【5分で読めます】どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから"の仕事と転職のルール 要約/まとめ/感想
理想論なんかじゃ、ない
こんにちは。くろです。
今回は"どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから"の仕事と転職のルール"の要約、まとめ、感想です。
著者の尾原さんはマッキンゼーやGoogle、リクルートなど名だたる企業に入社しては転職してを繰り返し、果てには12回転職されている方です。
本書のタイトルである「どこでも誰とでも働ける」には言葉通り”世界中の誰とでも働ける”ようになるという意味もありますが、”どんな職場で働いても周囲から評価される人になる”という意味もあります。
本書では”どこでも評価される”ための話が45個掲載されています。
この要約ではその中から私がピックアップした9個を紹介します。
本書の結論
社会はインターネット化し、リンク・シェア・フラットという特徴が表れてきている。
どこでも誰とでも働けることは理想論ではなく、激動の今を生き抜くための現実的な方法である。
1 自分からギブする
インターネット化した社会は情報のシェアが簡単にできます。
ただ、「くれくれ」ばかりでは周囲は知識や成果をシェアしようと思わないはずです。
ひたすら相手のために「ギブ」し続けること、そして見返りを求めないことが重要です。
また、自分の知識は積極的にオープンにすべきです。
自分が知っている情報を他人に教えるのがもったいないという人もいますが、情報なんてインターネットですぐに手に入ります。
自分が思いつくようなことは世界中ではすでに1000人は思いついているのです。
自分の知識をオープンにすることで回りを巻き込んで物事を進められます。
さらにそうすることで自分の信頼につながり、人の情報もオープンにしてもらえるのです。
2 まず行動する
今の時代はVUCAの時代と呼ばれます。
VUCAとは、複雑な社会情勢が絡まりあい、未来予測が難しい状態を示す言葉です。
予測が困難な要因として4つの英単語の頭文字をとっています。
V:Volatility(変動性)
U:Uncertainty(不確実性)
C:Complexity(複雑性)
A:Ambiguity(曖昧性)
これだけ変化が激しく未来が見えない時代では、時間をかけてあれこれ調べたり考えたりしている間に周囲の状況が変わってしまいます。
その一方、インターネット化した社会は実行のハードルが極めて低いです。
誰でも発信でき、出店でき、つながれるようになった今の時代は何かを行うのは誰にでもできます。
失敗してもいいからとりあえずやってみる、という割り切りが重要です。
ただ、手を出さないエリアを設けることも大切です。
「数字を出せれば中身はどうでもいい」をやってしまうと、仲間も顧客もいなくなってしまいます。
捨てることを決めることで美学やこだわりが生まれ、共感を呼ぶのです。
3 相手の期待値を上げすぎない
自分に対する評価を決めるのは自分ではありません、相手です。
相手が「これくらいならできるだろう」を1パーセントでも下回れば満足してもらえないのです。
つまり、仕事の前段階で相手の期待値を必要以上に上げないことが重要です。
エクスペクテーション・マネジメント(期待値管理)と呼びます。
4 成長と影響力は「自分事化」から始まる
リクルートは当事者意識、主体性が強い社風なんだそうです。
これは創業者の江副さんの「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉に凝縮されています。
自分で仕事を拾いに行ってそこで結果を出せば別の大きな仕事がやってくるのです。
これを突き詰めると、部署や肩書が不要になります。
「部署の仕事だからやる」のではなく「自分がやりたいからやる」ようになれば周囲もその"人"を見るようになります。
そういった人同士のつながりは大きな財産になります。
5 純粋想起
ジャンルの言葉を作らない、というブランド戦略を「バンドエイド戦略」と呼んでいたそうです。
「バンドエイド」は「絆創膏」商品名です。
ただ、多くの人は「バンドエイドください」と言ったことがあるはずです。
そうするとお店の人は必ず「バンドエイド」を差し出します。
「絆創膏」というジャンルの代表が「バンドエイド」なのです。
ジャンルの言葉ができた時点で比較が発生します。
「携帯電話」と言われた時点でとある3社が出てくるのがそれです。
ただ、「結婚の本」といわれて想起するのは「ゼクシィ」一択だと思います。
「結婚」に対する「ゼクシィ」や「絆創膏」に対する「バンドエイド」を純粋想起と呼びます。
純粋想起の最強の形は動詞化することです。
「Googleで検索する」が「ググる」になることです。
6 転職活動のすゝめ
尾原さんは転職するかどうかにかかわらず、毎年転職活動をされるそうです。
世の中から見た自分の価値を知るには、労働市場に身をおくべきだからです。
世界はインターネット化し、会社と個人の関係も変わります。
立場は「フラット」になり、利益を「シェア」する関係になるでしょう。
会社も個人も、お互いに相手の設ける力をガチで評価して手を組む、というのが転職活動です。
人は一つだけに依存すると自由を失います。
