ライダーでもサイクリストでもドライバーでもない人も、さんふらわあ端ッコスタンプラリーに挑戦したい(4)
こんにちわ、くろもあさんです。
今回はさんふらわあ端ッコスタンプラリーを通しで達成した旅の一日目の記録の後編です。ついに、タイトル通りさんふらわあに乗ります。
この旅の全体概要については『ライダーでもサイクリストでもドライバーでもない人も、さんふらわあ端ッコスタンプラリーに挑戦したい(1)』をご覧ください。
前回はこちら。
今回の記事での移動距離
だいたい、388km!
稚内ランチ
稚内は北海道の最果てではありますが、飲食店の顔ぶれは豊かで、心もお腹も満足させてくれる素敵なお店が多いのが特徴です。
わたしがリピートしているお店をいくつかご紹介してみます。
おっと、北海道の飲食店紹介なのに、みごとに海鮮がないですね。いや、大王本店さんで提供される稚内ご当地グルメのチャーメンには海鮮はいっているけど。
今回は、上記のお店に並び立つ稚内ならではの味と惚れ込んでリピートしているデノーズさんにお邪魔しました。
いただいたのは名物のスラッピージョー。
デカいです。超デカい。デノーズさんは『軽食・喫茶の店』という触れ込みですが、これは間違いなく重食です。少食の方は一人では食べ切れないでしょう。鉄板いっぱいのサイズの超巨大なハンバーガーの上にミートソースとたっぷりチーズがとろ~り。カロリー爆弾ですが、これぞ稚内の味。
なぜこれが稚内の味かというと、稚内の西側の北端に位置するノシャップにあった米軍基地(現稚内分屯地)で愛されたメニューで、そこでコックをされていた方が手掛けているから。
北海道に来たら「海鮮食べなきゃ」という強迫観念にとらわれずに、その土地ならではの味を探してみるのも楽しいですよ。
サイフォンで淹れてくれるコーヒーもおいしいです。おなかいっぱいになったあとに落ち着いたくつろぎの時間。至福です。
一点、ご注意いただきたいのですが、デノーズさんのお料理は提供までに時間がかかります。とくに、スラッピージョーは調理時間が長めです。そのため、先客が多いときはかなり待ちます。稚内はJRやバスといった公共交通機関の本数が限られるため、食事か移動のどちらかを諦めることも常に念頭に置きつつ楽しみましょう。
特急サロベツに乗ろう……と思いきや!?
北海道に来たらJR北海道の列車に乗って、試される大地に広がる雄大な大自然の中を駆け抜けつつ、大橋俊夫さんのボイスに癒やされるのも楽しみのひとつ。稚内といえば、宗谷本線。宗谷本線といえば、気動車特急の宗谷かサロベツ。キハ261系に乗れるぞ!とウキウキしながら稚内駅に戻って指定席券売機をいじってみると、おや?出てこない。まさかと思って、頭上の案内表示に目をやると……。
なんと、この日は稚内駅13時01分発のサロベツ4号の曜日運休の日だったのでした。
JR北海道ではお客様のご利用が少ない日に一部列車を運休しています。旅行当時の2023年11月は祝日を除く火、水、木曜日が運休で、この日は木曜日(愕然)
目の前の稚内駅のホームに停まっている特急宗谷として札幌駅から稚内駅までの長距離を走破したキハ261系は、お客さんを乗せることなく南稚内あたりに引き上げてしまうのでしょう。かなしい。
わっかない号
サロベツ4号が運休ということで、この日のうちに札幌経由で苫小牧まで行きたかったわたくしは、代替案として高速バスのわっかない号を利用することにしました。
サロベツ4号が稚内駅を13:01に発車するのに対し、わっかない号は稚内駅前ターミナルを13:00に出発。もう少し時間をずらしてくれたら乗り遅れのリカバリになるのにな……と常々思っていましたっけ。
が、サロベツ4号の運休日となれば話は別。この日のわっかない号の存在は、まるでカンダタに向けて垂らされた蜘蛛の糸のようにわたしの目には映りましたとも。
わっかない号は宗谷バスと北都バスの共同運行ですが、この日稚内駅前ターミナルを13時ちょうどに発車する便は宗谷バスの担当便。宗谷バスは稚内市に拠点を置くからでしょうか、稚内市がコラボしているすみっコぐらしのラッピングバスがやってきました。ぬいぐるみが座席に座ってる!かわいい!!
