【随筆/まくらのそうし】 松葉酒
松葉を漬けた酒ならば、待ちきれず、十日ほどで味見する。
薬効あらたかな酒と聞けば、成程、ジンのような、ウゾのような、あるいはズブロッカといったような、薬酒の香りが好ましい。
味もかなり良いもので、これが初回、ホワイトリカーで漬けてはみたが、好みの焼酎などを使えば、より美味くはなりそうだ。
ところで、この松の酒、針のようなその葉を刻み、漬けたものだが、よくよく見れば酒の中、松葉がまるで茶柱のよう、何とも縁起が良さそうである。
この松葉を一枚二枚と瓶に入れ、松の薬酒を注いだならば、これは人の欲しがろうが、金の欲しさに国というもの、酒を作り分けてはいけないと、人の権利を奪うもの、そんないまに生まれれば、酒の文化の豊かさなどは誰も知らないものである。
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