見出し画像

今日のお昼はパスタな気分

パソコンで調べものをしていると、ぎゅるるるると盛大にお腹が鳴り響いた。

…ここが外の人のいる静かな空間でなくて良かった。

あまりにも大きな腹鳴りに自分でもびっくりした。

時計を見ると13時を過ぎたところだった。

母親の声がする。

「いい時間やね、お昼どうしよっか?」



冷蔵庫を漁る。

今日はご飯は炊いてないしお冷も無い。

昨日のお昼は野菜たっぷり全粒粉入りの塩ラーメンだったからラーメンもパス。

うどん玉があるから焼うどんか、パスタかなー。

なんて思いながらお気に入りの長年愛用し過ぎてくたくたになったレシピ本を本棚から何冊か引っ張り出してぱらぱらめくる。

ふと目に止まったのが「キャベツとひき肉の温玉パスタ」

炒められたパスタとキャベツの上に甘辛く味付けされたひき肉と温玉が乗っている。

最近はナポリタンやトマトソース系、クリーム系をよくしていたからそれらの味は少々飽きてきていた。

美味しそう………よし、今日はこれにしよう。

思ったより早くお昼が決まって少し上機嫌でキッチンに向かう。

とりあえずパスタを茹でるお湯を沸かそう。

少し深手の鍋に水を張りながら頭では作り方を順序立てていた。

…このあとちょっとした不幸に見舞われるともしれずに。



いつもパスタを茹でる時は家にある一番大きな鍋を使うのだが、今日は違った。

レシピにはパスタを茹でた後、フライパンで炒めるとあった。

ひき肉を炒めるのに小さいフライパンを使って、パスタ用のお湯に大きな鍋も使って、更にフライパンも使うのはちょっと面倒に思った。

そこで思いついたのが、フライパンよりちょっと深めの鍋でパスタを茹でて、ザルにあげてから同じフライパンで炒めようという作戦。

これなら1つ鍋を減らせて洗い物が減る。

そして早速水を入れて火にかけようとコンロへ持って行って置こうとした。

が、バランスを崩してコンロに少し水をぶちまけてしまった。

「あっ」

と、気付けばコンロは水浸し。

最初はティッシュで水気を取るも量が多かったのですぐに雑巾を取りに行って拭いた。

拭いてる最中、近くに置いていた猫のカリカリのお皿も少し蹴ってしまい、少しこぼれてしまった。

やばい、ちょっと厄日かな、今日…。

なんとか拭き取って、さてコンロのスイッチをポチッ。

チチチチチ、と音はするけど火は着かない。

…おっとぉ???

拭ききったつもりが隙間にまだ水分が残ってるのかと思い、ティッシュで丁寧にもう1回拭き取った。

やっぱりちょっとまだ隙間に水分が残っていたようでティッシュに浸みてきた。

それでもまだ火は着かなかったので更にもう1回拭き取ったらやっと火が着いた。

…あー、びっくりした…なんとかついて良かった。



そんな自分で撒いたトラブルを回収しつつなんとかお昼ごはんを作り始める。

パスタとは別にやかんでもお湯を沸かす。

ところで急に話は変わるけど、最近の百均はすごい。

お湯を注いで10分待つだけで温玉が出来る容器が百均で売っていて思わず買ってしまった。

これが中々使い勝手が良い。

白身はとろっと、黄身も全然火が通っていないのでとろとろで良い塩梅の温玉が出来る。

しかもお湯を入れて放置しておくだけで気付いたら出来ている。

容器の下に小さな穴が開いていて、そこからゆっくりゆっくりお湯が抜けていくので、放置し過ぎて固くなり過ぎることもない。

1回で2個作れるので、母親と二人でご飯をする時に特に重宝する。

そしてこれが100円ちょっと。

いやー、すごいですわ。

っと、脱線した。


お湯が沸くのを待ちながら、キャベツをザクザク一口サイズに切る。

芯の部分は薄切りにておく。

キャベツが切り終わる頃に温玉用のお湯が沸いたので容器に注いで卵を投入。蓋をしてしばし放置。

パスタ用のお湯はまだ沸かないので、ひき肉を炒める。

すぐに欲しい量だけ使えるので、うちでは冷凍のパラパラのひき肉を使用。

それを油を引かずにフライパンへ投入。

じゅーじゅーと焼ける音がとても美味しそう。

ひき肉を炒めているとお湯が沸いたので塩を入れて、2人分のパスタを半分に折って投入する。

最近気付いたけど、半分にすることで食べやすくなるし(いつもフォークに巻きつけ過ぎて特大サイズの一口になる)、茹でるのに大きな鍋を使わなくても良くなった。

キャベツの芯も一緒に入れて湯がいておく。

タイマーをセットして、少し経ってから残りのキャベツも投入しておく。

パスタを鍋に入れた頃にひき肉もいい感じに炒まってきていた。

そこにしょうゆ、お酒、みりん、砂糖を入れて味付け。

甘辛いにおいが何とも美味しそうに鼻孔をくすぐる。

さて、ここでレシピを見直すと、パスタは茹でた後にオリーブオイルを引いたフライパンにおろしにんにくとしょうがを炒めたところに茹で汁少々と共に炒め塩コショウで味付け、とあった。

