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SSF08のくるしみ

こんにちは。
SSF前日に仕事で初めて登山をした繰るしみです。
背中がばっきばきになりました。

きりきり……霧……

毎回言ってますがSSFほんとに楽しい。
今回は特にDJが凄かったですね。完全に泣かせにきていた。
参加者も多く、たくさんの方とお話できて嬉しかったです。
お立ち寄りいただき、ありがとうございました!

手に入れた同人誌・アイテムたち
生まれてきてくれてありがとう

さて、今回も寄稿を含め拙作のふりかえりができればと思います。
ほぼ雑記ですのでひまつぶしによろしければ。
まずは寄稿から。

・TSシーズ合同『男SHHis!!』

発行 かんたがわさん(サークル:ちゃとわ)

 寄稿:『イン・オン・イントゥ・オーバー・ザ』

ほんとに良い合同ですよね。
今回獲得できた本の中でも飛び抜けてリビドーに満ちていて、大好きです。

寄稿について、まずテキスト上でふたりが男性であることを示唆する必要がありました。また、それが普通の状態であることが重要でした(シャニ世界の性別が完全に逆転している設定で考えていたため)。
即ち男性を表すアイコンが必要で、かつそれが魅力的でなければならない。
「喉仏」をモチーフに選んだのはそれが発端です。

「喉仏」から「嚥下」、さらに「降下」へとモチーフが気持ちよく繋がっていったのは楽しい体験でした。
「ピラミッドのような喉仏」は美琴さんの美しさや毅然として均整の取れた雰囲気、またなにかの歴を感じさせる様子にハマっていて、お気に入りの一節です(男体化シャニソンがあったら美琴さんには腹筋丸魅せなセクシーファラオのSSRがあてがわれるはず)。
加えてそれが装置として動くことで生命の機能(嚥下)を果たすのが、なんともミステリアスだと思いました。いち男性としても、喉仏ががっしりしてる男性ってカッコイイな〜と思ってしまいます。

また洗濯機の描写もお気に入りです。美しくなるために、水と洗剤にまみれて踊らさせられる。もみくちゃになって、様々な工程を経て、光を浴びてようやく完成する。アイドルですよね。これは特に、SHHisのふたりが目指すような、泥臭くて、高いハードルを超えた先にあるアイドル像と結びつくと思いました。
昔、松本大洋原作のある芝居をやった際、舞台装置に洗濯機がありました。それは壊れていて、ずっとごうんごうん鳴っているんです。終わらない自問自答や片付かない課題たちのイメージとして記憶に残っており、シーズ頻出のモチーフなこともあって、にちかの心のうちを象徴するものとして扱いました。
題名は、英語の助詞を理解するためにしばしば用いられる「箱」と、ふたりが取り組む「箱」を想起して。ちなみに歯磨き粉はMARVISです。

しかし美琴さんは軽率に、食べられても構わない(目的達成のためなら)とかぬかすので、あぶなっかしくてならないですね。
男性になると自分の身を守るという概念がもう少し希薄になるはずなので、本来の美琴さんよりさらに生活力が低く、警戒心もほぼなくて、逆に不鮮明な理想への野心にはさらに磨きがかかっていることでしょう。にちかくらい奥手じゃなかったらまずかった。簡単に汚されてしまう、危ういひとだ。だから人からもらった香水をなにも考えずにつけるんだよ。
ちなみにその点、ルカは恐らく美琴への下心みたいなものはないんだろうなと考えてます。逆に美琴への独占欲はさらに高まってそう。
男体化すると、各アイドルの精神性のバランスにも大きく影響があって、それを考えるのが楽しかったです。

・『あしたも相合学舎!』

主催 テツさん(サークル:べてた屋)

 寄稿:『Candy Dome』

こういうワチャワチャっとした本、いいですよね。それこそ文化祭みたい。
寄稿では小糸と凛世の物語を書きました。『線たちの12月』ですね。まんまです。それから『相合学舎』の合同なので、ラストに歌詞から想起した詩をいれました。これもまんまです。

カプ厨のためカプばっか書いてますが、小糸と凛世においては健全な友人関係を築いてほしいなと思ってます。別の居場所でできる友達って、なんだかドキドキしますよね。そういうお話です。
『12月』で最後にふたりが渡し合うキャンディから発展して、スノードームを想起しました。小さな小さなスノードームのなかで、ふわふわと舞う雪、その様子を少しだけ浮足立つようなふたりの間柄に重ねています。

