2024/10/02 連作短歌九首

愛情に
心奪われ
やるせなく
ただ居るにして
一人待つ身は

過ぎ去りし
思い出暮るる
駅の前
私はこの世を
愛していたり

コーヒーを
たしなみながら
ほどほどに
ほどけ行く身の
先は分からぬ

砂場にて
我は遊びし
子の頃に
悲しくもなし
時が過ぎゆく

沛然と
通る車の
音の中
静寂は足元に
広がっていたり

記帳には
記されたる文字
整然と
私の胸の
内の思いは

秋晴れて
涼しい風に
醒めながら
愛という字を
眺むに避けれず

ひんがしの
都に集う
人々の
生ぞ楽しき
さらに増せよと

西方の
極楽浄土に
旅立つ人へ
今まですべて
あなたの偉業だ

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