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ソニーホンダの第一作目「アフィーラ」のデザイン感想
銀座ソニービルが「ソニーパーク」として生まれ変わり、その屋上に先日ラスベガスで開催されたCESショーで発表された量産型「アフィーラ」が展示されているということで、早速見に行ってきました。
「ソニー」と「ホンダ」。25年ほど前、私がデザイン系の大学に通っていた頃、この2社は憧れの存在でした。
当時、パナソニックやトヨタとは一線を画す尖った商品やデザインを数多く生み出し、私的には日本で数少ない「デザインやアイデアで戦える企業」として認識していました。
現代は昔ほど尖っていないという印象ですが、それでもそんな2社がコラボレーションして生み出すクルマなので、大いに期待しています。
アフィーラのデザイン印象
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ホイールベースの長さはEVならでは
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実際に見たアフィーラは、クセのないプロポーションが特徴的で、低いフロントから水平に長く伸びた軸で構成され、ルーフラインもとにかくキレイな弧にこだわった非常に滑らかなクーペライクのセダンでした。
全体の立体構成はシンプルで、かつ面がシームレスにつながっているですが、リアフェンダーの張り出しがリフレクションに変化を与え、控えめながらも主張を感じさせます。
また、シンプルですが高級車的な、高い質感も感じられました。
シンプルなのに質感を感じさせるのは、カーデザインにおいて実は難しいんですよ。
全体的なデザインは非常にコンサバティブで、特に顔周りの比率や仕立てには80年代後半くらいの車を彷彿させる、少しレトロな印象も受けます。
このレトロ感は、あえて現在主流の迫力重視なデザインから距離を置く狙いがあるのではないでしょうか。
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凹凸のないシンプルなデザインといえば、レンジローバーを筆頭とするランドローバー系のデザインが思い浮かびます。
しかし、ランドローバー系はどれもプロポーション自体に強い個性があり、スポーティな魅力が際立っています。
それに対し、アフィーラは従来的なスポーティさよりも、ミニマルな美しさを追求している印象を受けました。
ディテールへのこだわり
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アフィーラの部品構成には独特の工夫が感じられます。例えば、リアバンパーの分割線がリアドアと平行になっており、そのせいかリアバンパー自体は3ピースの構造になっています。おそらく通常の車のように、斜めの分割を嫌ったからだと思います。
こうした細部へのこだわりは非常に興味深いポイントです。
一方、ウインドーモールと一体化したシームレスなドアハンドル(ドアスイッチ?)など多くのディテールは洗練されていますが、フロントガラス上部のセンサーやカメラの配置には違和感がありました。展示車両ではそこが目立つ突起となっており、他のディテールとの調和が損なわれているように感じられました。この部分は仕様による違いかもしれませんが、改良の余地を感じます。
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カバーデザインの収め方も洗練されているとは言えない
ソニーの本質を問うデザインとは
デザイン面で1つの疑問が浮かびました。
それは「ソニーらしさ」をカーデザインでどう定義したのかという点です。
プロダクトデザインの名門とも言えるソニーが、自動車という分野をどのように解釈したのかが今ひとつ見えづらい印象を持ちました。
デザイン自体は魅力的なのですが、レトロフューチャー的な印象がソニーのイメージと合うのかが少し気になったのですよ。
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エンターテイメントコンテンツを活用するという方向性は、ソニーならではの強みを生かす重要な要素です。しかし、実車を目にして感じたのは、ソニーが当初目指していたのはもっと根本的に異なるクルマだったのではないか、ということです。本質的な価値を見つけることが、これからのソニーホンダに必要かもしれません。
全体として、アフィーラはよく出来たデザインだと思います。
今は少し疑問もありますが、どのような未来を描いていくのか。
これからの展開が楽しみです。
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