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【放送大学/まとめノート】総合人類学としてのヒト学(’18)第6回 食べものをつくりだす技と場
キーワード
焼畑 水田 在来知 環境制約
目標&ポイント
現代農業と在来農耕のちがい
1.はじめに
在来農耕とは
・現代農業成立以前の農業
・植え付けや収穫は人間が管理するが、作物の成長は自然生態系サービスに依存
・自然についての広範な知識必要
・他の食糧獲得行動(狩猟採集・家畜飼育・漁労等)と一緒に複合的なシステムを構成していることが多い
自然生態系サービス
大気の管理 物質循環 水の供給など
↑
在来農耕では利用の度合いが大きい
2.焼畑農耕
2-1 耕作の手順
焼畑農耕とは
二次林または自然林を伐採し、そこに火入れをすることによって作物を栽培する空間を作り出す農耕の一つの形態。伐採した樹木や下生えの草本を燃やすことによって肥沃な畑をつくりだし、休耕期間を取ることで生態系サービスを利用した地力の回復が可能となる。
2-2 焼畑のバリエーション
焼畑農耕2分類
根菜型焼畑農耕
東南アジア熱帯降雨林
栄養繁殖型作物(タロイモ・ヤムイモ・バナナ・サトウキビ)
雑穀栽培型焼畑農耕
アフリカ~インドにかけてのサバンナ地域が起源
乾燥した灌木林のある地域に多い
種子作物(シコクビエ・モロコシ・アワ・キビ)
油脂作物(ゴマ等)が随伴
2-3 ほかの生業との複合
攪乱とは
台風等の自然の力や人間の活動による生態系の構造変化を指す用語
過度な攪乱 ✕
生物種やバイオマス(生物量)が減少
適度な攪乱 〇
生物多様性の維持によい効果あり
2-4 狩猟・採集の場としての焼畑
焼畑は、作物の栽培だけでなく、野生動物の最終・狩猟の場としても機能する複合的生業の場。
3.水田耕作
水田耕作 → 稲栽培の場であると同時に、漁撈、養殖、採集、稲以外の作物栽培の場でもあった。農薬が登場するまでは。
4.在来知のあり方
焼畑農耕・水田耕作 ← 在来知に裏打ち
在来知
人から人へ伝播
経験の積み重ねによる上書き
集団内で共有されるコアな領域と、その周辺に存在する個人レベルの大きな領域がある。
5.農耕の現代化で人類が失ったもの
1.在来知によって行われる農耕の持つ複合性
複合的農耕においては可能であったたんぱく質やビタミンを多く含む食品は、現代農耕ではその農耕とは切り離して生産されるべきものとなった。
2.在来知
在来農耕の消滅とともに消える。
再評価の可能性。