観た映画 月曜日のユカ
1964年 日活映画 終戦から19年経た横浜で描かれた作品だが、
調べてるみると新幹線開業、東京オリンピックにワクワクとした日本が背景にある。戦争を忘れかけたかのような世相の中で、残り傷を見たような映画だった。
ユカを演ずる加賀まりこは、1943年〈昭和18年〉12月11日生れでちょうど21歳ぐらい、直接的な戦争体験を記憶していなくても、このユカの背景や心情は十二分に理解できたのではないかと思う。
物語は天真爛漫そうなユカを中心に軽快に進む、しかし時より映るユカの眼の奥には、世相とは全く反対のこころの深淵を、戦争の傷を見せられるようだ。
自分らしく幸せになろうとしつつも物語は進む。
最後は衝撃的だったが、歩くユカの後ろ姿を見つめると、幸せになってほしいと願わざる得なかった。
ちなみに、物語の中で出てくる赤灯台はこのことかと。
130年以上も横浜港を見つめ続けた灯台、関東大震災、戦争を乗越え、今も整備されて現役で活躍中。赤いのは少女の靴だけでなかったようだ。
ユカの純真な気持ちも照らしていたのだろう。