やっぱり紙の本が好き
2年前、愛犬コーディが天に旅立ったのを機に、身辺整理を兼ね、本棚の整理をし、多くの本を古本屋に持って行った。
子供の頃から、大の本好きな私は、活字中毒と言っていいほどに本を読んでいた。それも雑食。電車を待つ間、電車に乗っている間もずっと読み続け、集中し過ぎて、駅を乗り越すことも多々。(汗)
お風呂に浸かりながら読むのが至福と思っていたので、図書館利用はせず、購入した本を読んでいた。
そんな私が心機一転、本を手放すことにした。
世はクラウドの時代。私もそろそろ今風にデジタル本にしようと決めた。きっと、デジタル本の方がもっと自由だ。好きな時にネット購入し、スペースを取ることもなく、旅先でも何冊も読める。(それまでは、何の本を持っていくかで悩んでいた。)
kindleを手に入れた。読み放題に登録した。
すると、読みたい本じゃなく、読み放題に上がってくる本の中から選ぶようになった。読みたい本を検索しても、それが読み放題リストのものじゃないと、買うのが勿体無い気がするというケチな性格が邪魔をするらしい。
そして、気づくと、本を読むより、youtubeを観る時間が長くなっていた。
自分でもどうしてなのか分からない。でも、本を前ほど渇望しなくなっていた。
📕📗📘📙
先日、ある絵本作家の本を読みたくて、近所のNY公立図書館に足を踏み入れた。残念乍ら、目的の絵本は貸し出し中だったが、子供本コーナーをウロウロしていたら日本語の表紙が目に入ってきた。吸い寄せられるように本棚に向かう。
”ざんねんな いきもの事典”
あ、これはっ!!読んでみたかったやつだっ!
すかさず、手に取る。その後、係員に大人用の日本語の本も置いてあると聞き、3階へ。ふたつの本棚に並んだ日本語の表紙の本達が私を待っていた。
あー、これがあるんだー。漫画もあるじゃん。へー、これも読んでもいいかな。
と、興奮が止まらない。
結局、6冊ほど選んで、1階の貸し出しカウンターに持っていく。持って行きながら、もう、次借りる本も決めている。
カウンターで手続きを終え、ずっしりと重みを感じながら、帰路につく。
本を抱えながら、ワクワクしている自分に気づく。
何から読もうかな?
あれにしようか、これにしようか、頭の中で迷うのが楽しい。
テーブルにドスンと置いて、早速、1冊目を手に取って、ページを捲る。
ううう、楽しい。
何だろう?この楽しさは。
何だろう?デジタル本では湧かないこの感情?感覚は?
私が昭和生まれで、紙の本に幼少期から馴染んだ世代だから、やっぱり紙の本の方が良いと感じるだろうか?
それとも、、、
本って、ただ文字を追えれば良い作業じゃないのかもしれない。
手に取る重み。
指でページを捲る時の感覚。
読み進めるにつれ、厚みが左手から右手に移動し、最後、数ページの薄さになった時の何とも言えない寂しさ。
はやく次が読みたいという気持ちと、もう読み終わっちゃうというせめぎ合いが、紙の本上で繰り広げられる感覚。
うまく言えないが、紙の本を読むって、一種の体験なのかもしれない。
デジタル本は間違いなく便利だ。自由でもある。
でも、、、、でもね、
私はやっぱり、紙の本が大好きだ!