「この会社しかない」と思い込むとブラック企業でも抜け出せなくなります。
そこで自分の価値を再確認する意味でも副業とボランティア活動をすべきなのです。
今は副業やボランティアも様々な形があり、Web系だけでなく企画力やマネジメント力といったスキルを売り物にできるようになっています。
また、ボランティアには自分の会社に居ないようなスキルを持った人もいたりして、刺激になったり勉強になることもあるのです。
そんな人たちと一緒に何かを成し遂げることで自分が成長できるのはもちろん、今は他人からの評価がネット上に蓄積されるようになってきています。
こういった状態を尾原さんは「自己中心的利他」と呼んでいます。
「利他」になるようにすることが回り回って「自己」のプラスになるのです。
また、転職を「目的」ではなく「手段」とすることもできます。
その会社で働くこと自体が「目的」となる転職と、自分のスキルや能力を高めて次のレベルへ行くための「手段」としての転職です。
終身雇用が崩壊するとトヨタが宣言するような社会です。
そういった転職があっても良いのではないでしょうか。
7 「始まりの場所」
ビジネスには先行者利益という言葉があります。
新しいことを始めた人がリードできるというあれです。
ビジネスマンもそういった「始まりの場所」にいると、成長や強みにつながります。
既に何十年も続いているビジネスにはベテランが大勢いてその人たちと並ぶには歳月が必要です。
その点「始まりの場所」では皆が同じスタートラインに立てるのです。
また、ビジネスの立ち上がりは規模が大きくないので、どこで誰が何をしているかが大体わかった状態で成長できます。
一つ注意しておきたいのは、何も「始まりの場所」はベンチャー企業にしかないのではなく社内にもあるということです。
今、全く新規の業務が無い企業は少ないのではないでしょうか。
AI技術を取り入れるプロジェクトや、新しい生活様式に対応するための仕事など、「始まりの場所」は社内にもあるはずです。
積極的にそういったプロジェクトに飛び込んでみると、成長や人脈作りに役立つはずです。
8 AIに負けないためには
2020年5月現在、「AI崩壊」という映画がBlu-rayで発売されるそうです。
この映画は(CM等を見る限りでは)AIが成長しすぎた結果暴走し、人間に被害を与えるというストーリーです。
こういったAIが人間に反逆するといった未来は実現しなくとも、今の私たちの仕事がAIに奪われるという未来は間違いなく来ます。
その際、我々はどうやってAIに勝てば良いのでしょうか。
GoogleやAmazonと違い、楽天は効率化を求めません。
楽天には生活必需品ではなく嗜好品、ワインや楽器が多く取り揃えられています。
楽天には4万人もの店長が居て、それぞれが自分の好きなものをとことん突き詰めて商売にしています。
効率を気にして「役に立つ」ことを第一とすれば、GoogleやAmazonといった巨大企業やAIには打ち勝てません。
効率化とは別軸にある、「過剰」と「嗜好性」をウリにしているわけです。
つまり、我々が生き残るためには自分が好きな分野に対して情熱を注ぎ続けることが重要なのです。
楽天の創業者の三木谷さんは「1日1%の改善」を掲げました。
どんなことでも1日1%改善すると、1年で37.8倍になります。
逆に1%ずつ手を抜くと、0.026倍となり実力は1/40になります。
さらに、「三木谷曲線」という線があります。
これは努力と成長の曲線で、努力した最初のうちは結果が伴わないものの最後の0.5%で急激に伸びることを表しています。
毎日欠かさず1パーセント改善し、最後の0.5%まで努力しきるのは簡単ではありません。
だから自分が情熱をささげられるものを選ぶことが重要なのです。
9 誰とでも仲良くなる条件
最後に誰とでも仲良くなる条件を3つ紹介します。
①マイクロインタレスト
「自分だけのこだわり」です。
広く浅い興味よりも、深い話ができたほうが人から面白がられます。
②自己開示
自分の弱みをさらけ出せるかどうかです。
自分の失敗を相手に提示することで警戒心を解くことができます。
やたらこちらを論破しようとする人や自慢ばかりの人は嫌ですよね。
③コミットメント
結果を受け止めること、誰かのせいにしないことです。
最後まで自分の責任でやり遂げる人は信頼されます。
まとめ
本書の結論を再掲します。
社会はインターネット化し、リンク・シェア・フラットという特徴が表れてきている。
どこでも誰とでも働けることは理想論ではなく、激動の今を生き抜くための現実的な方法である。
感想
あとがきには「ぼくの本にはオリジナルこのとなんて何一つありません」とあり、経験から考えたことがすべてなのだと思います。
ただ、だからこそ説得力があり揺り動かされました。
私はもうすぐ28歳になり、20代は残すところ2年しかなくなります。
今の職場環境や周囲の仲間は大好きですが、これから先を生き抜くための力が身についているとは思えません。
すぐに転職することはなくとも、本業以外に自分を高められるようなことをしたいです。
当面は読書と筋トレを頑張りつつ、瞑想で自分と向き合ってみようと思いました。
最後に
お読みいただきありがとうございました!
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