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【エッセイ】 みのむしのかくれみの

 昔は蓑を剥ぎ、折り紙をちぎった箱に入れ、折り紙の蓑を作る虫と、気軽に試したものであるが、近頃はその虫の少ないらしい、悪しことである。

 それでも山は別世界、蓑虫のそこらに付くもので、一番好みは小枝を集め、蓑に作るものである。

 小枝の蓑は、まさに木の家、どんな建築家よりも芸術的で、小枝もおあつらえ向きの、短いものはないと思えば、恐らく虫が先を囓り、集めているのだろうと、まったく驚嘆すべきことである。

 人間がその虫とすれば、小枝は腕ほどの太さ、長さで、そんな枝を何十も集め、囓り、加工し、くっつけていく、そう思えば面白いことこの上ない。

 ユスラウメの枝の先、小枝の蓑がくっつけば、それは素晴らしい隠れ蓑、鳥もきっと気づかない。

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