6. 本で冒険する! 『情意の言語学 「場交渉論」と日本語表現のパトス』 くろしお出版 2000
あくまで個人的な事情
人間のコミュニケーションには、感情が欠かせない。感情的な側面をどのようにして言語理論の中に組み入れたらいいのか。従来の言語学では情報が中心であり、情意はむしろ邪魔者扱いされていた。情意を認める日本語学も、その解釈がどのようになされるのか、つまり、コンテキスト情報とどのような関係にあるか、まとまった理論はなかった。
筆者は当時、ひとつの体系的な理論を繰り広げる必要性を感じていたのだが、最終的に『情意の言語学 「場交渉論」と日本語表現のパトス』の原稿を提