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『Audible スピリチュアルズ 「わたし」の謎』2

※本の内容よか、個人的な話がメインです。ご注意ください。


昨日も書いたけど、今日も書く。

この本、本当に全編面白いんだけど、今回はその中からふたつほど。

1.同調圧力によって視覚が変容する

ソロモン・アッシュの同調実験(1956)
(※詳しい実験内容はWikipedia参照!)
はしょって結論だけ書くと「やっぱりみんな同調しがちになっちゃう」ことが判明。

実験は18回繰り返され、その結果、全回答の37%で真の被験者がサクラ役の間違った回答に同調することがわかった。被験者ごとの分析では、被験者の約3/4が少なくとも1回の同調行動をし、全く同調しない被験者は約1/4だった。一方、すべての回答で同調する被験者はいなかった。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

どうしてこんなことが起きるのか。
『被験者は正解がわかっていながら他の全員が別の選択肢を選んだことで不安になり、間違っていると知りつつ思わず同じ答えを口にしてしまったのではないか』・・・・と、普通は考える。

が、しかし。

2005年、神経科学者のグレゴリー・バーンズがfMRIを用いて行った実験でエライことがわかってしまった!のだそう。

磁気共鳴機能画像法(functional magnetic resonance imaging, fMRI
MRI装置を使って無害に脳活動を調べる方法

ネット調べ

なんと、同調圧力は人間の視覚に影響を及ぼすよーなのだ。

バーンズは被験者が間違っていることを知りながら誤答したとしたら、意思決定を司る扁桃皮質が活発化するはずだと考えた。だがfMRIでは同調圧力を加えられたときに活発化したのは視空間認知に関わる部分だった。このことは集団によるプレッシャーを受けると 視覚の認知そのものが変化することを示している。アッシュの実験の被験者は間違っていると知りながら仲間外れを恐れて誤答したのではなく、同調圧力によって視覚が変容し線の長さが同じに見えたのでそのように答えただけだったのだ。

んなバカな、これ本当!?・・・と思ったけれど、私は自分の身に起きた『ある出来事』を思い出して無言になった。(それはまたのちほど)

2.ステレオタイプ脅威

ステレオタイプ脅威(ステレオタイプきょうい、: Stereotype threat)とは、自分が属する社会集団についての悪いステレオタイプを意識しすぎることで、実際にパフォーマンスが低下してしまう現象である[1][2][3][4][5][6]。例えば、女子学生や黒人学生に「女性は数学が苦手」「黒人は白人より知的能力が低い」というステレオタイプを意識させると、意識させない学生よりも点数が低くなることが実験により証明されている[2]

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

『PART5 同調性』の章で、ポイポイっと続けざまに紹介されたこのふたつのエピソードを聞いて、私は遠い昔の、我が身におこった謎のパニック障害?を思い出しました。

高校時代の話です。

ある時、私は突然、数学のテストを解けなくなった。
テスト用紙を目の前にすると頭に霞がかかり、シャーペン握ったままフリーズしてしまうという症状が頻発しはじめたのだ。
なぜっっ!?と思った。だけど理由はわからない。

それが具体的にどんなだったかというとーーー
問題用紙左上の1-1、あの最も簡単で短い計算問題を目にした瞬間からフリーズがスタートする。頭の中で何度も何度も式を読み上げてみるが、次に何をすればいいのかを思い出せないのだ。字は読めるのに解き方がわからなくなる。

当然成績はガタ落ち(12点とかですヨ(^^ゞ)。
私は受験戦争から脱落し、その後3年ほどドロップアウトした。
こうなるともう正規の『ふつう』コースには戻れない。私の人生はここで一度ジ・エンドしている。

当時はなぜこんなことになってるのか全くわからなかった。
自分におかしなことがおきているということにだけは気がついていたのだが対処法がわからない。親に隠れてカウンセリングにも行ってみたけど性に合わなくて2回でやめた。
この後私は、結構長々と人生の袋小路を彷徨うハメになる。しかし結婚を機に人生が好転。女には結婚というセーフティネットがあるのだ。ありがたし! そして夫、死ぬまで感謝します。ありがとう。

で、今思うに。

教育虐待系毒父(高校数学教師)による罵声と呪いの言葉の数々(おちこぼれとかおちこぼれとかおちこぼれとか・・・)がステレオタイプ的脅威を引き起こしていたであろうことはまず間違いないし、この脅威の延長線上で発生していたのが例のテストパニックなのだろう・・・・と。
普通に考えるとこうなります。
そうそう、当時は「頭に霧が・・・」と思っていたアレ。「霧がかかっていた場所、実は目だったかもしれない説」出てきてる・・・・なんてことも考えた。これも今となっては確かめようがありませんが。

ちなみにヘタレの私とは違い、妹は早くから本州脱出を狙って北の果ての大学を目指して頑張っていました。模試では常にA判定が出ていたので、皆、安パイとばかり思っていたのですがーーーなんと彼女、センターで失敗した。しかも数学で。

呪いだな、と思う。脳科学的な。

このひとつ前に読んだ本で橘先生は、

子供の人格や能力才能の形成に子育てはほとんど関係ない。

とおっしゃっていた。
子供が持って生まれた能力以上のプラスを親が積んであげることは難しいのかもしれない。
が、マイナスを生まないように気をつけることはできる。
親の存在が子供に害を成すものであってはならない。親にできることは子供の人生の邪魔をしないことだ。


132/200 2024.5.15.

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