3. 本はインスパイアする! 鈴木朖『言語四種論』 名古屋国文学会 1931
あくまで個人的な事情
1985年頃だったと思う。筆者は帰国した際、ある書物を探していた。江戸時代の国語学者、鈴木朖による『言語四種論』である。できれば、その原本を見てみたいと思っていた。当時入手できる資料は、1979年に勉誠社から出版された解説書(小島俊夫・坪井美樹解説)を通してアクセスできるだけであった。
その日、慣れない東京で(何線か記憶していないが)地下鉄の国会議事堂前駅に降り立った。階段を上ると、目前に国会議事堂が見えた。そこから国立国会図書館の方向へドキドキしな