3行日記 #220(草刈りの笛、キウイの種、祭り)
十月五日(土)、晴れ
秋分、水始涸、みずはじめてかるる、水田の水が抜かれる。
秋分、蛇入巣穴、へびそうけつにはいる、蛇が巣穴にずるずると。
午前、出町から高野へ、川沿いを歩く。久しぶりのことで、土手の草花はすっかり秋めいていた。すすきのような背の高い草が茂っていたのだが、とある橋を境にきれいに刈り取られていた。だが、彼岸花だけは残されていた。焼け野原にぽつんと残ってしまったビルのように、居心地が悪そうに見えた。その先の向こう岸で、作業員四人が草刈りをしていた。先ほどの彼岸花は彼らが残したのだろうか。作業員の誰かが笛を鳴らすと、みないっせいに手を止めた。草刈機のエンジン音が止み、急に静かになる。とそこへ、おじさんランナーが通り過ぎていく。どうやら歩行者が近づくと、注意の笛が鳴らされるみたいだ。
昼、高野から一乗寺へ。駅前の和菓子屋がなくなっていた。
夕方、一乗寺から出町へ。途中、古本屋に寄り、二冊買う。日が沈むのが早くなってきた。元田中の団地が赤く染まっていた。
夜、麻婆茄子、キウイ。キウイの切り口の種が三つしかなかった。チャックの散歩、きょうからお祭りがはじまった。チャックは外に出ると一目散に神社へ。紐をひく力が強い。出店でにぎやかな境内を抜けて東へ。JRの駅をかすめてぐるっと回って帰宅した。きょうは妻が実家に泊まるので、久しぶりにひとりで眠った。