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10月[呪文探し][二郎巡り][Back in Bahia]

10月、ライブが2本続けてあった。その間に出会ったものや、感動したもの多々。タタタと書いてみる。

呪文探し

折坂悠太さんの「呪文」というアルバム。全編通して聞いてみたらとんでもなく素晴らしい。これは音源を買いに行かなければならないと思った。Amazonでポチッと買うのではない。失礼だ。こちらから店舗に迎えに行かねばならない。久々にCDを買いに行くのに心が躍った。(この辺は変な感覚で申し訳ない)全国の感度の高い音楽好きはいつもこんな感じでリリースを心待ちにしているのかもしれないと思うと世界は明るくなる。

翌日、仕事前に吉祥寺のディスクユニオン。しかし探したもの見つけることができない。店員に聞けば見つかったのかもしれない。ジャパニーズCDの棚を新譜も中古も2周くらい探したけどやっぱりない。今の店舗状況では出たばっかりの新譜しか置いてないのかもしれない。注文は違うと思って諦めた。
「ないなぁ」と探すことから意識を解いたところ、歌の上手いアーティストが流れている。声にリバーブ多めで店内に、うっとりと聴いてしまった。美しい。「ビ、、ビーサン?」違うか。言葉の選び方が少し違う。「でもいい。ん?」聞いたことある歌?カバー?誰だ?グーグルに聴かせて調べてみる。はい!【吉田悠樹 ROAM】!最高。こんな出会いは最高だと思い吉田くんの「ROAM」も買おうとしたが、新譜も中古コーナーにも見つからなかった。吉祥寺ユニオン店員の選曲だと思うが、、店員に「かけてるセンス最高ですね」と言いたかった。

吉田悠樹 ROAM

吉祥寺ユニオンといえば、昔はロフトの前の2階でだだっ広いフロアで楽しかった。【三輪二郎と今から山登り】のポスターとかド〜ンと貼ってて「こんな人がいるのか!」と思ったものだ。体育座りしてた三輪二郎さん。あれはもう20年くらい前かもしれない。今ではユニオンも小さくなって今のパルコの地下に移転した。時代の流れだ。タワレコも随分前に吉祥寺から無くなってしまってしまって「ああ。時代が変わっていくのね」と思ってしまった。街もガンガン変わる。渋谷のタワレコだけは、堂々とでっかいタワーのまま健在していて、個人的に【バックトゥーザ・フューチャー】のビフの建物って感じで嬉しい限りだ。調べたらイメージと違ったけど。

biffの建物

タワレコのビルも久々に行ってみたら「ア、、アニメ?」「ア、、アイドル?」フロア全体が丸ごと専門になっていた。レゲエとかブルースとかは端っこに追いやられていて、需要が変化している世相を現していた。新宿のタワレコも随分お世話になった。試聴して「いい!」と思った知らないアーティストとかを購入したり、ジャケ買いしたりしたあの頃。行ったり来たりして何を買うのがベストか試聴しては悩んでいたものだ。当時、一緒に住んでた伴瀬さんが太陽肛門スパパーンの「馬と人間」をジャケ買いして帰って聴かせてくれて、とんでもなくビックリして感動したのを思いだす。すぐにライブに行った。「よくジャケと後の少ない曲名だけで買ったね」と伝えると、「なんかよくない?」と、、流石だと思った。そんな匂いを嗅ぎ当てるのも、失敗するのも楽しみであった。そのおかげで、ジャケットから滲み出るミュージシャンのパーソナリティーを当てるのも上手くなったと思う。そこを埋めるのは数々の失敗と経験があってのことだ。今ではもっと解像度が上がっていると思う。ただお金を出すのはだいぶ渋くなった。かっこいいから買うのではない。「買わなきゃいられない!」という熱量が私を購買に向かわせるのだ。これは他人にも少し当てはまる。どんなお金を持っていても必要ないものは買わないだろう。先日四日市でライブをした時に、「じゃ、これ全部買います」と大人買いしてくれた方がいた。「え?マジですか」と理由を聞いたら「頑張っているアーティストは応援したい。応援するのは制作物を買うことだから」と涙が出るような話をしてくださった。人のいい私は、全部を売るのは憚られて、何枚かオマケした。優しくされると優しくしてしまう。商売向いてないかもしれない。話がだいぶ脱線してしまった。結局吉祥寺のユニオンに「呪文」はなかったのだ。他の店舗で探して買いに行く時間もなかったので、電車でポチッと買った。

