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ブランディングの落とし穴に気をつけろ!本当の価値を伝えるために大切なこと

ブランディングとは、個人や会社の価値を最大限に引き出し、正しく伝えるための重要な取り組みです。しかし、実体以上に魅力的なイメージを作り上げることに執心すると、逆に信頼を失う可能性があります。本当の価値を伝えるためには、何が必要なのでしょうか?今回は、ブランディングの落とし穴とその回避策について考えてみます。


01 | 過剰なイメージづくりがもたらす落とし穴

僕はさまざまな企業様のブランディングのお手伝いをしていますが、日々の業務のなかで、ハッとさせられることがあります。それは、ブランディングに注力しすぎて、どんどん実体とかけ離れてしまうことです。

たとえば、企業が「柔軟で自由な働き方」を掲げているのに、実際は厳格なルールが多くてガチガチな縦社会の環境であれば、採用された人材の期待は裏切られ、早期退職や業績低下を招く恐れがあります。

また、個人のブランディングにおいても、SNSなどで過度に華やかなライフスタイルを演出すると、実際に会った時のギャップによって周囲からの信頼を失うリスクがあります。

ブランディングにおいて「魅力を引き出すこと」と「嘘をつくこと」はまったく異なります。魅力を引き出すとは、自分や自社が持つ強みを明確化し、それを最適な形で伝えることを指します。一方で、実体にないことを無理に作り上げようとする行為は、いずれ露呈し、信頼を失う結果を招きます。

短期的には、派手で目を引くブランディングは注目を集めるかもしれません。しかしその期待値が高いほど、実体とのギャップが明らかになった際の失望は大きくなるのです。

特に現代は情報が広まりやすい時代です。一度でも乖離が露呈すると、信頼を取り戻すのは容易ではありません。では、この落とし穴を避けるにはどうすれば良いのでしょうか?

02 | 実体に基づくブランディングの作り方

上記のような落とし穴を回避するためには、

・ブランディングに沿った、出来事を作る
・出来事に沿った、ブランディングをする

といった観点から、実体とブランディングを一致させる必要があります。以下に、「実体に基づくブランディング」の具体的なポイントを挙げます。

1. 自己分析を深める

まずは、自分や自社の現在の実態を正確に把握することが大切です。「ポジショニングマップ」や、「マインドマップ」などのフレームワークを使いながら、以下のようなことを深掘りしていきましょう。

  • 私たちはどんな価値を提供できるのか?

  • 他者(競合)と何が異なるのか?

  • 現在の顧客や受け手は、どんな印象を持っているのか?

これらの分析をすることで、実体に即したブランディングの方向性が見えてきます。逆に自己分析を怠れば、表面的な施策に終始し、短命なブランディングに終わってしまいます。

2. コンセプトを明確にする

ブランディングの成功には、「何を伝えたいか」を明確にすることが不可欠です。上記の分析によって自分や自社の強み、他と差別化できる要素を洗い出し、それを簡潔なコンセプトとして表現します。このコンセプトは、すべての発信や活動の軸となり、統一感をもたせるための土台となります。

たとえば、「安心と信頼」を軸にした企業がSNSで発信する際、親しみやすい文章や実際の顧客の声を活用することで、コンセプトが体現されます。一方で軸が不明確だと、受け手に一貫性のない印象を与えてしまうリスクがあります。

3. 一貫性を持つ

メッセージや発信の一貫性は、ブランディングを成功させる鍵です。たとえば、SNSや広告で「革新的」とアピールしている企業が、古いビジネスモデルに固執していれば、受け手に矛盾を感じさせてしまいます。一貫性を持たせることで、受け手に明確なブランドイメージを伝えることができます。

まとめ

ブランディングの本質は、魅力を「見せる」ことではなく「伝える」ことです。そのためには、実体を見つめ直し一貫性を持って発信することが不可欠です。無理に自分を良く見せようとするのではなく、自分らしさや自社らしさを活かすことで、信頼を得て持続的な成功を目指していきましょう。

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