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「お父さん、お母さん。来世ではもう会いたくないです」 愛着障害と私


愛着障害って、知ってますか。

初めまして、黒川 夕陽(クロカワ ユウヒ)と申します。

突然ですが「愛着障害」って知ってますか?

私は30歳の時、心療内科で「愛着障害」と診断されました。

その言葉を聞いたのはそれが初めてでした(「PTSD」という診断も同時に受けています)。

主治医から愛着障害とは何か説明を受け、これまでの人生の様々なことが少しずつ腑に落ちました。

私は十代の頃からうつ状態がひどく、いくつか心療内科にも通ったのですが、そこで「軽度うつ」「適応障害」「境界性パーソナリティー障害」といった病名を告げられました。

それについてネットで色々と調べましたが、あまりピンとくることはありませんでした。

私にとって「愛着障害」は最も納得できる診断名でした。


愛着障害の人は、愛着障害について知るのがこわい。

愛着障害の治療を受け始めて2年が経ちますが、今日初めて「愛着障害」に関する本を一冊読み終えました。

主治医から愛着障害についての説明は受けており、岡田尊司という方が本を出されていることも知っていましたが、読み終えることができたのは今日が初めてです。

とはいえ、今回読んだのは岡田先生本人の著書ではなく、岡田先生監修の漫画「愛着障害」なので、かなりライトな読み口ではありました。

これまで二度、岡田先生の「愛着障害」を読みかけては、心身ともに大きく調子を崩し、数ページしか読むことができなかったので、今回のこの読了体験は自分にとって大きな進歩だと思っています。

岡田先生の本を読んだ時に心の中に起こる変化。それは、自分が最も苦しかった時期にタイムスリップさせられてしまう体験です。

主治医はそれを「フラッシュバック」と呼びます。

漫画版の「愛着障害」を読み終えて、二、三時間は、心の中にそれほど動揺は起きませんでした。が、夫が仕事に出かけ、一人になった途端、急に息ができないような圧迫感を覚え、涙が止まらなくなりました。


フラッシュバック

現在、新型コロナウィルスの影響で、自宅勤務中なのが幸いし、泣きながらも午前中の仕事を終え、朝食は大方吐き戻し、吐瀉物と涙で汚れたままはっきりと「これは心の中をどこかに吐き出さないとまずい」と感じました。

フラッシュバックが起きた時に感じる息苦しさ、それは

「私はこんなに寂しいのに、どうして誰も気づいてくれないの?」

という、子ども時代からずっと私の中にあった圧迫感だったからです。

フラッシュバックが起きる時、私の心は狭い子ども部屋にいます。

愛着障害の治療を始めてしばらく経った頃、主治医に『両親と縁を切る』ことを勧められました。

そうしないと治療がすすまないから、と。

それは私がどこかでずっと求めていた言葉だったのかもしれません。

それをきっかけに(完全に絶縁できたわけではありませんが)私は両親や親族と距離を置けるようになりました。

距離を置いて初めて、両親に感じていた本当の気持ちに気づきました。

「あなたたちのことが大嫌い。

絶対に許さない。

来世では会いたくない」

これが私の本当の気持ちでした。

言葉にしたら親に受け入れてもらえなくなってしまうから、心の奥に閉じ込めた本音です。


今私は両親から遠く離れ、夫と二人で暮らしています。

好きな仕事で正社員の職を得、満足な収入も得ています。

なのに、フラッシュバックが起きると、私は毎回あの狭い部屋に閉じ込められてしまうのです。

その部屋はとても狭く、そこにいる限り私は自分の本当の気持ちを誰かに言うことができません。

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このnoteを通じて私がやりたいこと。

このnoteを通じて私がやりたいこと。それは、私自身の心の治癒です。

それがいつか、私と同じような誰かの心に届き、狭い部屋から解放されるきっかけになればと思います。

そして私はいつかこのnoteを、両親や親族に読んでほしいと思っています。

こんな辛いnoteをわざわざ両親に読んでほしい理由について、次の章に書こうと思います。

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黒川夕陽
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