論理学で見る日常(前提知識なし)【大学数学を楽しむシリーズ】

はい、狂葉です!

今回が初めての「数学を楽しむシリーズ」です。

少しでも数学って楽しいなと思ってもらうための記事をシリーズとして作っていきたいと思います。

やはり数学を勉強するにおいて、楽しさを感じながら勉強したいものですよね。

そんな楽しさを共感して頂くためにも前提知識はなしで高校生でも数学を勉強したことがない方でも楽しめる記事を作りたいと思っています。



では本題に入りましょうか。

論理学で日常を見るということで、今回は運転免許をとる時に、ずっと私は数学的にムズムズしながら問題演習や本番を迎えていたという話をします。

知らない人のために、運転免許の筆記試験はある問題(命題)に対して○か‪✕‬の真偽を答えるというものです。


早速問題を見てみましょう。
「夜の運転は気を付けなければならない」

普通の感覚だと○ですよね。

でも答えは、昼も気を付けなければならないから‪✕‬ということなんですね。

さぁて論理が崩壊しました。ムズムズしますね。

詳しく見ていきましょう。

この論理が崩壊したという証拠に、まずは「夜の運転は気を付けなければならない」が正しいことを背理法を用いて証明してみます。

背理法というのは高校数学で習う基本的な証明方法で、ある主張(命題)Aを証明するのに、Aでない(否定)という前提からは矛盾が生ずると示すことで行う証明法のことです。

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命題は「夜の運転は気を付けなければならない」ですね。

ここで命題の否定を考えます。
「夜の運転は気をつけなくてよい」

夜の運転は言うまでもなく気を付けなければいけませんからこの命題の否定に矛盾が生じました。

つまり元の命題「夜の運転は気を付けなければならない」は

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ということで「夜の運転は気を付けなければならない」という問題は真、つまり答えは○であることが簡単に証明できてしまいました。

さらにここで論理について紹介しておきます。

一般に、命題Aの真偽がどちらか定まっている場合に、AならばBの真偽を無視してしまうと

AでないならばBはであり、
AでないならばBでないもとなります。

論理学を知らないという方のために具体例を示してみます。

命題A「明日雨ならピクニックは中止」
これは上記の論理を元に考えればAでない場合、つまり明日が晴れであった場合において、ピクニックを中止すると言っても真、嘘にはなりませんね?

なぜならこの命題は晴れについては言及出来ていないからです。


ということで運転免許の筆記試験に戻ってみましょう。


命題「夜の運転は気を付けなければならない」

さて、ここまで理解出来ていれば、最初とは見方が変わったのではないでしょうか?

面白いですね。(迫真)


つまり私が言いたいのは論理を考えれば、この命題の場合は

昼は気をつけなくてもよい

これがだとも言えてしまうんですね!!!

(もちろん論理学においては「昼は気を付けなければならない」も真になります。)


論理に戻りますが、AならばBの真偽を無視してしまうということがあのような論理を生み出していたのでした。

つまりこの問題の誤りは昼の運転も気を付けなければいけないという要素が命題に含まれていないという点です。

よって昼も夜も気を付けなければならないという意図がある問題を出題したいのであれば、

運転は一日中気を付けなければならない

という出題をするべきということですね!!

なんと端的で分かりやすい問題なのでしょう。

これなら論理的にも気持ちよく‪○と言えます。




どうしてもこのムズムズを共有したいのでもう1問見てみましょうか。

命題「青の灯火の信号は、必ず進めを意味している」

ふむふむ、ではもう一度背理法で考えてみましょう。

命題の否定「青の灯火の信号は、必ず止まれを意味している」

これは言うまでもなく偽ですから、絶対に元の命題はですね。

数学がそう言うんですから絶対です。


国土交通省🧓🏻「青は進めという命令ではなく、進むことができるという意味なので‪✕‬です。」

出ました。お得意の論理崩壊です。

国土交通省の根拠はこうですね、参考書から引用します。
青は進めだが、状況に応じて停止、直進、右折、左折、全て含めての「進むことが出来る」という意味だそうです。

なるほど、この説明で「進むことが出来る」についての定義は理解できました。


さて論理マンの我々ならもう指摘できますね。
1問目の昼の場合を言及出来ていなかったように、この命題だと進む以外の場合を言及出来てないんですよね。


つまり正しい問題文、命題は

青の灯火の信号は、進むことが出来るを意味している

とてもシンプルで分かりやすい問題になりました。

答えは○。非常に気持ちいいですね。



ということで今回は運転免許の筆記試験は、引っかけを謳って論理が崩壊しているという点について書いてみました。

こんな感じで論理を考察してみるとムズムズすることって日常的に溢れまくってるので、考えながら生活してみると面白いかもですね。(変人扱いされても保証しません。)

念の為補足ですが、私は数学的にムズムズしていたというだけですからね。

この問題間違ってるだろ!と一般常識から外れたようなことを言うつもりはありません。笑

あくまで論理学を用いて数学の楽しさを共有してみました。


ただ個人的には、どうせ聞くことが同じなら論理を正しく保って、シンプルな問題にしても良いと思うんです。

まぁそのひっかけ問題のせいで半分以上の人が不合格になっているなら改善すべきでしょうけど、殆どの人は筆記を突破できていますから何の問題もないですねっ。


んじゃ。

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