市民ランナーに、ジュニア選手のコーチになって欲しい
これは、第一生命が発表した2018年の「男の子が大人になったらなりたいもの」ランキングです。
なんと陸上選手が7位にランクイン!
ニュースにもなっていたと思いますので、ご存知の方も多いでしょう。小学生時期の陸上需要は凄く高まっています。
一方でこちらは日本陸連の出した資料です。
中学で陸上をやっていた選手の内、男性の6割・女性の7割が高校進学時に辞めている。
という事実がここに書かれています。
多様性や多動性に無限の可能性があり、インターネットの普及で全てがオープンな時代です。
勿論、他の事をやる事もとても大切だと思うのですが、この数字を見てとても残念な気持ちになりました。陸上は生涯スポーツとしてずっと楽しめる物だと思っています。
あくまで仮説なので申し訳ないのですが、この数字から見える事として・・・
陸上の本当の楽しさや、陸上を通じて大切な事を、指導者がしっかり伝えられていないのでは?
という事です。
ニュースを見れば部活の体罰や恫喝が繰り返し放送されています。それでも体罰は無くなりません。
私も小学生の陸上大会に出向く事がありますが、小学生に対してでも、罵声を浴びせている指導者をよく見かけます。
日本では多くの種目で、トップの競技者がそのままコーチになる事が多く、選手側もそれを求めている所があります。
仮に競技実績が無い人がプロのコーチを目指したとしても、実績や各競技団体推薦が無いとコーチの資格が取れなかったり、競技団体村の独自ルールが存在していて、オープンな場になっていない問題もあります。
学生時代に選手として活躍されていた方は、その時のイメージがあるので、どうしてもジュニア選手にも競技優先の思考になってしまう部分は仕方ないと思いますが、本当にそれで良いのでしょうか?
海外サッカーなどでは、モウリーニョのように選手を早々にやめた方や、選手経験の無いコーチのプロがトップとして活躍していたりします。
優れた競技者=優れたコーチ
ではないという事です。時代の変化とともにコーチに求められる資質や教養というもの変わって来ています。
特にジュニア期の選手に向き合う上では、
・競技の楽しさや生涯スポーツの大切さ
・何事にも一生懸命取り組む姿勢の構築
を指導の柱にすべきだと個人的に思います。
先の読めないスピード感溢れるこの時代に、どんな環境変化にも対応できる人間力の土台を作る事が大切なのではないでしょうか?
私は現在、神戸市の「北五葉NAC」という陸上クラブで、小学生のボランティアコーチをさせて頂いていますが、仮に「日本一を目指せる選手」が目の前に居ても、「陸上だけをやって結果を出せ!」というような無責任な事は言えません。
野球やサッカーでは、年間億を稼ぎ、何年かトップでやれば、生涯お金に困らない選手が数多くいると思いますが、陸上界にそんな選手はいないのが実情です。
残念ですが、日本の陸上界がそのような環境にもなっていないので、無責任な人生設計の押し付けは、私には出来ません。
目先の実績も大切かもしれませんが、ジュニア期の指導にはもっと大切な事があるのです。
さて、ここで市民ランナーの皆様の出番です。
だって市民ランナーって、基本楽しいから走っていますよね?
是非、その楽しみ方についてや、ご自身の職業などから得た教養を、ジュニアの選手に伝えて頂けないでしょうか?
えっ?コーチ資格がない?
日本陸連さんありがとうございます。ジュニアのコーチ資格は簡単に取れる仕組みが既に出来上がっているんです。詳細はこちらをご確認ください。
お金は若干かかりますが、サラリーマンの方でも、数日の講習を受けて簡単な試験に受かれば、どんな方にでも免許を出してくれます。
マラソンをしている市民ランナーの方も、他の陸上種目に触れるとても良い機会で、実際私も勉強になる事が多かったです。長距離種目以外には四苦八苦しておりますが・・・
後は活動の場所を探して、すぐにコーチになる事が出来ます。ちなみに私は「コーチ資格あるのでやらせてください!」と自分からアプローチして今のクラブに巡り会いました。副業はNGなので、あくまでボランティアです。
もしそのようなアプローチが難しい場合、実は、この4月から日本スポーツ協会が、指導者マッチングサービスを提供し始めています。
これに登録さえしておけば、今後指導者不足に困っているクラブから声がかかる可能性もあります。
これはあくまで実体験でしかありませんが、まだ記録向上を目指す市民ランナーでも、陸上のルールやトレーニングなどの知識を得るとても良い機会なので、長い目で見るとメリットのある資格だと思います。教えようと思えば必然と勉強も必要になるので、結果正しい知識も身につきます。
私は今、小学生のサポートをしていますが、人前で出来るだけ分かりやすく話しをしたり、伝えたい事を言語化するスキルを上げる事は、仕事にもつながっています。
そして、陸上のトップ選手では無かったですが、電通という厳しい環境の中で、クライアントのマーケティングコミニュケーションをお手伝いしている事が、コーチとして選手の課題発見から解決までのアプローチや、アイデア出しなど、トップ選手だった方にも負けず劣らずに活用できる事もあると思っています。
働き方改革の影響は先生にも来ています。ジュニア期の選手が陸上選手を続けたくても、その環境が近くの中学に無かったりしており、指導者も圧倒的にに足りていません。
改めて言います。市民ランナーの皆様、その経験を少しでもジュニアの選手に伝えて頂けませんか?
きっと、皆様の陸上の楽しみ方や取り組み方も、その可能性が更に広がると思います。どうかご検討をよろしくお願いします。
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