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オノザワさん

「カヲル、体育祭何出るの?」
クラス唯一の女子ヤンキーオノザワさんが
前の席からいつもの様に話し掛けて来る。
「障害物競争!あれ最後飴食べれるじゃん」
小学生の様な中学3年生の自分は嬉しそうに答える。今では衛生上考えられませんが、当時は体育祭や運動会で小麦粉の中に飴が入ってて、手を使わずに口だけでゲットできたらクリアみたいな関門が設置されてた。で、小麦粉で顔が真っ白になって、余り努力もせずに面白いと思われる結果が得られる小学生向きの障害物競争。
「えー、、、障害物、、、晒しもんじゃん」
「オノザワさん足速かったよね?障害物みたいな走るヤツ出ればいいんじゃ無い?」
「走りたく無いから悩んでんじゃん」

体育祭当日、障害物競争を終えた顔面真っ白の自分にオノザワさんが笑いながら話し掛けてきた。
「何それ、バカ殿じゃん!」
「なんだよ、うるせーよ!」
と言いながら、やっぱりウケた!よしよし!
「飴美味しい?」
「それがさぁ、飴じゃなくてきな粉餅だったよ!」
と言ったらもっと笑ってくれた。
「オノザワさんは何出るの?500?走りたく無いって言ってたじゃん」
「やりたく無いって言ってたら全部埋まっちゃって最悪の500が残っちゃって、、、」
と、笑顔が消え、500開始の列へ向かって行った。
もう、走りたく無いと言った意味が分かった。
オノザワさんは発育が良い。
絶滅した80年代のブルマーに白い半袖運動着で恥ずかしそうに走るオノザワさんの揺れるオッパイを見て、
自分はオノザワさんを好きになった。

中山美穂、関係無くなったちゃったけど、、、
オノザワさんの話。

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