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【放送大学/まとめノート】総合人類学としてのヒト学(’18)第9回 時間と空間を区切る / 赤堀雅幸教授

キーワード

言語 境界 儀礼 非日常 世界観 宗教

目標&ポイント

1.言語・時間と空間・世界の分解と再構成
2.言葉がヒトにもたらしたものと、言葉がヒトに課した制限
3.言葉の限界を乗り越えようとする試み


1.鳴くこととしゃべること

しゃべること → 鳴くことの延長
ホモ・ローケンス(話すヒト)

言語が複雑な論理を操れるのは、どんな言語でも、文が単語(形態素)に分解でき、それぞれの単語は音(音素)の組み合わせからできているという、動物の鳴き声にはない特徴のおかげである。
(中略)
「言語の二重分節性」とよばれるこの特徴のおかげで、限られた数の音から無数の単語を、更に無限に多様な文をつくりだすことができる。

文字
 語り手から言葉を切り離して保存し、物理的・時間的な距離を超えての伝達を可能にする。
 長らく支配階級・知識人層の特権
 識字が前提の近現代は人類史の中でも特殊な時代

2.世界の切り分けと再統合

考え事をする時にも言語を使う!
言語の二重分節性

言葉は単語に、単語は音素に分解されるため、言葉で何かを表現すれば、物事を一度区分した上で再び結び付けるという手順を踏まなくてはならない。まわりにいる人たちを「私たち」と「彼ら」に分け、「私たちと彼らは友達だ」と言ったり、目の前にした風景を「山」と「谷」分け、「山越え谷越えやってきた」と述べたりするのがそれである。

「言葉の区分」は忠実な区分の反映ではなく、必要に応じた取捨選択。 
自然界にない区分を言葉がつくり出すこともある。→色。時間。

ランガージュ(言語能力)
ラング(言語)
パロール(発話)

3.二項対立と料理の三角形

二項対立 → 男と女、生と死、善と悪
  単純で使いやすい対比
象徴的二元論・象徴的二分法 → 対等✕
  男は理性的、女は感情的 
三角形(レヴィ=ストロース)
  三項対立
  料理の三角形 
   1.「生もの」(そのままのもの)
   2.「火にかけたもの」(文化)
   3.「腐ったもの」(自然)
      ↓
  「プラス」「マイナス」「ゼロ」

リーチによれば「あらゆる種類の人間が、あらゆる種類の社会状況において、絶えずこの問題に対処しなければならない」ものだという。

「聖」「邪」「俗」
「ハレ(恵み)」「ハレ(禍い)」「ケ(普通の日)」

4.境界と通過儀礼

通過儀礼
 ヒトが人生の途上で行う様々な儀礼(人生儀礼)や、何らかの集団に加わる際に行う儀礼(加入儀礼)を一括してこういう。
 境目の演出

私たちは言語を使って人の一生を子どもから大人へ、壮年から老年へと段階的に進むものに加工し、現実の人生が、言葉が表すような段階的なものになるために儀礼を積み重ねる。

 特別な意味
  「境界的」「周縁的」「媒介的」
 トリックスター

5.世界観と宗教

世界観
 世界のありようとその中での自分の立ち位置を言語や図解によって表したものを世界観と呼ぶ。

※ここはまとめよりもテキスト読むほうがいい。面白いのでガッツリ付箋を貼っておく。
 「宗教の復権」「神の復讐」
 非言語的認知能力への関心が高まる
   共感・洞察・確信

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