広恭代表取締役に講演を頂きました.
内容は,小西社長のご紹介と事業の紹介,失敗談や経営危機の話,起業の経緯,学生からの質疑応答を行いました.
1部 かっこいい高専の卒業生を知ろう
「ここでいうかっこいいは人々が憧れるが難しいことに取り組む状態を指します.」という言葉から始めました.
はじめに材料システム工学科の佐々木から,今回の講演会の意図を説明しました.
2022年のKOSEN EXPOファンミーティングで小西社長とお会いしたことをきっかけとしています.その後,株式会社 Asian BridgeのHPを拝見したり,オンラインでお話させていただいて,こんなにピュアな思いで社会貢献を成そうとされている社長の姿を学生にみせたいと考えて,講演をお願いしました(実際はほぼ直感で初対面のときに講演会のお声がけをしました).
働く多く人に共感をしていただけると思うのですが,本当にピュアな思いで働いてかつ成果を出し続けるということは,大変難しいことだと考えています.
そんな中で,小西社長は高専の卒業生として,すこしずつ経営者としての姿勢もご自身で見つめながら,さまざまな困難を乗り越え,今年で17年,会社を続けておられます.
その中で,例えば佐々木にとってはニュースの中だけの話に思えるリーマンショックの中での経営のお話は,小西社長だからこそお話できる経営者として大変だったお話をしていただきました.
「みんなが1月で300万円稼ぐって大変と思うかもしれないけど,全く同じように僕にとっても大変なんだよ」というお話は,多くの高専生にとって小西社長が学生の延長線上にいると感じもらえたと思います.(お話聴きながらアルバイトかけもちして,月300万円,100万円稼げるか?って考えましたが,無理でした.)
2部 私たちは社会をよくすることはできますか?
2部は,学生との進路相談で,よくでてくる「社会でやっていけるかどうかそもそも不安なんですけど,,,」という質問に関して,ひとつ解決策足りうるであろうキャリターンという小西社長のサービスを,佐々木から小西社長に依頼して,ご紹介いただきました.
工学を通して企業と高専生の接点ができるサービス
さらに,もっと能動的に私たちは社会をより良くできるんでしょうか?という問いに答えてもらうべく,「なぜ地方へでて,課題解決をしようとしたのか,プロダクトをつくり,人をつなごうとしたのか」お話をいただきました.
小西社長からは日本の人口減少という絶対命題,そして日本国内の地方と都市それぞれの特徴をもとに,今後の日本の工業についてお話いただきました.
(文字にするとすごく堅苦しいですが,実際はすごく平易な言葉と具体的なお話をいただきました.)
さらに,起業するまでに,してから一番苦労したことをお話いただきました.佐々木から実際に起業する際の手続きの情報共有も合わせて行いました.
小西社長が起業に至った経緯の話(ご自身の意志というよりも,周りの方とのご縁で始まったお話や起業する前のお話,起業という選択肢をとられた時の気持ちのお話)は多くの学生にも共感する内容でした.
小西社長の「起業することは無理に勧めない」という言葉は,今回の趣旨の一つでもある佐々木から小西社長に講演を依頼する際に伝えた「たった1人に響けばいいです」「小西社長が感じていることを素直に伝えてほしいです」にまさに合致しているお言葉でした.
その言葉があっても,ずっと興味深く聞いてくれる学生が多くいたことを教員としてはありがたく,大変うれしく思います.
上記の言葉は,資料からの一部抜粋ですが,小西社長の技術があれば,1人で暮らして一生を終えることもできたようです.ですがその時,社長となることを選んだ経緯と,さらにいまあらゆることに感謝するようになったお話は,学生ももちろんですが,佐々木も聞けてよかった言葉でした.
工学は近年パソコンでのアプリケーション開発,AIサービス,HP作成など,一見するとパソコンと自分の手があれば,一人でも社会的な営みができるようです(小西社長は一人でも可能だったと思います).
ですが,そういう環境や能力ですら,いざ可能になってみると誰かと働いてみたいという思いが自分の中にでてきたというお話は大変興味深かったです.
今あるものやサービスは誰かがいるから享受できるもの.
言葉にすると当たり前なんですが,白いバスタオルはその繊維を作る人がいて,その繊維をつかってタオルにする人がいて,繊維を発明した人がいて,タオルへ加工する機械をつくる人がいる.そういう人々の脈々と続いてきた社会的営みが今の生活へつながる.自然と感謝が芽生える.
まさに工学を学ぶ学生にはいつか感じてほしい言葉でした.
3部 小西社長に聞いてみる
3部は質疑応答ということで,事前にあつめた質問とオンサイトの学生からの質問に小西社長から答えてもらいました.
その中で,「社長になってみたい」という学生からいくつか質問がありました.小西社長からは「まず,こういう場で社長になりたいっていえる勇気がすばらしいと思います」とコメントされた上で学生の質問に丁寧にお答えいただきました.
恥ずかしい話,この学生が社長になりたいと考えていることを佐々木は知りませんでした.この質疑応答の時間で,学生の新しい一面の発見があって,その学生の背中を後押しする小西社長の言葉と姿勢をみて,この会を本当に開催してよかったと思いました.
Sports Bankの紹介
CMみたいになるんですが,小西社長の外国での経験で生じた「誰もがもっと環境や条件に縛られず,チャレンジ活躍できる社会を作りたい」そういう思いのもと作られたサービスです.
自分の素朴な思いから,社会を本当に変えることのできるプロダクトを作ることができるって,小西社長のかっこよさであり,工学のかっこよさ(可能性)だと思いました.
高専生が希望や夢を感じて,まずはいま輝いてくれたら,と思います.
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