この頃のこと
9月も後半となり、つい1、2週間前までは真夏日の更新やら、10月まで暑いやらなんやら騒いでいたのに雨が降り、その後気温も湿度も下がりすっかり季節は秋になってしまった。
自分は昔から嗅覚が鋭く、今年の初めにコロナに感染し軽い嗅覚障害にかかった後の今でも匂いで季節やら天気やらを感じることがある。
天気は雨の日の匂いみたいなやつを嗅いだことのある人がまあまあいるだろう。だが自分にとって季節の匂いというものは、具体的には言い表せない雰囲気みたいなものである。
自分はこう気温が下がって肌寒い季節になると『冬』っていう匂い、もう少しだけ頑張って具体的にいうと年末年始のあの雰囲気の感じが嗅覚を通って伝わってくる。それがなかなかなんとも言えない気分にさせる。今年ももう終わりかなあみたいなセンチメンタルな気分やあったかい食べ物が食べたい!みかん食べたい!という今までの冬の思い出を振り返って待ち遠しくなるような気分が押し寄せる。
季節の匂いの話から逸れていってしまうが、
みかんのことを書いて思い出した。つい最近、早生のみかんを食べた。
その時の皮を剥いたときにほわんと香ったみかん!!という匂いもまた冬の情景を思い出させる。みかんなんて2月くらいから久しく食べていなかったというか食べられなかったわけで1年も経っていないのにとても懐かしい気分を掻き立てられる。年末によくひく風邪のときに食べたみかん。年末の特番を見ながらバクバク頬張ったみかん。なんか喉乾いたからお茶がわりに食べた(というかほぼ飲んだ)みかん。みかん一つだけでたくさんの思い出がよみがえる。
ここまで書いてきてまた思ったことがある。
自分は嗅覚が鋭いというよりかは匂いから情景を思い浮かべるのが得意、というか好きなのだと思う。日常の細かなことから去年はこんなことあったよなとか振り返ってみたり、匂いでもなんでもいいがちょっとのことで妄想したり空想のことを考えたりするといい暇つぶしになって面白いかもしれない。
今年の冬はどんなことが起こるかという謎の期待のようなものや今年ももう終わってしまうのか、、、という早すぎる振り返りの感傷的な気分を抱くこの頃のこと。