凛世ってほんと、口調が果てしなくお淑やかなだけで、完全に陽なんですよね。マインドも陽の者。そりゃ放クラでやってけるよ。よくPはそれを見抜いたよ。アニメで見ていても思うのですが、放クラってアイドルというより若手の起業家集団みたいでたまに恐いんですよね。その放クラに対して好対照なのがノクチル。彼女たちは自分たちの発展やそれによる(社会)貢献には目もくれずに、ただあるがままに生きている。変化を好まない中で、変わっていくことを受け入れたり受け入れられなかったりする。もうすこし生っぽい人間性があって、そこが好きだったりします。

閑話休題。やわらかで人当たりの良い凛世と仲良しになることは、本当は容易いことなんでしょうが、それがなかなかできないのが福丸小糸。そんな彼女でも、少しだけ変化に足を踏み出して、他者となにかを共有することを知る、その過程が素敵だなと思いました。
小糸はマフラーの一端を預け、凛世はお礼にスノードームを贈る(勝手に書いてるだけなのでほんとに空想ですが、陽たる凛世は基本的には平易に贈り物ができると思う。多少の躊躇はありつつも。でもってそういうときに樹里さんを頼ったりする。たぶん樹里さんは言葉巧みなアドバイスはできないけれど、凛世の心に寄り添ってくれる。凛世のなかの勇気を見つけてくれる。ああ)。淑やかな交流がここにあります。良いですね。
ちなみに横で咲耶が透をずっと口説いてるのも好きです。のれんに腕押し糠に釘、透に美麗なスパダリ仕草。

・マフィアパロ合同『閃耀黑帮』

発行 犬飼タ伊さん(サークル:ペット不可物件)

 寄稿:香港黒社会幽谷霧子漢詩

手前味噌で度々アピールしてしまい本当に恐縮なのですが、今回のSSFの中で一番時間をかけたのがこちらの寄稿です。
なんか書かなきゃって思って。漢詩。一から勉強しました。
まず買ったのは『角川新字源』(漢和辞典)です。これは必携です。何故ってぜんぶ漢字で書くためです。また「韻書(漢字の種類分け一覧)」も必須です。こちらは紙では手に入れられず、webで参照しました。

辞書は偉大

とにかくもーーー縛りが多かったです。個人的に、シャニアイドルたちの誕生日に彼女達の名前を使って短歌を書くことを続けているのですが、これの比じゃないです。
あまりあれこれ言うと要旨が散逸するので簡潔に続けますが、今回の漢詩は「七言絶句」。押韻には「下平声陽韻」という漢字のチームを扱いました。漢字にはその発音に応じて百六の種別分けがあり、漢詩はその中からひとつのチームを用いてリズムを整えることが定められています。
長くなるので結論から言いますが、その他様々なルールがあるなかで漢字を選択し、霧子らしく、かつマフィアっぽく荒々しい内容にしました。寄稿が故公開は控えますので、もし内容についてご質問ありましたらお気軽にXやマシュマロまで。

実際に書くにあたっては唐詩選を中心に、李白や杜甫の選集を参照しましたが、基本的にどれも雅で艶やかな、もしくは寂しげな様子を詠じているため、物騒な言葉遣いの参考がなかなか見当たらなかったのが大変でした。ここはもう、使いたい漢字をもとに漢和辞典をくまなく探して書き落とした次第です。
内容は羊士諤の「郡中即事」と王昌齢の「西宮秋怨」を大きく参考にしています。初学なこともあり、創作とはまず写経から始まりますからご容赦ください。私の二次創作も、所詮幽谷霧子の輪郭をなぞっているに過ぎません。

そんな中で霧子のソロ曲である『雪月風花』の字を文中に盛り込めたのは奇跡でした。また順番を逆さまにすることにも成功しました。
呪文は逆さから読むと意味が反転しますから、つまりはそういうことです。オウム(白衣娘)も何故か逆さまになってますし。不思議ですね。

たぶん間違ってるところも多々ありますので、以後研鑽を続けます。

・新刊『I, like you.』

発行 繰るしみ(サークル:ニトーヘン)

