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【放送大学/まとめノート】総合人類学としてのヒト学(’18)第8回 ヒトの繋がりと社会集団 / 深山直子教授
キーワード
繋がり 親族 出自 地縁 社縁 情報録
目標&ポイント
1.ヒトの繋がりの普遍的側面と時代的変化
2.親子と婚姻、出自
3.地縁、社縁、情報録とその差異
1.社会動物としてのヒト
ヒトは、自分・他者を自然・社会環境の中に位置づけて認識し、関係性・集団の成員権を通じて理解する。
→ 社会的動物はヒトだけじゃない(犬、ハチ等)が、やっぱ他とは一線を画している。
2.親族と言う繋がり
2-1 親子関係と婚姻関係
親族
タテの繋がり → 親子関係
※母子関係 最も基本的な繋がり
ヨコの繋がり → 婚姻関係
霊長類学・人類学者の山極寿一は、一部の類人猿の間に社会学的父親の萌芽が捉えられると論じる中で「男が父親になるためにはまず女から持続的な配偶関係を結ぶ相手として選ばれ、次にその母親を通じて子どもたちから選ばれるという、二重の選択を経なければならない」
親族の中でも最小の単位とされるのが、家族である。人類学をはじめ社会学では、婚姻関係にある2人の男女とその未婚の子を「核家族」と称し、居住を共にし日常生活において助け合う基本的な社会集団として位置づけ、いかなる社会の家族もそれを原型とすると考えてきた。しかしながら、男性が母子と共に居住せず父としての役割が希薄な社会や、共に居住する人々が頻繁に入れ替わる社会などの存在が明らかになるにつれ、家族の原型を規定することは困難だと捉えられるようになっている。
2-2 出自と出自集団
親族
タテ・ヨコに無限に広がるカテゴリー
家族は親族に埋め込まれており、このタテヨコ親族をベースに社会が形成される。
出自
個人が先祖との間にもつ繋がり
その社会特有の先祖の辿り方がある
性別にこだわる辿り方→「父系出自集団」「母系出自集団」
性別にこだわらない辿り方
→安定した社会集団形成が困難に
2-3 父系社会と母系社会
各出自集団における「曖昧」な立場の人たち
父系の女性 母系の男性
↓
出自集団と他集団を繋げる重要な働きをもつ
観念的存在の始祖 ←天孫降臨みたいなやつ
死者が集団をまとめる ←ヒトならではの特徴
3.いろいろな繋がり
3-1 地縁
狩猟採集時代 → 血縁
農耕開始・定住化 → 地縁
地縁に基づいた共同体「地域共同体」
例)自治会・町内会
「遠くの親戚よりも近くの他人」
3-2 社縁
社縁
特定の目的達成や関心を満たしたりするために結成された集団
例)政治・宗教・趣味の会など
個人の意思による自発的な関わり方が可能
広く浅いつながり方が可能
工業化・都市化により存在感up・重要性増す
3-3 情報縁
情報縁
情報空間における縁
インターネット
現実社会での属性に囚われない 自由
物理的要素が意味を成さない
情報縁はしばしば血縁、地縁、並びに社縁と補強関係にある