私がプロの小説家になるまでの経緯と気付き④

私がまったくの素人から小説家デビューに至るまでの経緯を紹介していこうと思います。また、デビューに至る経緯で得た気づきを共有することで、目標に向かって頑張っている方への手助けになればと思いこうして書き始めてみました。
 ぜひ最後まで読んでいただき、目標達成する一助にしていただければと思います。

◆感情のすり合わせは、本当に難しい。自分の愛し方=相手の愛し方、じゃない◆
 

 いつものように妻と喧嘩をした際、妻からこんなことを言われた。

「家事なんてやらなくていいよ。私は、そんなことしてほしいなんていってない。ただ、向き合って話す時間を作りたかっただけなんだ」

 どこか疲れた様子でうなだれる妻。
 その瞳には生気はなくぼんやりと自分を見つめていた。

 対する私は、その言葉に衝撃を受けていた。
 なぜなら、ずっと私は家事をやることが妻の助けになると信じて頑張ってきたからだ。
 
 私は自分のやりたいことをしたかった。ましてや、小説を出すとなるとお金が発生することで、編集者にも迷惑がかかる。手抜きはしたくなかった。
 だからこそ、その時間を確保するために家事をやって妻の負担を増やせば許されると思っていたのだ。
 まるで免罪符のように、ひたすらに寝かしつけとやれる家事をやっていた。

 だが、どうだろう。
 妻はそんなこと必要ないという。
 そして、家事を放っておいていいから自分と向き合ってほしいと。
 私は、その言葉を聞いた瞬間に涙が溢れだした。

 私は、自分のやりたいこともやりたかったが、よい夫、よい父でありたかった。
 当然、生活を保証できる給料を稼ぐために仕事は続けていたし、家事も手伝い、育児もできるかぎり参加していた。
 だから、よい夫であると思っていたのだ。しかし、妻は全くそう思っていなかった。
 自分に関心を持たないダメな夫だったのだ。私は。

「でも! いつも家事がつらいって言ってるじゃん! 寝かしつけだって――」
「ただ聞いてほしかっただけだよ。愚痴をさ。それだけだったんだ」

 私は勝手に背負い込んでいた。
 自分のやるべきことだと、それが正しいのだと思い込んで妻のためにならないことをやり、自分のキャパシティーを圧迫させ、最終的には精神的にかなり追い詰められていた。

 常に家事や育児の効率ばかりを考えいかに時間が生み出せるかで、思考はフル回転だった。
 自転車に乗る時間も半ば無理やり作り、小説に至ってはパソコンも前に立ってもろくに筆がのらない。
 かといって、書かないのも落ち着かず睡眠時間を削って書いていた。
 それこそ、キッチンの高いテーブルの上にパソコンを起き、立ちながら、そして眠気でガクガク膝崩れしながら小説を書いていたのだ。

 そうやってすべてにおいて完璧を求めていた自分だが、妻の言葉を聞いてそれらがすべて崩れ去った。
 今までの自分は、なんて無駄なことをやっていたのだろうと悔しく、また自分の行動が妻を苦しめていたことに憤りを覚えた。
 どうしてもっと早く聞かなかったのだろう。
 今の自分の行動が最善だと思い込んでいたのだろう。
 後悔ばかりが先に立ち、うまく言葉にならなかった。

 ただでさえ背の低い妻がソファの上で丸まっている。
 とても小さく見えた。
 それこそ、寒さに震える子供のようだった。

 私は、泣きながら妻を抱きしめる。すると妻も無言で涙を流していた。
 
「ご……ごめん、ごっ、ごめんなさっ……い」
「もう……無理しなくていいよ? そっちのほうがつらいから」

 妻の涙が肩に染みていった。
 その冷たさが、妻の苦しみを嫌というほど物語っていた。

 私は、その時ようやく捨てることができたのだ。

 よい夫としてこうあるべきという像を。
 いい父としてこうあるべきという像を。


*気づき*
 

 書いてみると恥ずかしいものですね。
 ですが、この時のことを妻に聞くと、妻も死ぬほどしんどかったそうです。

 妻は精神的な不調を抱えていたため、とにかくだれかの支えが欲しかった。しかし、私は、その支えになろうとさえしていなかったんです。

 それではうまくすべてがうまくいかない。
 
 最近流行りのやりたいことで生きていく、という言葉。
 これって結構むずかしいなぁ、と思います。

 今回の私は、やりたいことに突っ走ってこうなってしまったわけですが、それって結局誰のためにもなっていなかったんです。

 妻のしてほしいことは、話す時間をとってほしかった。けれど、私は勝手な思い込みで家事や育児に奔走しそれを奪っていたわけです。
 これでは妻は幸せになりません。

 私も、いろいろとやるべき、と思っていた節がありました。
 そうすることで、時間的にもかなりタイトな生活になり睡眠もとれず常に眠い状況でした。さらには、かってに色々背負い込み、キャパシティーをオーバーし離婚という二文字を考えるに至りました。
 妻も、同じようなことを言っています。