でもキャベツはもう一緒に湯がいてるので、更に油を使うより(オリーブオイルなのでサラダ油よりは良いけど)、食べる時各自で黒胡椒と岩塩をかけようということにした。

ぴぴぴぴっとタイマーが鳴る。

パスタを1本取って食べて茹で具合を確認する。

…うん、良き塩梅。うっすら塩気もついていたので、味付けも心配せずによさそうだ。

シンクに大きめのザルを用意してパスタとキャベツをあげる。

ほわほわとあがる白い湯気。

ざっざっと軽くお湯を切って、トングを使ってお皿に盛りつける。

パスタが盛れたら次はひき肉を大きなスプーンですくって乗せる。

そして中央を少し窪ませておく。


さてここで最後のひと仕上げ。

温玉の容器を見るとお湯はもう全部抜けていた。

小さな少し深さのある器を出して、そこに温玉を割る。

表面がとても熱いので少し水で冷やしてから、とんとんぱかっと割る。

一度別の器に出すのは、もし殻が入った時にわかるようにしている。

無事綺麗に割れたら、先程窪ませておいたところにそっと温玉を置く。

上手くパスタの真ん中に鎮座してくれた。

たまに失敗すると横道にそれて端の方に落ちてしまう。

温玉はやわやわで下手に触るとすぐに黄身が割れてしまうので、上手く乗せられると嬉しくなる。

とんとんぱかっ。

リズミカルに更にもう1つ割って、盛り付ける。

さて、トラブルから始まった昼食作りがやっと終わって、いざ食卓へ。




こぽぽぽぽ、と朝方作った麦茶を注ぐ。

麦茶といえば夏をイメージするけど、うちでは年がら年中冷えた麦茶である。

なんで麦茶なのか知らないけれど、そういえば母方の祖母の家でも麦茶がいつもあった。

習慣だろうか…

あったかいお茶が飲みたかったら各自で緑茶を淹れることになっている。

もっともたまに食べるあんこが入った甘~い和菓子のお供に飲むくらいだけど。

もしくは母親がお茶漬けにする時くらい。

私?お茶漬けはお湯派です。あとお漬物か佃煮があれば最高。


話題緩急。

母親と二人横並びに座って手を合わせる。

ぽん、っと。

「いただきます」


まずはじめに黒胡椒と岩塩をガリゴリとパスタにかける。

さっき手順を少し省いた分をここで帳尻合わせに。

まずは一口、甘辛いひき肉とキャベツをパスタを一緒にフォークに巻いて口に放り込む。

じゅわっと広がるひき肉の旨みと食欲をそそる甘辛い味がシャキシャキキャベツとアルデンテパスタによく絡まって美味しい…

駄目だ、食レポしたかったのに上手い表現が見つからない…

あ~、ひき肉うまー…味付け丁度良い…あ、これご飯に乗せても止まらんやつ…キャベツがまたさっぱりしてるからよく合う…

もっきゅもっきゅ幸せの味を噛みしめながら2.3口そのまま堪能した。

さて。

さてさてさて。

ここで終わらないのがこのパスタの醍醐味、温玉!

温玉1つ乗ってるだけでちょっと豪華に見えるのなんだろう…

少しそわそわしながらフォークですっと温玉に切れ目を入れる。

中から鮮やかな黄色がとろっ…と溢れ出る。

白身を伝ってキャベツやパスタに黄身が広がっていくのを見るだけでテンションがあがる…

黄身と白身をまとわせてパスタをぱくっと一口。

っ~~~~~あ~、しあわせの味がする~~~~

なけなしの語彙力は溶けて蒸発した。

とろっと濃厚な黄身がひき肉の甘辛さを包み込んでマイルドになって美味。

温玉がパスタとキャベツとひき肉を絡めてくれて食べやすいし、組み合わせがベスト過ぎる。

美味しくうまうまと幸せを口いっぱいに頬張りながら食べる。

着実に減るお皿の中を少し寂しく思いながら、またいつか作ろうと思う。

美味しいものを美味しく食べられる幸せを噛みしめながら、

「ごちそうさまでした!」



はちゃめちゃながらも結構美味しく出来たので何かに書いとこう~、と思ってなんとなしにnoteを開いて書き始めたら思いのほか長くなってびっくり。

こういう日もいいな、っと思いながら

ここまで読んでいただきありがとうございました!





















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?