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3行日記(古本まつり、燕、旋回)
八月十一日(金)、晴れ。
午後、かき氷を食べに都堂へ行ったが、お盆期間中はかき氷はやらないらしい。代わりに、わらびもち、よもぎ餅、水まんじゅうを買う。
その後、バスで出町のほうへむかい、糺の森の下鴨納涼古本まつりへ。木陰だからか、ふしぎとぜんぜん暑くない。蝉の声が振ってくる。テントに入ると、その声が遠くなる。本が積み上がった長机の前で、べっ甲の眼鏡をかけた店主が、考え事をしているのか、うたた寝をしているのか、深く眼をつむっていた。『駅名万華鏡』、魚の図鑑、カラーブックスの一冊を買った。
夜、観月橋を渡って、宇治川左岸の葦原に、燕の塒入りを見に行った。日没後の焼けた空に、ものすごい数の黒い点が円を描いている。実際に見たことはないが、テレビで見るイナゴの大群のようだ。ぴいぴいと、やかましく鳴きしきり十分ほど旋回してから、急降下して葦原のなかに突っこんでいった。なんで寝る前にくるくる空を回るのだろう。