3行日記 #166(出汁パック、雪柳、台車)
三月二十九日(金)、晴れ
朝方は雨が降っていたが、午後は晴れて気温がぐんぐんあがり二十度を超えた。
朝、妻が味噌汁の鍋をのぞいて、何やらつぶやいている。ないなあ、ないなあ。何がないの、と訊くと、消えた出汁パック。自分の味噌汁の椀を漁って、ないなあ、ないなあ。私の椀を漁ると、くたくたの白菜にまじって、出汁パックがでてきた。
夕方、そろそろ桜の咲くころだろうかと、水路のほうへ。いくつか咲きはじめてはいたが、まだ一分咲にも満たなかった。萌えはじめた柳の若葉に夕陽があたっていた。そのほか、白く小さな花をたくさんつけたユキヤナギが、苔色の水面に映っていた。
夜、カレー、味噌汁の残り、はるか、苺。チャックの散歩、京阪の踏み切りをまたいで西へ、区役所をかすめて南へ、公園を通り抜けて商店街を歩いて、さらに南へぐるっとまわって帰宅した。家に戻る途中、とらやの大将がいつもの台車を押しながらすれ違う。いったいどこに何を運んでいるのだろう。そこで妻がひらめいた。商店街の老舗のお好み焼き屋のあとにできた居酒屋は、小寅という名前で、そこに調理したものを持っていってるのではないかと。きょうはドキュメント72時間が休みのようなので、また来週。