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上條淳士 「SEX」

「カヲルは高校どこ受けんの?」
いつもの様に前の席のこのクラス唯一の女子ヤンキーオノザワさんが話し掛けてきた。
「俺頭悪いから私立の単願だよ、〇〇○学園。公立で俺のレベルで入れそうな〇〇高校とか、〇〇高校とかだと、生きていける気がしないから、、、」
当時ヤンキー全盛期、小さくて、ガリガリの小学生のような中学3年生の自分に先生も生きていけないのを見抜いたのか、私立の単願を勧めてきていた。
「〇〇○学園か、、、学区外だね、いいね、私もすべり止めの私立そこにしようかな」
「なんで?学区外にすんの?電車で通学になるよ?面倒じゃん」
「高校行ってまで知ってるヤツらとかもっと面倒じゃん」

「SEX」1巻 中学3年生の果歩

当時、上條淳士先生の「SEX」を読んでこの果歩を見た時、中古3年生の時の同級生、オノザワさんを思い出した。
背が高く、当時の女子ヤンキーの象徴のような制服のロングスカート、ぺたんこの靴を履き、クラスの誰とも群れない女の子、オノザワさんを。
席替えで離れてしまった為、その後オノザワさんと話をする事は無くなってしまったまま高校受験が終わった。その間にオノザワさんはどうやら年上の高校生と付き合ってるらしいなどの噂話や、自分と同じ〇〇○学園を受験するらしいなどの情報が入って来て、同じ高校に行けるかとしれない事が本当に嬉しかった。
受験合格発表当日、同じ高校を受けた友達何人かと学校に向かった際、最寄りの駅を降りるとオノザワさんが居た!背が高く、制服のロングスカートを履き、平べったい靴にド派手なピンクのコレまた平べったい学校鞄を持って、颯爽と前を歩いていた。
自分の記憶にあるオノザワさんはここまでだ。
噂によると、合格発表のその日、目立ち過ぎてしまいその高校の先輩女子に調子に乗ってんな!としめられたらしい、、、そして〇〇○学園はすべり止めだった為、第一志望の公立の高校に行く事になったと。
同じ学区内の同じ電車での通学の高校だったから、乗る時いつも駅で探してた。その高校がある駅が自分が降りる駅の前だったので、電車の中からいつも探してたけど、その内別の女の子を好きになり、探さなくなった。

「sex」2巻 高校1年生 成華高校の果歩

サンデー派だったので中学の頃から上條淳士先生の作品が好きで、「TO-Y」が大好きだった。
次に高校生の頃始まったのがヤングサンデーのこの「SEX」。大好きでA5サイズで2巻まで出てるのを何度も読み返してたけど、あれ?3巻いつ出るんだろう、、、と、思いつつ、2巻までを何度も読み返してました。あれ?連載は終わったよな?あれ?次の作品「赤✖︎黒」が始まった、、、ちゃんと単行本も出た、、また次の「8」が始まって、、、単行本もちゃんと出て、、、と、突然?11年経ってから、A5版では無く青年誌サイズで単行本が発売となり、全7巻2005年、12年待たされて自分の中でも完結いたしました。
A5サイズの2巻までの思い入れが激し過ぎて、実は3巻以降は1〜2回しか読んでいない。

「SEX」最終巻7巻 果歩のお尻

同い年の中山美穂さんの死から、オノザワさんの事、中学生の頃を沢山思い出しました。
1番好きな「サマーブリーズ」以降は高校に入ってからなのでまた別のお話で。

中山美穂さん、大好きでした。
本当にありがとうございました。
安らかにお眠り下さい。




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