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3行日記 #228(グミ、百舌、睡魔)

十一月十日(日)、晴れ
立冬、山茶始開、つばきはじめてひらく、サザンカの花が咲き始める。
立冬、楸莢猶懸、しゅうきょうなおかく、キササゲのさやはまだぶら下がって。

午前、妻の実家でおばあちゃんと合流し、最寄り駅から今出川へ。前に立っている男の、リュックの右脇にある網目状のポケットにグミの袋が逆さまに無造作に入っていて、チャックがしっかり閉まっていないのか底のほうに三粒ほど落ちていた。京都駅に着いて男が早足で歩きだすと、ぽろりとさらに一粒増えて、底の集まりに加わった。

きょうは花ちゃん一家と探鳥だ。集合場所の乾御門近くにはすでにたくさんのひとがいた。参加者は五十人を超えていたようだ。近衛邸跡を抜けて東へ、まずはヒヨドリの群れが盛んに啼いていた。尾羽をぴょこぴょこ上下させるセグロセキレイもいた。先の細い樹のてっぺんに一匹の百舌が止まっていた。見晴らしの良さそうな場所だ。かわいいと言いますが猛禽です、と主催者の日本野鳥の会のおじさんが説明していた。トイレ休憩を挟んで南へ。バードバスの近くで、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ。藪の下に腹の黄色いアオジもいた。私は確認できなかったがシロハラもいたらしい。腹の黒いひとも多いですけどね、と冗談を飛ばす案内人。私は、最近はアカハラもありますね、と応じた。外国人の女性が胸の高さに左手を開くと、忙しなく飛び回っていたヤマガラが指先に止まった。女性は黄色い木の実を手に乗せていた。さらに南へ。途中、エナガがいたようで、影は見つけられたが、体がちいさく、はっきり確認できなかった。この鳥も、シマエナガの写真で見るように寄り添って団子になるらしい。いつか見てみたい。後半は急ぎ足に。白雲神社の境内を抜けて、宗像神社の脇をかすめて、九条池まで歩いた。花ちゃんとおばあちゃんが二人仲良く盛り上がっていた。

昼、丸太町近くの喫茶店で昼食。花ちゃんは味噌が入ったオムハヤシ、妻は明太クリームパスタ、私はミートソースのパスタを食べた。

午後、東の京阪まで歩いて、神宮丸太町から南へ。花ちゃんと妻は母校の大学の学祭へ、私はそのまま電車に乗って家に帰ろうとしたのだが、猛烈な睡魔に襲われ、寝過ごし、気づけば最寄り駅を過ぎていた。しかたなくひとつ先の駅で下車し、次の電車までかなり待ち時間がありそうだったのでそのまま改札を出て自宅に向かって歩いていたのだが、公園の角のいつもの場所にハンソン先生が楽器を手に持ち座っていて、なにやら騒ぎの声がするなあと思いながら近づいていくと、酔っ払いの男とハンソン先生が何らかの事情で揉めていた。まあ怒らんでええやん、人間は怒るためにいるんじゃない、とおばちゃんが仲裁に入っていた。私は自宅に戻って昼寝した。

夜、妻の実家で鍋。食後に林檎と新聞の数独。チャックの散歩、途中で帰宅した。

#3行日記

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