二郎巡り

夜遅くまで仕事をしていると、「うお〜今日は頑張った」と思うことがある。自分へのご褒美は、あれしかない。ラーメン二郎だ。二郎系ではない。家系でもない。ラーメン二郎だ。少なくともその冠があるところに行く。ぐるっと遠回りして、お気に入りの二郎仙川に向かう。20時40分。「ま、、間に合った。良かった」並びは10人くらい。これなら30分もすれば食べれるだろう。もう、晩御飯を我慢して、17時くらいから「二郎、二郎」と思いを体の中で充満させていたのだ。並んでいて、あ、食券が先かと、並び5分後くらいに食券を買おうとしたら「ごめんなさ〜い。今日売り切れなんです〜」と言われた。「まじか〜」となってすぐに電車に飛び乗り、府中店へ。府中は22時までやってる。足を運ばせ府中に向かう。グデグデに酔っ払ったスナック帰りのおじさんとママらしき人を横目に見ながら到着、20人くらい並んでいた。「あ。こりゃ1時間コースだ」諦めて帰った。府中二郎に1時間は待てない。この辺はそれぞれの尺度があるだろうからなんとも言えないが。

Back in Bahia

先日、とあるレコーディングをした。コンピレーションのためのレコーディングで1曲。呼んでいただいて嬉しい。

今までの黒岡トリオ、カルテットの録音は「一瞬をそのまま詰め込む。後から編集はしない。その時その関係性を瞬間的に録音する」というテーマで行ったので、一発録りにかけていた。誰かが間違えても、そのまま録音は進む。同じ曲を何度かやって「ここかな!こんなものかな!」という到達点で録音は終了する形だった。あとで片岡さんとミックスする時、細かいところを調整したけども、、、去年の3月と6月にそんな録音の方式をとったものだから、今回は1曲ということもあり別録りすることにした。ギター、ベース、フルート、パン、そして歌を重ねる。まだライブでやったことない曲。メンバーも5日前の練習で初めて聴いた曲を録音する。新鮮でどう捉えるか、、自分もまだ歌詞が全部できてなかったけど、録音までに漕ぎ着いた。無事にメンバーの協力もあり、録音は終了。10月のカルテットツアーの後に、2日くらい休みをとって、ミックスも自分でできるだけ行った。なかなかできない完成系がそれに近づいてくるにつれ面白いと感じた。ほぼまる2日、1曲のために色々学びながら手を動かしてみる。朝ミックスしたのを聞いて、散歩して、ご飯を作って、昼にまた作業して、夜聞いて、再ミックスする。夜はyoutubeでミックスのを片っ端から学びながら、実際の自分の好きな音を探ってみる。ミックスするのが10月後半に決まっていたから、ツアーの前あたりから、音楽を聴きあさっていた。車で聞いて、出勤時に聞いて、レコードでも聞く。その流れで冒頭に書いた折坂くんの「呪文」にも行き着いたんだと、そんな流れを知る。

ツアー前、練習やら新曲やらでバタバタしている時に、ジルベルトジルが来日していたことを知った。しかも昨日目黒(東京)かよ!知ってたら絶対に行ったのに。翌日は高崎。ちょうどミックスをするために空けていた1日だった。高崎まで行こうか真剣に悩んだ。結局、バタバタしそうだったので行けなかったのだが、来るなら言ってよ!と思った。ジルベルトジル、カエターノは来日したら絶対に見たい人だ。く〜!しょうがないから、小金井のレコファンに行って、持ってないジルベルトジルのアルバムを買い漁った。手に入らないものはネットで買ったりして、急遽ジルベルトジルへの欲が高まる。

この前、購入したCDを車で聞いていたら、とんでもないギターソロ入っていたので、「ああ。こういうことだよな。音楽を封じ込めるということは」なんてミックス終わった後だったが、車を運転しながら思っていたのであった。
その曲を最後にご紹介します。ギターソロがたまらない。どういうリズム感よ!



あとは、厚海義朗さんに教えてもらったウエインショーターの「無重力を世界を観ているよ」をprimeVideoで見て感激したり、キースジャレットの魅力を星野源の「おんがくこうろん」で知ったりして、またビシビシ音源を購入する始末です。今更CDを買うことに熱を入れている。10月は買いすぎた。マイブームは「CDを買う」です。10月の最後にウンゲツィーファーを池袋に観に行ったけど、まだ言語化難しい。

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黒岡まさひろ
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