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【読書メモ】熱風KIDS(うちやましゅうぞう)【#43】

熱風KIDSは、前回の関節王がチャンピオン系だったのに対して、マガジン系です。少年マガジンスペシャルで1989年から1990年まで連載されていました。

こちらはwikipediaが充実しているので、あらすじは抜粋です。

巷を賑わす道場荒らし。その道場荒らしが神武館にもやってきたと聞きつけ、師範代の藤堂が道場荒らしこと「早坂暁」と対峙する。打撃と関節技の応酬の後、藤堂は早坂の蹴り足を捕まえ、引き倒し、足で膝関節を折りにかかるが、早坂の手が触れただけで逆に足首が折れてしまう。早坂暁は最強を謳われながらも歴史に埋もれた伝説の流派「真神(まさがみ)流」の継承者だったのだ。
早坂は更なる強さを求めるべく、日本最大の空手団体「真和会」の大会に参戦。圧倒的な強さで対戦相手を一蹴、勝ち上がっていく。真和会は他流派が大会を制すれば解散を公言していたので存続の危機に立たされてしまう。大会を観戦していた神武館館長「宇童」の計らいによって、神武館の客人として来日していた陽支五行拳の達人、李明賜との特別試合が組まれ対戦。早坂は李によって片手片足を折られるなど苦戦するが、李の右手首を切り飛ばして辛くも勝利。真和会の大会は中断される。
その後、真和会の会長空知は解散を決断。かつて香港で真神流と戦った中国武術稱派(しょうは)の総帥、稱元皇(しょう・げんこう)が中国武術の威信と過去の清算をするべく真神流を潰すために来日。これを契機に真の最強を決めるべく古流格闘術、実戦空手、中国拳法を交えたトーナメントが始まった。

Wikipedia

主人公の早坂暁が使う真神(まさがみ)流という武術は日本の武術です。真神(まさがみ)流では「気」のことを「宇」と呼びます。日本の武術なので「気」と呼ばない。設定が細かいです。技の名前は「放宇」「真空宇」「斗宇真」という感じで、「宇」という字が入っています。

この「宇」は気と同じでエネルギーとして使うのですが、かめはめ波のように気で相手を倒すようなことはありません。気を込めた手足で攻撃すると、相手を骨折させるほどの力が出ます(放宇)。また、相手の気による技を受け流して、気を吸い取った腕は枯れ木のようになって、手刀で切り落せます(真空宇)。物理的な作用はしないのですが、離れたところから相手のツボを流れる気を操作することで、相手の腕や足を破壊することができます(斗宇真)。リアルとファンタジーの絶妙な混ぜ合わせが出来ています。リアル寄りのファンタジーです。

真和会という、どう考えても極真空手がモデルの空手流派が出てきます。さらに、真神流を倒すことを目的とした神武館という流派もあり、こちらは真神流の技を盗んでいるので、宇を使った初歩的な技も使えるのですが、さらに足で生み出した力を使って密着した状態から爆発的な力を出す「迅空」という技を持っています。これは、どう考えても寸勁です。

さらに、神武館から客人として迎えられていた陽支五行拳(みょうしごぎょうけん)の李明賜や稱派の稱元皇(しょう・げんこう)など、魅力的なキャラクターもたくさん出てきます。もちろん中国武術のキャラクターは気を操ります。点穴をモデルにした技も出て来ます。

という感じで、中国武術が好きな人にはたまらないマニアックさがあります。関節王と同じく、マニアックすぎて人気が出なかったのだと思われます。古本屋に行っても、なかなか見つけることができない貴重な本ですが、中国武術が好きな人は楽しめます。

おわり


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クロネコ@太極拳から学ぶ会
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