そして、運転手さんから乗車証明書をいただきました。
どうやら、すみっこまちコラボラッピングバスは、わたしが乗車した便の固定運用だったようです。サロベツ4号の運休から災い転じて福となす?偶然とはおそろしくもすばらしい。
なお、すみっこまちコラボラッピングバスの運行は2023年11月28日をもって終了しているようです。ご注意ください。
オロロンライン
稚内駅前バスターミナルを出発した高速バスわっかない号。その走行区間は以下の通り。
このバスは多くの区間でオロロンラインを走行します。
とくに、天塩国……留萌振興局管内の自治体の区間では日本海沿いのギリギリのラインを走るため絶景を拝むことができます。稚内発のバスであれば、進行方向右側の座席の指定がおすすめです。なお、進行方向右側の座席はひとりがけです。
はぼろ温泉サンセットプラザで休憩タイム。高速バスは乗車しているだけでけっこう身体に負担がかかります。この休憩タイムで十分に羽根を伸ばしておきたいところです。
はぼろ温泉サンセットプラザには、その名のとおり温泉があり日帰り入浴もできますが、高速バスの休憩時間内ではとても入浴はできません。しかし、休憩時間はけっこう長めに取られているので、おみやげコーナーでお買い物して、あたかも羽幌にしっかり滞在したかのような気分にひたるのがおすすめです。
休憩時間を終えて、わっかない号は再びオロロンラインを南下します。
海の向こうには離島である天売島と焼尻島を拝むことができました。オロロンラインの由来であるオロロン鳥ことウミガラスの繁殖シーズンにはぜひ訪れてみたいですね。
西海岸を走るため、夕焼けはとくにすばらしい。この光景を見るためだけでもオロロンラインを走る価値はあります。
この日は、日没のタイミングで留萌市内の市街地に入ってしまったため水平線に日が落ちる瞬間は見られませんでした。きっと、太陽が出ている時間が短くなる冬季は、稚内駅前バスターミナル13時ちょうど発のわっかない号からも日本海に沈む夕日を楽しめるのではないでしょうか。
時刻は18:45ごろ。わっかない号は札幌駅前に到着しました。大変素晴らしい車窓を楽しめましたが、やはり高速バスは体力消費が激しいですね。くたくたになりました。
ちなみに、札幌行のわっかない号は札幌駅前が終着ですが、稚内方面行きは札幌駅前を経由しません。大通バスターミナル始発となりますのでお間違えのないよう。
普通エアポート新千歳空港行
札幌駅からは、高速バスである高速とまこまい号で苫小牧西港を直接目指すこともできますが、JR北海道の列車に一度も乗車せずに北海道を離れるのもシャクなので、電車で苫小牧駅まで行き、そこからバスに乗り換えて苫小牧西港まで行くことにしました。
苫小牧行の普通に乗ってのんびり行こうとおもいきや、時間帯によっては普通はおろか特急すらぜんぜん運転されておらず残念。
しかたがないので、快速エアポートで千歳か南千歳まで先行しようかなと思いましたが、ホームに停まっていたのは733系の普通新千歳空港行き。これはもしやと思って4号車に行ってみると、思ったとおりuシートが連結されていました。しかも、席に余裕があります。思わず飛び乗りました。なぜなら、普通列車のuシートには追加料金不要で乗ることができるにもかかわらずリクライニングシートで大変快適に過ごすことができるからです。
南千歳で降りて後続の普通苫小牧行を待ちます。札幌発の新千歳空港行の普通列車に乗って途中で札幌発苫小牧行の普通列車に乗り換えるというのは、ある意味奇行の一種なので、人目の少ない南千歳駅を乗換駅に選びました。
まだ11月でしたが、北海道の夜風は身に沁みます。
途中、反対側のホームに停車する札幌行の特急北斗を見ながら、なんで札幌駅20時台〜21時台発の苫小牧を経由する特急は運転されていないんだろうな、とかぼんやり考えつつ。
そうこうするうちに、普通苫小牧行がやってきて、車中の人となったのでした。
とまこま〜☆
そんなこんなで、苫小牧。親の顔より見た苫小牧。
苫小牧駅は改札外にお手洗いがあるので、苫小牧西港に行くバスを待つ人には大変ありがたい環境です。JRを利用していない人は使わない方がよいでしょうけど。
苫小牧駅には、苫小牧市のマスコットキャラクターとまチョップがあちこちにいます。このキャラクターは登場したての頃は若干違和感もありましたが、最近は苫小牧に完全に定着した感があります。
苫小牧駅を出て左手に行くとすぐにバス停があります。ここに苫小牧西港へ行くバスが発着します。
バスまで時間があったので、駅から一番近いセイコーマートまで歩いて買い出し。22時過ぎでしたが、評判の高いホットシェフのカツ丼が大量に陳列されていました。
