3行日記 #188(三目並べ、刺青、自転車の墓場)
五月二十六日(日)、晴れ。
小満、紅花栄、べにばなさかう、紅花が盛んに咲く。
小満、寧母悲松、はるぜみまつをかなしむ、ハルゼミが松を恋い慕って鳴いている。
午前、エジプトの原稿
午後、家でお昼を食べてJRの駅へ。タチアオイの薄桃色の花が咲いていた。二条の絵本の店へ。もうすぐ店を閉じることに決めたらしい。自由研究の本を買った。店長の女性におすすめされたギャラリーに行ってみる。人間の体をモチーフにした作品。その後、細い路地を歩いていると、アスファルトの上に白く○と✗が書かれている。三目並べをしたあとだ。あみだくじもあった。映写機をコレクションしている博物館へ。任侠映画の刺青の企画展をやっていた。展示を見ているとそこへ、オーストラリアから観光旅行中の家族がやってきた。若い夫婦とそのご両親。若い夫婦はどちらもタトゥーアーティストだという。彫師だ。スタッフの女性が興味津々に尋ねると、Tシャツを脱いで刺青を見せてくれた。上半身は前も背中もまったく隙間がない。般若のお面に、漢字で天下と書いてある。昨日も京都で彫って、明日は東京で彫るらしい。
三条商店街を抜けたところでおもちゃ屋を発見。入ってみる。駄菓子屋や祭りの出店で見かけるくじ引きのおもちゃがたくさん壁に吊られていた。妻が線香花火と火を点けると風船が膨らむ謎の花火を買った。
さらに進むと、京都市で撤去された自転車が集まる、自転車の墓場に着いた。数年前、私も出町デルタに数分だけ駐めたあいだに撤去されてしまい、ここまで引き取りに来たことがある。昼の十二時に保管所の門が開くのだが、知らずに早くついてしまった人たちが、門の前で五人ほどたむろしていた。仲良く話しているので顔見知りなのかと思ったが、話を聞くとここで初めてあったという。だが、どこで取られたとか、少ししか止めてないのにとか、自転車が急になくなって不便だとか、こんな遠くまで取りに来ないと行けないなんてとか、同じ境遇におちいったもの同士で愚痴りあっていると、一瞬で仲良くなってしまった。このあとみんなで飲みに行きましょうか、というくらいまで。あっという間に正午になった。窓口で罰金を支払い、みんなが敷地内に自分の自転車を探して散らばっていく。数日ぶりに愛車と再会しテンションがあがる。帰る前に、さっき仲良くなった仲間たちに一言挨拶してから行こうかなと思いキョロキョロしたが、みんな一目散に自分の自転車にまたがって、すぐにバラバラになってしまった。そんな思い出がある。ローカル激安スーパーで、お菓子やジャムなどを買った。
夜、ビビンバ、冷奴。チャックの散歩、ガード下をくぐって南へ、公園をかすめて国道を北上し、神社を通り抜けて帰宅した。
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