 この時の私は、かってな思い込みに縛られて私も妻も苦しめていたわけです。

 「やりたいことで生きていく。そしてお互いに潰される」

 こんな不幸せな結末に至る寸前まで行きました。
 本当に後悔してもしきれません。

 私は、この日から妻がしてほしいことをしっかり聞くようにしました。
 そして、自分の時間もとれるように妻と話し合いながら調整していくようになります。

 そうして少しずつ私の状況は好転していくことになるのですが、やはり自分勝手はいけませんね。
 ましてや私は家庭を持つ身。
 ちゃんと意見をすり合わせることが必要でした。
 それに気付いたのは、本当に大きいことだったと思います。

 意見のすり合わせって本当に難しくて。
 というのも、例えば愛情表現にも人それぞれ形があるんですよ。ですが、それを共有しないことによってでる弊害が本当に大きい。

 例えば、あるカップルがいるとします。
 彼女は、電話をして、一緒に時間をすごすことが愛情表現だと思っています。しかし、彼は仕事や趣味が忙しいと言って一緒にいてはくれません。
 あてつけのようにプレゼントを贈ってくれたりしますが、彼女は彼が自分を愛してくれていないと思い、別れを決断します。
 さて。
 本当に彼は彼女を愛していなかったんでしょうか?
 実は、彼は誰かと一緒にいることが愛情表現につながると思っていなかったのではないですか?
 もしかしたら、彼はお金がとても大事だと思っている人で、それを使ってプレゼントを買うことが、彼の一番の愛情表現だったのかもしれません。
 このカップル。
 どちらがわるかったでしょうか?

 私は、どちらも悪いと思います。

 それは、互いの価値観や感情のすり合わせをさぼっていたからです。
 彼女は伝えればよかった。
「私は一緒にいてくれると愛情を感じるの。だから、プレゼントじゃなくて一緒にいてくれていれば幸せだよ」
「俺は、お金は人生において重要だと思っている。このプレゼントは俺の愛情の証だよ」
 こうやって自分の価値観を共有し合い、お互いが求める愛情をどうやって受け取れるか話し合う。
 
 勝手に、〇〇をしてくれないから、自分のことを愛していないとおもうのは筋違いというものです。
 これはきっと、どのようなことにも言えますよね。

 やりたいことをやるのはいい。けれど、自分勝手じゃいけない。相手が何を求めているか、ちゃんと知ろうと努力したほうが幸せだ、ということを私は強く学びました。


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 看護師、小説家、カウンセラー、コーチ。
 
 看護学生時代から心に興味を持ち、看護師を続ける傍ら精神看護、認知行動療法、カウンセリングを学んでいく。
 1200人の精神疾患患者からの学び、セルフカウンセリング、コーチング理論を用いて、人間関係、仕事、そしてプロの小説家という夢をかなえていく。

 自分を心の見方を変えるスキルを様々な人に発信しようと考え、「3ステップで目標達成 自分で変われる力が身につくコーチ」として活動を始める。

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 高校受験の失敗を皮切りに、自信が持てず孤独で、自分の人生を他人のせいにし、仮面を貼り付けることだけはうまく、こうして人を欺きながら生きていくのかと、将来に希望を持てず生きていました。
 ですが、看護学校で出会った友人は、そんな私の過去さえも受け入れてくれたんです。
 それから、私は人を傷つけるばかりではなく、自分が与えられる存在になりたいと思うようになりました。
 そこから、私の心への興味が芽吹いたのだと思います。

 求めるばかりの私は、恋愛においても同様で相手を傷つけてばかりでした。仕事でも、認めてほしいが先に立ち、空回りする日々でした。何事にも飽きっぽい性格で、浅く広くを体現したような生き方に、心底嫌気が刺していたんです。

 そんな中、私は、精神看護、認知行動療法、カウンセリングやコーチング理論を学び、1200人以上の精神疾患を持つ患者さんに様々なことを学び、どんどんと自分を変えていくことができるようになっていきました。
 その変化は、私にストレスの少ない世界と、明るさと、希望をもたらしてくれました。

 その全ては、自分の変化から生まれました。
 私は、自分の体験と今まで学んだ理論、そして精神疾患を持つ患者さんから学んだすべてを言語化し、人がどのように変わっていけるのか、それを知ることができました。

 最初は、自分が幸せであればそれでいいと思っていたのですが、癌であった母が教えてくれたことで、また私の考えが変わったのです。
 母は愛情豊かな人でした。
 そして、私はその愛情の深さに、母の死をもって気づくことができたんです。
 
 私は、今までたくさんの愛情を受けて育ってきた。
 そして、多くの人の愛情で今の自分があるということも知ることができました。
 今の私は、どうすれば人が変わっていけるか、目標達成できるかもわかっています。

 ですから、私は、すこしでも幸せになる人が増えたらいい、自分を変えたいという人の手助けをして、おなじように幸せな人生を歩んでいってほしい。
 今度は私の番だと思っています。
 私が関わる人に幸せになってもらいたいのです。
 
 そう思って私は、「3ステップで目標達成 自分で変われる力が身につくコーチング」をお伝えしたいと思っています。
  
 すこしでも皆さんが変化し、良い方向に変われるように、ぜひお手伝いをさせていただければと思います。
 よろしくお願いします。

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