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【読書メモ】あなたにもわかる相対性理論(茂木健一郎)【#12】
PHPサイエンス・ワールド新書というレーベル(?)を発刊するにあたっての、最初の1冊がこの本です。発行年を見てみると2009年10月2日になっていました。確か、当時、本屋で見かけて、おお!こんな理系のマニアックな出版社ができるのね。と思った記憶がありますが、読んでみるとブルーバックスほど科学的でなく、PHP文庫ほど自己啓発的でもなく、なんか微妙〜と思って一読して本棚に置いてありました。なので10年以上経っての再読です。中身はすっかり忘れていました。
あまりにざっくりした説明しか書いていないので、基本的な知識がないと、この本だけで相対性理論は分かるようになりません。タイトルにあるような、相対性理論を理解するための一般書ではないです。分かった気にはなれると思いますが、きっと他人に説明できるようにはならないです。
相対性理論の説明というよりは、アインシュタインが成功した理由について「アインシュタイン力(りょく)」という10個のキーワードを使って考察しているのがメインでした。やたらとアインシュタインは学校をドロップアウトしたとか、ロックだとか、そちらを強調して書いているので、話半分くらいに読むのが良いかと思います。
クオリアは専門用語ですけど、茂木さんは「アハ体験」とか「アインシュタイン力」とか、キャッチーなキーワードを流行らせたかったんでしょうか。
終わりの20ページくらいは、相対性理論と脳科学をくっつけようというか、茂木さんの仮説(?)のようなものが支離滅裂というか、荒唐無稽というか、思いつくままに語られていて、これは必要なの?という感じでした。10年経った今でも全く話題になっていないので、仮説は外れていたようです。
ちなみに巻末にアインシュタインが投稿した5つの論文の第2論文。いわゆるE-mc^2について書かれた論文が申し訳程度に載っていますが、これも物理を知らないと初見では分からないと思います。
一応最後に10個のアインシュタイン力を紹介しておきます。興味のある人は本書をお読みください。
1. 反発力
2. 見えないものを見る力
3. 粘り強く考える力
4. 平等力
5. ユーモア力
6. 浮世離れ力
7. 方程式力
8. 信じる力
9. 自立力
10. 友人力
終わり
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