渕野健太郎

肩書き一覧:プロダクトデザイナー・カーデザイン系メディアライター・デザイン専門学校講師・デザイン系クルマ紹介人:カーデザイナーとして20年ほど勤めた後、2023年10月からフリーランスになりました。ここでは、多くの方にクルマの魅力や、デザイン全般についてお伝えします。

渕野健太郎

肩書き一覧:プロダクトデザイナー・カーデザイン系メディアライター・デザイン専門学校講師・デザイン系クルマ紹介人:カーデザイナーとして20年ほど勤めた後、2023年10月からフリーランスになりました。ここでは、多くの方にクルマの魅力や、デザイン全般についてお伝えします。

最近の記事

スバル・クロストレック 6ヶ月レビュー|実体験から分かった魅力と改善

半年前、スバル・クロストレック(グレード:Touring、フルオプション)を購入しました。この6ヶ月間、日常的な移動から長距離ドライブまでさまざまなシチュエーションで活躍し、走行距離は6,000kmを超えました。今回は、実際に乗ってみて感じた「良かった点」と「気になった点」をエピソードを交えながら詳しくお伝えします。 良かった点①:アイサイトの追従走行が快適すぎる! 最も感動したのは「アイサイト」の追従走行性能です。購入してすぐ、F1観戦のため東京から三重県の鈴鹿サーキッ

    • 吃音と仕事のリアル:デザイナーが語る苦悩と成長

      突然ですが、私には吃音があります。 吃音とは、言葉が詰まったり、スムーズに話せなくなる疾患です。吃音にもさまざまなタイプがあり、常に話しづらい人もいれば、私のように症状に波がある人もいます。今も普段からどもることはありますが、昔に比べて「言葉が詰まって出てこない」という状況はだいぶ緩和されました。 実は、この吃音が私のデザイナー人生の原点でもあります。高校の頃、私は「喋らなくていい仕事に就きたい」と考え、自然と「絵を描く」道を選びました。自己主張を言葉で行うことを早々に諦め

      • シエンタとフリードは、和室に通じる?どちらを買うか、選ぶのを迷われている方へ

        トヨタ・シエンタとホンダ・フリードは、どちらも非常に優れたデザインだ。 まず、日本市場ならではの「Bセグメント3列ミニバン」と言う個性は、他の市場にはない唯一無二の存在だと思う。 全長4300mm前後、全幅は1700mm以下のコンパクトな サイズに 大人7人が座れるスペースを確保し、なおかつ電動スライドドアが付いている。 この合理的、機能的なパッケージングの素晴らしさは日本独特のものであり、 欧米のメーカーでは作れないと思う。 まあ、例えばアメリカ人の価値観なら、 「広

        • 1997年のお台場と、あの頃の車文化、そしてフジテレビ

          「踊る大捜査線」を久しぶりに見た。 関東で夕方再放送していたのだが、その際Tverでも見れたので そちらで夜な夜な、連続ドラマ11話全て見た。 懐かしい時代のお台場が舞台だ。 この連続ドラマが放送されたのは1997年。 私が大学1年生の頃だ。 福岡から東京に出てきて間もなかったのだが、 当時大学の部活で「自動車部」というものに入っていた。  1年生の私は車を持っていなかったのだが 先輩の車や部の車で、色々連れて行ってもらった思い出がある。 そんな時、お台場はとても行きや

          急に、エニカが終わるって。。。誰か引き継げない??

          エニカというサービスがある。 「個人間カーシェアリング」だ。 そのサービスが、今年いっぱいで終了するというニュースが昨日出た。 エニカとは、「DeNA SONPO Mobility」という会社のサービスで、 いわゆるIT企業としてインターネットでの様々なサービスを展開するDeNAと、 自動車保険や火災保険など、損害保険大手の損保ジャパンが出資した会社だ。 私は今年の夏から、自分のクルマを登録してカーシェアに出していた。 料金は1日単位で発生し、価格はオーナー自ら決められる

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          「おしゃれなクルマ」とは何ぞや? デザイン視点で考えてみた

          「今、新車で発売されている中で、おしゃれな車ってなに??」 と、ある友人から唐突に聞かれた。 そもそも「おしゃれ」とは何だ。 単語を辞書で調べると ”服装や化粧などを洗練したものにしようと気を配ること” だそうだ。 クルマで言うと「見た目(デザイン)が洗練しているもの」 と言うことが出来そうか。 しかし、 辞書では ”気を配ること” と結んでいる。 最後は動詞だ。 この意味は 一人一人が「考えて」気を配る、と言うことだろう。 と言うことで、私なりにクルマにおける「おしゃ

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          人生が変わるかもしれない、コンペに強くなる実践的な7つのメソッド

