結婚式なんてしなくていいと思っていたはずだった
2019年5月、見事なくらい100点満点の晴れの日に結婚式を挙げました。
結婚式と言っても、40人にも満たない小さなパーティーだったのですが、それが本当に素晴らしい経験となったので、当日に至るまでの過程を書いていけたらと思います。
タイトルにもあるように、私たち夫婦は「結婚式なんて特にしてもしなくても良い」くらいのスタンスでした。それは、いわゆる「ザ・結婚式」「ザ・披露宴」のカルチャーが苦手だったから。
プロフィールムービーも、ケーキ入刀も、ファーストバイトも、キャンドルサービスも、私たちのキャラクターには合わないなと思っていました。(そういう披露宴や式を否定するつもりはまったくありません。あくまで、私たちのスタイルに合わない、それだけです。)
結婚式を終えて2年が経とうとする今、私の中には「もう一回結婚式がしたいなあ」という思いが時々首をもたげています。
どうしてこんなにも気持ちが180度転換させられたんだろうと考えてみると、次のことに行き着きました。
私たちがゲストから幸せをたくさんもらう会になったということ。
一方通行ではなく、ゲストと双方向でのコミュニケーションが取れたこと。
ゲスト同士に新しい繋がりが自然と生まれ、その光景がとても楽しそうだったこと。
家族がとてもリラックスして楽しんでくれたこと。
他にもあるのですが、それだけ切り取っても本当にやって良かったと心から思えました。
でも、当初はこんな気持ちに自分たちがなるなんて、まるで予想もしていなかったのです。
降って湧いた結婚式
「なんで結婚式って全部おんなじ感じなんだろうね。いわゆる普通の結婚式ならやらなくて良いよね」
私と夫は、結婚する前からそういう話をしていました。お互いそういう価値観だったから、結婚したと言い換えてもいいかもしれません。
そんなふたりがまさか、説明会開始1時間で結婚式の申し込みをすることになるなんて、誰が予想していたでしょうか。正直私は自分のことながら呆気にとられていました。
私は長女で、両親は直接口には出さないけど、どこか娘の晴れ姿を見たいと思っていることには気付いていました。
何より、祖父母が年々弱々しくなっていく姿をみていると、自分たちの気持ちも大事だけど、家族の想いも大切にしたいという思いが心の奥にはありました。
そんなある日、妹が「こんな説明会あるよ」とリンクを送ってくれました。
それが、「IWAI & CRAZY WEDDING 合同説明会」。
CRAZYのことはずっと前から私も夫も知っていて、ビジネスの視点で、面白いベンチャー企業だなあと思っていました。
そんなCRAZY WEDDINGが新しいコンセプトで打ち出したサービスがIWAIでした。HPを見ると、限りなくそぎ落とされた内容。サービスリリースの時の「結婚式に自由を」というメッセージにもとても共感したのを覚えています。
「やらないにしても、“なぜやらないか”という理由を明確にするために、話だけでも聞きに行ってみよう」
そう夫と話し、説明会に申し込みをしました。(なんてひねくれている夫婦なんだ!)
プランナーさんのヒアリングからはじまった説明会で私たちが伝えたことは限りなくシンプルなことでした。
「いわゆる、ザ・披露宴にはしたくない」「結婚式が生活の中心になるような準備はしたくない」
すると、プランナーさんは「IWAIをお勧めします!」と即答。
ホームパーティーのような雰囲気で、本当に大切で呼びたい人だけを呼ぶ、シンプルでゲストファーストの結婚式。CRAZYが100だとすると、10までやることを減らしたのがIWAIだと説明を受けました。
まさに、自分たちの思い描いていた理想の結婚式でした。
「申し込みます」
話を聞き終わってすぐに、隣に座っていた夫が口を開きました。
「え?今なんて言った?」
ポカーンとする私に夫は続けました。
「IWAIなら絶対後悔しないと思う。やろう」
決して安くはない契約額。でも、この人が直感で確信したのなら、乗っかっても大丈夫だろう。そう思いました。
契約書にサインをし、説明会を後にした帰りの電車の中、夫は始終満足そうで、その表情を見ているのがとても嬉しかった記憶があります。(でも心中は「こんなに大きなお金を即決で大丈夫かなあ…」とドキドキハラハラが止まりませんでした)
そうして、私たちの結婚式への日々が始まったのです。
心から感謝を伝えたい大切な人は誰か
IWAIで結婚式を挙げることを決めた私たちが次にやるべきこと。それは、誰を招待するかを決めることでした。
規模は小さくやりたいという双方の希望で、最大40名収容の小さい方の会場を選びました。
半分ずつ枠を取ったとして、20名。この機会に久しぶりに会いたい人もいる。結婚して子どもがいる友人は特にそうだ。こんな理由がないとなかなか会えない。2次会もしない。どうしようーー
そんな時、大きな指標となったのが、IWAIの大きな特徴のひとつである「ゲストひとりひとりへの手紙」。
受付後、ゲストは自分の名前が表示されたポストから手紙を取り、ロビーで読み、そして会場に入る導線となっています。手紙の内容は自由ですが、これまでの思い出や感謝の気持ちなど、伝えたい思いを素直に綴ることに自然となります。
正直、20人ひとりひとりに手紙を書くという作業は楽ではありません。実際に文章を書くのがあまり得意ではない夫は、式の5日前くらいまで書き終えることができませんでした。
だからこそ、「人数を満たすため」なんて理由では到底招待できないのです。
心からの言葉を伝えたい人。自分の人生にとって真にかけがえのない人。それは誰か。
はじめにとことんこの問いと向き合う時間が持てたことは、この先の準備においても、もちろん結婚式当日にも、そして私たちの人生そのものにも大きく影響したように思います。
そこにいる全ての人が主役のウェディングパーティー
結婚式から2ヶ月がたった頃、当日のムービーと写真が出来上がってきました。
そこに映っていたのは、ゲストが心から笑っている姿。いわゆる「笑わなきゃ、祝福しなきゃ」じゃない、自分たちがよく知っている人たちの、いつも通りの自然な笑顔。
これを観たとき、私は心から、このパーティーをやってよかったと、心底思えた気がします。
押し付けのお祝い事じゃない。押し付けの感動じゃない。これまで一緒に人生を楽しみ、乗り越えてきた人たちと過ごす、特別だけど「いつも通り」の時間。
そこにいるすべての人が主役であるような笑顔をしている最高の結婚式。きっとこんなにも素晴らしい時間を過ごせることはこの先数えるほどしかないだろうと思っています。
「結婚式」は「祝福式」
結婚式ってなんだろう。どうして結婚式をするんだろう。
私の中の長年の疑問に、ひとつの答えが見えたような気がしました。
結婚式は目的じゃない。手段でもない。ただのきっかけに過ぎない。
自分たちの人生にかかわってくれた人、これからもそうであろう人。心から大切な人たち全員が主役になって、ともにこれまでとこれからの人生を祝福し合う。そんな時間の「きっかけ」が結婚式なのかもしれない。今は、そう感じています。
特別な一日だけれど、それは現実と切り離されたおとぎばなしなどではなく、あくまで現実と地続きの一日。
結婚式はゴールでもスタートでもなく、人生の一コマにすぎません。
でもその一コマが幸せな空気で満たされ、輝くからこそ、その先にも続いていく日々に雨が降ったり影がかかったりした時に、優しく照らす灯台になってくれるのだと、2年を経てそう思っています。