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【放送大学/まとめノート】総合人類学としてのヒト学(’18)第11回 もののやりとりと社会関係
キーワード
贈与 交換 約束事 互酬性 貨幣 社会関係
目標&ポイント
1.贈与に伴う約束事の確認
2.贈与→交換へ発展する仕組み
3.「市場交換」の特異性
1.ものを贈る
1-1 贈与にともなう約束事
経済的合理性 ← 現代人の行動原理ともいわれる
自分の得るものを最大に・失うものは最小に
しかし、贈与には経済的合理性がない
贈与にともなう3つの約束事(フランスの社会学者・モース)
1.贈ること
2.受け取ること
3.お返しをすること
この3つのルールが順守されることによって安定がはかられる
↑
「赤の他人であることをやめ、距離を縮める行為」(レヴィ=ストロース)
贈与は単なるものの移動ではなく、社会関係の維持に深く関わっていることがわかる。
1-2 贈与にともなう感情
贈られる側 嬉しい 負い目 「借り」
贈る側 優越感 「貸し」
モノを贈られたら次の機会にお返しをすることで、均衡が保たれる
2.ものをやりとりする
2-1 互酬性と社会的距離
互酬性とは
双方向的なモノのやりとりのこと
贈与を交換に発展させるお返しの原理のこと
相手との社会的距離感の違いによって内容が変わる
社会的距離 小 一般的互酬性 家族間・集落内の狩りの分け前等
社会的距離 中 均衡的互酬性 ベーシックなやつ 結婚祝とか
社会的距離 大 否定的互酬性 横領・詐欺・強奪・寄付等
2-2 交換と社会統合
経済学者ポランニー
交換
社会関係、感情、地位、名誉などに関係
(=経済が「社会に埋め込まれている」状態)
経済を秩序立てて社会を統合する仕組み
交換の三類型
互酬交換
再分配
市場交換
※互酬交換・再分配→当事者間に社会関係があること前提
「社会に埋め込まれている」
市場交換→社会関係必要なし 自己利益最大化だけが目的
「その度合いが低い」
※互酬交換→小規模集団・部族の社会
再分配 →王制・首長制の社会
市場交換→近代以降の社会 ・・・で、それぞれ支配的
3.ものを売買する
3-1 市場と貨幣の発明
|市場《いちば》 ものを交換することに特化した場所
|市場《しじょう》 市場がより緻密化・組織化・大規模化したもの
貨幣 交換の媒体
貨幣の機能3つ
1.支払い機能
2.貯蔵機能
3.価値尺度の機能
実物貨幣 貨幣が発明された当初に使われてたモノ
穀物・家畜・布・塩など
↓
名目貨幣 金属片・紙片
交換可能性を国が保障(してることになってる)
貨幣経済 交渉が円滑
物々交換以上に「社会に埋め込まれている」度合いが低い
↓
貨幣の発明は社会関係からヒトを切り離した
貨幣経済とりわけ「名誉貨幣」を介したそれは、人類の現前にないものぶたいする想像力を不可欠として成り立っているといえよう。
↓ が、しかし!!
3-2 「社会に埋め込まれる」貨幣経済
しかしながら近年になって、貨幣経済を前提としながらも社会関係をむしろ活性化させるための工夫がみられるようになった。
ネットショップの手書きのメッセージ
いずれの場合もそのような工夫は、生産者・販売者が消費者の関心を引き、売り上げを伸ばすことをひとつの目的としていることは確かだ。つまり彼らにとっては経済的合理性に沿った行為だと見ることができる。しかしながら、生産者・販売者もまたわずかとはいえ人格を明かしたからには、消費者を念頭に生産・販売活動に励むこともあろう。すなわち生産者・販売者と消費者の間には、ある種の社会関係の萌芽が見て取れるといえる。
⭐貨幣経済を再び社会に埋め込む工夫
地域通貨 使用の目的・方法が限定される
通常「売買の対象になりにくいものごと」や「感情」を売買の対象とすることができる
↓
貨幣経済活性化
社会関係の活性化
多様な効果期待可
【引用文献】
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