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貧乏芸人の発明した卵かけご飯。
売れない芸人は、当たり前だが金がない。
それでもライブに出るため家賃が高い都内で生きていかねばならないのだ。
そうなってくると食費はできるだけ削りたい。
幸運にも、貧乏な自分を心配して地元にいる親や友達がたまに米を送ってくれている。
そのおかげでとにかく米を食べていれば飢えることはないのである。
とはいえ流石の自分も米だけで食べるのは厳しいので、コスパの良いご飯のお供が必要だ。
栄養素も考えると食べるのは大体、納豆ご飯か卵かけご飯の2択になった。
納豆は業務スーパーに行けば3パックで60円ほどで買えるし、卵も値段が上がったとは言え10個入り200円くらいで売っているスーパーもある。
どちらも一食あたり20円ほどで米を食らうことができるのだ。
しばらくそんな生活を続けていたが、流石にオーソドックスな納豆と卵は飽きてきた。
どうしたものかと試行錯誤し、俺はようやく最高の卵かけご飯に辿り着いた。
暗い日常に光をもたらしてくれたそんな存在。
それが、すき焼き風卵かけご飯である。
調理はかなりシンプルだ。
まずは、冷蔵庫からすき焼きのタレを取り出す。
すき焼きなんてそう頻繁にするものではないので、使いきれなかったタレは残りやすいだろう。
俺も最後にすき焼きをした記憶は一年くらい前のはずだが、まだ冷蔵庫に残っていた。
賞味期限は後3ヶ月ほどだ。
それを消費できるという意味でもオススメということにします。
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そしてこれをフライパンに入れ、ちょっとだけ水で薄める。
目分量ではあるが、だいたいタレ3水1くらいの比率でやっている。
俺は味が濃ければ濃いほど美味しいと思っている人間なので、薄めが好きな人はもう少し薄めても良いかも。
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強火で温めながら卵を投入。
今回は2個入れた。
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グツグツと煮込むような形で卵を温めていく。
スプーンを用意し、タレを掬って卵にかけていくと味が染み込んで美味しくなる。
ちなみに俺が使っているスプーンは『まいばすけっと』で無料で貰えるスプーンだ。
レジ横に箸、スプーン、フォークがご自由にお取りくださいシステムになっているのでめっちゃ助かる。
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そうやって温めていると、表面に白い膜が張ってくる。
とろとろの目玉焼きが好きなタイプの人は、ここで温めるのを終えても良い。
俺は『黄身が崩れないけどトロっとしている半熟』が好きなのでもう少し温めた。
時間は好みで各々調節しよう。
火を止めて、タレごとお米の上に載せたら完成だ。
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米が多すぎてこれだけの卵では足りないのではないかと思った方もいるだろうが、安心してほしい。
この料理の良いところは、すき焼きのタレが美味すぎてタレが染み込んだご飯だけでもバクバクいけるところなのだ。
卵を割ってみると、良い感じの半熟具合。
俺はプロなので時間を測らなくてもこのような半熟具合にできるのである。
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タレと卵の相性も抜群である。
何故ならすき焼きを食う時、肉に卵をつけて食べるからだ。
つまり、すき焼きのタレは卵につけられるのを前提とした味になっているのだ。
これではまるで本当のすき焼きだ。
めちゃくちゃご飯が進んでいく。
そこからは何も覚えていない。
気づけば、丼の中には何もなかった。
どうやらあまりの美味しさに気を失っていたようだ。
卵2つとすき焼きのタレだけでこんなに美味いご飯ができるなんて。
これはとんでもない発明だろう。
日本人で次にノーベル賞を受賞するのはこの俺なのかもしれない。
貧乏な芸人も、貧乏じゃない社会人も是非試してほしいすき焼き風卵かけご飯でした。
おしまい。