          今回は、私が会社員デザイナー時代に、コンペを通じ最終デザイン案に幾度となく選ばれた経験上から「コンペに強くなる9つのメソッド」と題して、お話しします。 私が日毎から心がけていたことをまとめたもので、 全く当たり前の話ばかりかもしれませんが、ハードルは低く実践的だとも思います。 デザイナーだけでなく、あらゆる分野のコンペに共通する話ですので、 ぜひ読んでみてください。(ゴルフコンペは対象外です・・・)

          ¥300

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          ブランド価値の重要度。レッドブルのプロモーション活動と、日本のものつくり転換期

          トヨタ自動車の、ある新型EVのプラットフォーム(中の構造やモーター、バッテリーなどの総称)が、中国メーカーのBYD製になるとの情報がある。 この話を聞いて皆さんどう思うであろうか? 「とうとうこんな日が来たか・・」 「日本のものつくりは終わった」 というネガティブな方も多いのではないか? 今の中国メーカーのEV開発力は凄まじく、価格競争ではとても太刀打ちできない状況にある。 アメリカが急いで中国製EVに対して関税を大幅に引き上げるなど、今まで自動車産業を重視していた国々は

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          とんかつと、無印良品のサングラス

          最近初めて入った、とんかつ屋さんがある。 牛丼で有名な大手チェーン店の系列店だが、 その「値段」に対する「質」に驚いた。 ロースカツ定食630円。 出てきたものは、ちゃんとした「揚げたての」とんかつであり、 ボリュームも十分。 倍くらいの値段のものと寸分違わないクオリティーだと感じた。 これはすごい。。。というか、 これでいいのか?とも思ってしまった。 隣にいた外国人グループは歓喜していたが。 モノやサービスに対する「対価」という意味で、 明らかに安すぎると感じたから

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          F1デザイナーの話

          私はF1を見始めて、35年くらいになる。 最初にテレビで見たのは、1988年の日本グランプリだと記憶している。 この後に、世界的大スターになった「アイルトン・セナ」が 初めてワールドチャンピオンになったレースだ。 日本でも空前のF1ブームになる直前である。 この当時から、天才デザイナーとしてF1を設計していたのが 「エイドリアン・ニューウェイ」だ。 アイルトン・セナが1994年、悲劇の事故の際に乗っていたマシンも、 彼の作品である。 F1と他のモータースポーツで、一つだ

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          ポルシェ911のデザインは・・・

          先日、妻から 「今一番欲しいクルマは何?」 と聞かれた。 車好き同士の会話ならお馴染みの質問だが、 妻からその話が出たのは意外だった。 私は咄嗟に「ポルシェ911」と答えてみた。 ポルシェ911・・・ このクルマは、カーデザインにおいても特別なクルマだ。 初代は1964年にデビューしている いわゆる「ナローポルシェ」と言われる型だが このクルマの基本パッケージは, 1997年に996型が出るまで、33年変わらなかった。 つまり、33年間、フルモデルチェンジしていないの

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          カーデザインを評論するということ

          去年の9月に会社を退職して以来、 主な仕事の一つに「web媒体での執筆」があります。 これらのほとんどはカーデザインに対しての記事で、 私なりに読者にわかりやすく解説しようと心がけています。 さて、皆さんは「カーデザイン」というものをどのように感じているでしょうか? 「カタチの良し悪しなんて人の好みだろう?」と考えている方も多いと思います。 それは半分正解なのですが、 半分はもう少し普遍的かつ論理的に説明できるものと考えています。 ここでは、その普遍的な部分を少し触

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          歴代の日本車デザインで「1位」だと思う、2代目「日産キューブ」の話

          こんにちは。 今日は私が良いと思うデザインのクルマについてお話しします。 日本車は、昔はよく「欧州車のモノマネだ!」とも言われて、 特にクルマ好きな方からは、あまり評価されていなかった印象です。 しかし歴史を振り返ると、とてもバライティーに富んだデザインが多く、 「プロダクトデザイン」の観点から見ても、良いデザインが多いんですよ。 一般的に良い言われる「欧州車」のデザインは、 とにかく「プロポーション」にこだわっているクルマばかりです。 「プロポーション」の詳

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          本日からnoteはじめました!

          はじめまして、渕野健太郎と申します。 本日からnoteはじめました。 ここでは、クルマの魅力をより多くの方に知っていただく為に、 あまり詳しくない方でも読みやすい記事を書こうと思います。 現在、私はこのようなクルマをPRする仕事の他に、 ・プロダクトデザイナー ・「webCG」などのメディアへの執筆 ・デザイン系専門学校の講師 など、様々なことをやっています。 昨年9月まで、自動車メーカーにてカーデザイナーを20年ほどやっていました。 主な担当はエクステリア(外装)デザ

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