道民のカツ丼のニーズは深夜にもピークがあるのでしょうか、あるいは苫小牧西港から深夜に出港するフェリーに乗る客がお腹を満たすためにこぞって買いに来るのでしょうか。後者であれば、わたしもこの日は仲間入りです。
セイコーマートで買い出しが終わったら、バス停に戻って苫小牧西港行きのバスを待ちます。夜間はバス停付近に風よけになるものはないので、苫小牧駅の自由通路で待つのがおすすめです。特に冬は。
しばらく待って、やってきたバスは札幌始発の高速とまこまい号。高速とまこまい号は札幌始発で札幌から乗換なしで苫小牧西港まで行けるのがメリット。高速バスですが、実は、高速道路を一切経由しない苫小牧駅ー苫小牧港間だけでも乗降できます。
この日は乗客が多いからか高速とまこまい号は二台体制でした。この便は八戸行のシルバーフェリーの中でも、徒歩客に特に需要のある23:59発のシルバーティアラに接続するから続行便が出たのでしょうね。
一台目のバスは大変混雑していましたが、二台目のバスは空席が目立ったので、迷わずそちらへ。
乗車時間はおよそ14分。苫小牧西港に到着です。
苫小牧駅から苫小牧西港までは結構距離があるので歩いていくのはおすすめしません。特に冬は。国道を右折してフェリーターミナルへ向かう道は照明もすくなく危ないです。バスがない時間帯は多少おサイフに響いてもタクシーを利用するべきでしょう。
稚内から一気に南下して当日中に苫小牧西港フェリーターミナルまで到着できるのは、ちょっぴり不思議な感じ。
さんふらわあ だいせつ乗船
乗船手続きを済ませたのち、ターミナルビルをウロウロ。この日の商船三井さんふらわあの大洗行き深夜便を担当する船はさんふらわあ だいせつでした。深夜便は大型トラックの貨物の輸送が主目的なので、貨物船に乗せてもらうなんて言い方をする人もいますね。
深夜便は1:30の出港となっていますが、乗船手続きは22:30までに済ませることが推奨されています。車両がある場合は大型トラックとのパズルがあるので早く来てほしいという話はわかりますが、徒歩客も同じ時間までに乗船手続きを済ませるように案内されているのはちょっぴり解せない所があります。
もし、1:00まで乗船OKであったとすれば稚内から特急宗谷に乗って深夜便に乗り継ぐことができそうで、北海道の滞在時間を長くすることができ旅行の幅も広がりそうですね。まあ、道中の遅延のことを考えると、たとえ乗船OKであったとしても推奨はしませんが。
さんふらわあ だいせつに乗る人の姿はほとんどありませんが、シルバーティアラの乗船待ちはにぎやかです。
シルバーフェリーの船には通常3番ゲートから乗船しますが、シルバーティアラは主に太平洋フェリーの乗下船用に使われる2番ゲートから乗船することになります。
一方で、ひっそりとした雰囲気のさんふらわあ だいせつ。乗船用の1番ゲートは通常消灯されており、人感センサーが働くと点灯するという設備からも徒歩客の少なさがうかがえます。
さんふらわあの運行会社は合併して商船三井さんふらわあという一つの会社になりましたが、船体には商船三井フェリー(というか、ブルーハイウェイライン)由来の青いラインが引かれており、フェリーさんふらわあ所属だったフェリーと視覚的に区別できます。
船内は懐かしい昭和のニオイがします。深夜だからか、ドライバー主体という客層もあってか、船内でさんふらわあの唄が流れたりはしません。あの曲に思い入れがある人は自分の脳内で再生しましょう。
乗船したらさっそく、今回の旅の最大の目的であるさんふらわあ端ッコスタンプラリーのチェックインをしようとマーカーを探しました。階段の脇にあり、目立たないです。注意していないと見落とすかも。
2つ目のスタンプをゲット。ゴールまでに必要なスタンプは残り2個。順調です。
遅い夕食
さんふらわあ端ッコスタンプラリーのチェックインという今回の旅の最大の目的を果たした後は、かつては食堂だったとおぼしきホールに向かい、セイコーマートで調達した遅い晩ごはんをいただきました。
セイコーマートのカツ丼の盛り付けはセパレートタイプなので、つゆがごはんに過度に染み込むことはなく、食べる人が好みの量に調節することができます。このつゆの味付けは絶妙で、カツ丼が多くのセイコーマートユーザーに支持される理由かもしれません。
食事のあとは、お風呂に入って寝る支度を万全にして出港を待ちます。定刻の深夜1:30に出港……と思いきや、1:20頃に出港しました。早発?
もしかすると、車両の積み込みが終わったらすみやかに出港するのが深夜便のスタイルなのでしょうか。だとすれば、早く乗船手続きをしてほしいという商船三井さんふらわあさん側の案内にも納得いくような、いかないような?
次回
さんふらわあ端ッコスタンプラリーを休み無しで達成する旅はいよいよ二日目。さんふらわあだいせつの乗船記前半をお送りします。