TORATANU THE GREAT PARTY 2022 データから学ぶ話2/3 ~ささやかなテクニック~
前回記事では大会データを軸にして「勝つために」必要な条件を並べた。
書きながら、筆者も勝つことは簡単ではない事を再認識させられた。
第2回となる今回は外枠からもう少し中に切り込んで、【得点】にフォーカスする。
新トラタヌが生む明暗
新トラタヌは沢山の動物たちに変更が入った。
端的に表現するならば「とりあえずこれから逃がしておく」というカードが減った。なくなったと言っても過言ではないと思う。
この変更により、
強いカードを運よく集められたプレイヤーが勝つ回数よりも、
適切なプランニングで得点機会を確実に積み重ねたプレイヤーが勝つ回数の方が増加した。
上手くいけば150点、ダメなら20点のようなホームランor三振バッターより、
基本40~50点でOK。攻められる時には押すという打率重視のバッターの方が活躍しやすい環境のようだ。大会でも、生まれ持っての剛運をメインウエポンに戦えていたプレイヤーの苦戦が散見された。
蛇足ではあるが優勝者のD氏は「3列目はロマン用」と言いつつ、打ち方は超堅守派である。
新トラタヌ初大会での光と影。
新トラタヌに対してプレイヤー側の調整がもう少し必要なようだ。
40%
前回記事で耐え忍ぶ事に少し触れたが、その対策方法の一部を紐解く。
先に結論を述べる。色を軽視しないことだ。
副題は大会中に全プレイヤーがツイカの動物(コモンドール、チンチラ、オランウータン)を利用して得点を追加した夜に、ツイカの動物の列で色セットを成立させた割合である。具体的な回数では60回中24回。
これは大変もったいない。
チンチラ・オランウータンを絡めるプランを進行する際には1列目、2列目は群レを目指して手札管理する都合上、3列目の黒の色セットは優先順が最低に位置する為色セットを成立させ辛い。というような擁護の余地はある。
だがしかし。この事を理解した上であえて二度書く。もったいない。
新トラタヌでは黒で色セットを成立させた場合大体12点±3あたりに帰着する。
ツイカの動物を軸にする場合は初手~4順目あたりにキーとなるカードが手元にある状況である事を前提に考えると、1夜10巡の間に黒のカードを他2枚全然引けないという場面はそう多くはないと思う。
ともなると、無意識下で10数点稼ぐ機会を喪失している可能性が浮上する。
“不確実”な大きな加点を夢見て、”確実”で地道な加点を怠っていないだろうか。
当記事を見ているプレイヤーは今一度自身のゲームを思い思い返してほしい。
パワフルな動物を手放せず手元で0点の列ができてしまっていないだろうか。
その陰でカメレオンやパンダを何となく逃げていないだろうか。
意識で得点は変わるのだ。
キツネよりも狡猾な。
トラタヌは最も5夜の得点が高いプレイヤーが勝つゲームだ。
トラタヌは460点に最速で到達したプレイヤーが勝つゲームではない。
即ち、自身の得点が低くとも、他プレイヤーの得点が自身に比べ低ければ勝利する。
得点を下げる方法を大半のプレイヤーは自ずと理解している。
オオカミやライオンをはじめとした勇猛な動物の群レだ。
しかし得点を減らす方法は動物のみが有しているわけではない。
“狡猾なプレイヤー”もそうなのだ。
狡猾なプレイヤーは「自身が揃えたい動物のことだけを考えるプレイヤー」を静かに見つめ、意図を見透かしそのカードをあえて逃がさない。
あと一歩で揃わなかったプレイヤーを尻目に、【あと一歩】だった動物を色セットの種にして10数点を積み重ねる。
結果として現れるのは、0点の列と10数点の列。
じわりじわりと開く差は遅効性の毒。
実際、その工夫がもたらす効果は解散と一緒である。
成立し得た列の点数が0になっているのだから。
トラタヌにおいて得点の重さはどこまでも均一なので、30点の群レをつくることと15点の色セットを2回作った際の得点は同じである。
最近勝てない気がするプレイヤーは、もしかすると見えない所に勝てない理由が隠れているかもしれない。
もしくは、バレないところに狡猾なプレイヤーが隠れているのかもしれない。
FIN
トラタヌ公式HP
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