9. 本はインスパイアする! 奥津敬一郎 『「ボクハウナギダ」の文法 ダとノ』 くろしお出版 1983 [1978]
やっかいな「ダ」
日本語の文型には、動詞で終わるいわゆる動詞文と、ダで終わる名詞述語文がある。ダ文は、「あの人はいつも元気だ」というような形容動詞文を含み、ダが省略される場合もあるが、さしあたり、次のタイプが思い浮かぶ。
(1)人間は感情の動物だ。(判断文、主題導入文、コピュラ文)
(2)今日の当番は僕だ。(分裂文)
(3)(今日は何定食にする?)僕は、魚だ。
(4)どうせのろまだよぅ……だ。
この中で、まずダ文として思い浮かぶのは、やはり、ダがコピュラ(繋辞)としてトピ