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心を落ち着かせるには、まず体から

高齢者福祉のある勉強会で思いもかけない質問が出ました。
「足を着けると飲み込みが良くなるのは、なぜですか?」

聞くと、椅子や車椅子などで足がフラブラしている人が、足を台にのせると飲み込みが良くなる時がある。ということでした。

足がぶらぶらした状態で座っている人がいる!?

私はその状態にある利用者さんがいることに驚きましたが、勉強会に参加しているメンバーさんの中では当たり前のように受け止められていたようです。


足底部が床や車椅子のフットサポートにしっかり安定して着地していることは、とても重要です。

足がぶらぶらしていると、膝下の重みが腿にかかります。膝裏は柔らかく動脈やリンパが通っていますから、重さで圧迫されてむくみや痺れの原因となります。

少し体をずらした時に、足が着地していませんから転落しやすい状態にあります。それは、私たちがバーカウンターなどの座面の高い椅子の上で座り直しをしようとするときに、不安定だったり落ちそうになるのと同じです。バーカウンターの椅子には、それでも足を乗せるバーがついているはずです。私たちはそこに足をかけて、体のバランスを保っています。

足がぶらぶらしているとは、足を乗せるバーもない状態と同じです。そのような状態で、落ち着けるでしょうか?

体と心は繋がっています。体が落ち着かない状態だと心も落ち着かなくなります。心の安定、安心は体の安定、安心が必須となるからです。

ですから、もし落ち着きのない、あるいはイライラしている利用者さんがいたら、まずは体を見てください。苦痛がないか。安定しているか。


前にもご紹介したかもしれませんが、以前、私が担当した方でも苦痛をなくすことで性格がガラリと変わった方がいました。

その方は背中の床ずれに苦しんでいて1秒でも早く車椅子から逃れたかったのです。ですから、いつもイライラしていました。

しかし、車椅子をシーティングした結果、1週間後には背中の床ずれはほぼ治り、にこにこしながらお話ができる状態になっていました。1ヶ月後には、お尻の床ずれも完治して、ずっと通っていたデイサービスの職員さんたちも驚くくらい明るく朗らかで社交的な人になっていました。

特に体に合わない車椅子を使っている方は、私が担当した方のように床ずれの痛みやズリ落ちそうな不安など、口にしないまでも表情が硬っていたり体に緊張が入っていたりします。

顔の表情、体の緊張、姿勢の不安定さ、傷と痛み。便秘や不眠。心の健康は、これらが解消されてから訪れます。

どうぞ、利用者さんの言動や心の状態を見る時には、必ず体の状態を見てください。


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