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【放送大学/まとめノート】総合人類学としてのヒト学(’18)第12回 支配のしくみ / 赤堀雅幸教授

キーワード

権力 バンド(群れ) 部族 出自 縁組 首長制

目標&ポイント

1.狩猟採集 → 農耕・牧畜 集団規模の拡大化
2.集団統御のための支配のしくみ 段階的発展
3.国家の発生
4.支配は社会的容認に基づく


1.群れを超えて生きる

支配とは 「自己の意思を他者に強制すること」

狩猟採集民

・「支配」が存在していたかどうかについては意見が割れている。が、大規模な支配のしくみを発展させる必要はなかった。(グループの増大 → 分裂)
・基本単位:家族
  ↓

農耕・牧畜スタート

・「自然から受ける」→「働きかける」へ
・バンドとバンドを連結して集団を拡大
・支配のはじまり
    社会の形成 支配の仕組み整備
・親子(血縁あり)/ 夫婦(血縁なし)・・・という2つの関係性の応用
  ↓

部族

親子夫婦という2つの関係の在り方を論理的に拡張することにより、大きな組織を形成した

・【親子】単系出自
   だれが祖先か バンドを遡れる
   複数のバンドに所属するようになった自分たちを、より大きな一個の集団の部分であると認識できる。
【夫婦】婚姻 女性の交換
   「交換」だから → 特定の集団が突出しない
・支配の不在
   影響力のある人物はいても強制力は持たない。
   説得止まり。気に入らな出てく。

2.有力者から支配者へ

首長制

なんらかの制度的保障に基づいた支配権力を持ち、特定の小集団が優越し、その小集団を代表する個人が首長として大集団の全体を束ねるような組織形態

・支配の発生
   支配権力の機能 ← 制度的保障必須
   説得から支配へ
・より多層的な階層制の発達
余剰生産物 → 政治・専門技術者等を生む 
   役割の発生 仕事の分担 → 相互依存が強まる
・財物の交換の体系化 
   再分配経済
    ↓
大集団化が可能に!
   いろんなタイプの集団を組み込めるようになった。
   しくみがしっかりしてればこういうのが可能になるらしい。

国家誕生

政府の成立
   社会の統御 
都市の形成
   支配の拠点
構成員の多様化
   職能の細分化 階層の多元化

大規模な集団の指導者が首長と呼ばれるか王と呼ばれるかは、個々の研究者や特定地域の研究伝統に左右される場合も多い。むしろ注目すべきは、狩猟採集の時代から保たれてきた親子関係と婚姻関係という論理の拡張から離れて、それ以外の多種多様な集団形成と構造化、統御の方法が試みられ、国家ではそれがよりいっそう確実に制度として機能するようになったという点である。(第8章第3節参照)

3.支配の正当性

暴力 → 他者に意志を強制する最も直截的な力
   暴力のみに依拠した安定支配 → ムリ
経済で支持を得る
   資源の統御による余剰生産の増大
     道路の整備 灌漑設備

血統 / 一族 リアル・非リアルバージョンあり
   天皇(万世一系)
   建国の父・国父
   ローマ教会のパーパ(父・パパス由来)など
超自然利用系 
   支配を承認されている!的なやつ
   化身 受肉
劇場国家 ?
   神々の世界を王たちが体現し、人々が生活のあるべき姿をそこに見て、それに従うことで国家が機能する  ・・・・??
・首長や王が彼らを戴く制度そのものと一体であるとする考え
   例)南スーダン・シルック王国 依り代 王殺し

支配は自他を含むより大きな集団の存続に有効であり、また支配される側の許容と了承を得られるよう自らを規制しつつ機能する行為である。支配される側もまた支配を煩わしいと捉えるとは限らず、むしろ支配されることに喜びを見出すこともしばしばある。いうまでもなく、支配必ずといってよいほどいつかは破綻し、支配への欲望と支配への抵抗は常にせめぎ合うという点で、支配は動的な関係である、そのこと自体が支配という行為の双方向性の表れでもある。

4.支配の仕組みの複雑化と多元化

⭐ バンド→部族→首長制→国家
    注)新しい形態が出てきたからって古いのが廃れるわけじゃない。
      複合することでより有効に機能する可能性も。

つまり、新しい支配の仕組みの出現は、新しい状況の出現に対応したものであり、それはヒトがつくる社会の新しい可能性が増えたことであって、仕組みが交代したのではなく、多様になったと考えるのが適切なのである。


【引用文献】

【もっと学びたい人のために】

↑ たっっか・・・!!

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