拙作です。
ある意味、これが一番蘊蓄のへったくれもないですね。

ふたりが植物園にデートに行く話を読みたいなーと思ったんですよ。
なのでまずは自分が行きました。聖蹟桜ヶ丘から電車で三駅。調布市は神代植物公園の大温室が舞台です。とても素敵な場所だったのでお勧めです。蓮や蘭の展示が見事でした。

広大な敷地の一角に大温室があります
ご満悦

当初、単にふたりが植物園に行ってなんか良い感じにな(って円香が霧子にな)るだけの予定だったのですが、園内でベゴニアに出会ったのが物語のきっかけです。
種類によりますが、ベゴニアの葉がハートの片割れに見えることに気が付きました。また、葉を重ねれば羽にも見えました。

花言葉は検索してみてください

霧子から円香へ、夢の中で贈られたベゴニアの葉。
映画学の考え方で「三度の反復」というものがあります。これが好きでよく倣っているのですが、今回もそれに基づいて贈り物を三度繰り返させました。
「三度の反復」は、重要なことがらは三回発生し、その最も重要な部分が三度目に明らかになるという考え方です。
霧子から円香への贈り物は、即ち「霧子への好意」を象徴しています(三度目は夢の霧子がしたことなので現実の霧子にはそういった意図はないはずですが、魔性ですね)。
ちなみに植物園の人工の泉はナルキッソスの泉です。
私の書くガールズラブは「エス」寄りなので、その礎にはどうしても自己愛があります。これはいつかちゃんと書きたいのですが『水玉病』という曲の「あなたになれない私になれない」という歌詞に多大な影響を受けています。

また裏テーマとして、これは同人活動をはじめたきっかけでもありますが、いかに詩そのものを読ませるか、という課題もあります。
詩って読まないですよね。よくわかんないじゃないですか。でも私には詩しかないんです。だからそれを読んでもらうにはどうしたらいいか。
今回は最後の円香の独白とも言うべき詩に向けて、絵も用いてシナリオをなるべく丁寧に描写することを意識しました。また、円香の口数も少なくし、むしろ絵をメインにしています。
これによって、円香の怒涛の吐露が最後にきても、自然に読むことができるなと。

まあなんかごちゃごちゃと書きましたが、とにかく円香は本当に大変な心の機能をしているなというお話です。
あとがきに書きましたが、透との関係についても詩で書いてありますので、よろしければそちらもご参照いただけると嬉しいです。甜花&霧子の本も同様に、自分の同人誌はすべて時空を等しくするものとして書いています。
既刊はメロンブックスさんにて置かせていただいています。
(買ってくださいお願いします!!!!)

・メロンブックス ニトーヘン
https://www.melonbooks.co.jp/circle/index.php?circle_id=117967&srsltid=AfmBOop8dgeU01GL-wIUcbZT1xEQh8g-bwblQQ73IS-wHt2-byRS-w0K

前回の霧子&霧子でもそうでしたが、少女を繭にこめて変異させるのが好きすぎるかもです。頑張ってボキャブラリーを増やします。
あと最後のセリフは雨の日の度にシャニソンのホームで聞こえていたはずの声なんですが、合っているか自信がありません。間違ってたら瓦解するので、叱ってください。私は「月が綺麗ですね」という言葉が扱われ方含め好きじゃないんですが、自分でそういう隠語つくるんならええやろの気持ちでラストのフックとしました。

おわりに

末尾ではありますが、合同主催のかんたがわさん、テツさん&大口むにゃむにゃさん、犬飼さん&motoさん&伍貴さんに敬服の意を示します。
すごい合同たちです。本を生んでくれたことに最大限の感謝を。

合同やら既刊やら新刊について、感想などいただけますと鳴いて喜びます。
鳴きます。どうかお願いします。
改めて、Xないしマシュマロまで。
また既刊についてもご興味ありましたらご検討いただけますと嬉しいです。

・メロンブックス ニトーヘン
https://www.melonbooks.co.jp/circle/index.php?circle_id=117967&srsltid=AfmBOop8dgeU01GL-wIUcbZT1xEQh8g-bwblQQ73IS-wHt2-byRS-w0K


次回はアイマスエキスポに出展予定です。
まだなんもできていません。
やばいです。
かなりやばいです。
お助けください。

間に合えば新刊で幽谷霧子の教典を出す予定です。


すべての信徒へ

ありがとうございました。
また会いたいです。

  繰るしみ 拝


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